Bリーグ1部・三遠ネオフェニックスは7日と8日の両日、ドルフィンズアリーナで開催された「AICHI CENTRAL CUP2024」に参戦。7日の第1戦はファイティングイーグルス名古屋と対戦し、94−60で勝利、翌8日の決勝ではシーホース三河と対戦し、93−69と同じく大勝。2日間の大会を2連勝で終え、初代王者に輝いた。
今シーズン、初めて開催された愛知セントラルカップ。バスケット王国といわれる愛知県を象徴するように、B1に所属する全4チーム(三遠、三河、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、FE名古屋)が参戦し、シーズン開幕前とは思えないほどの白熱した戦いを演じた。
優勝した三遠は主力のヤンテ・メイテンが欠場となり、フルメンバーが揃わない中での戦いとなったが、終わってみれば2戦ともに圧勝。その中でも新加入のデイビッド・ヌワバと吉井裕鷹が存在感を見せた。ヌワバは第1戦で20得点、第2戦では26得点と躍動し、今大会のMVPを受賞。パリ五輪で日本代表として活躍した吉井も、持ち前のディフェンス力や万能性を存分に見せ、1か月を切ったシーズン開幕に向けて期待が高まる内容となった。
大会終了後、三遠の大野篤史HCとヌワバが記者の取材に答え、初優勝に輝いた愛知セントラルカップを振り返った。
大野篤史HCのコメント
-優勝を意識して戦っていたか、それともあくまでプレシーズンという意識で戦っていたか
もちろんリーグ主催のゲームだったので、自分たちが今できることをしっかりやろうというところと、たくさんのブースターさんが豊橋や三遠地方から来ていただいたので、いい結果を見せて(という気持ちで臨んでいた)。(優勝できて)まずは良かったんじゃないかな。
-新加入のデイビッド・ヌワバがチームにもたらす効果とは
ヨーロッパのゲームを見てる時の彼のディフェンスの姿勢だったり、チームメイトを助ける姿だったり、オフェンスに絡んでいくというところが魅力的でオファーをしたんですけど、練習で「あれ?」っていう感じのときが結構ある(笑)。僕だけじゃなくて周りのプレイヤーも「すごいね」って多分、今、気づいていると思います。
ただ、彼だけではなくて、吉井だったり津屋だったり、彼らが本当にディフェンスでハードワークしてくれる。それが自分たちのチームに対して好影響を与えてくれている。あの3人が本当にディフェンスのトーンをセットしてくれている。ポイントガードもそうですし、ベテランの(太田)敦也があれだけ体張ってディフェンスしてくれたこと、かなり大きかった。(欠場した)ヤンテ・メイテンの穴を埋めてくれたと思っています。
-シーズン開幕前の「優勝」という経験がもたらすチームへの影響は
どんな試合でも僕は勝ちたいし、こういうカップ戦の中で優勝という名前がつくものを選手たちと一緒に共有できたこと、彼らが1ヶ月、8月の最初からやってきたことをしっかりコートで表現して勝ちを得たことは自信にしていいと思います。ただ、ここで終わる訳ではないので、もっともっと良いチームになれるはずですし、バスケットのスタイル的にもオフェンスもディフェンスももっと良くなっていくはずなので、その努力を怠らないで今日みたいな「優勝」と名の付くものを得られるようしっかりやっていきたいと思っています。
-三遠での3シーズン目、チームづくりでの次のステップは
僕のコーチである普遍的なテーマは、「地域に根付く、地域の皆さんに誇りに思ってもらえるチームを作る」というところで喜んでもらえること、支えていただいている皆さんに喜んでもらえることが仕事。今日みたいな試合をして喜んでいただけることが一番ですし、選手たちはそれをしっかり理解して、3シーズン目2シーズン目を迎える選手、1年目の選手もそういうことにしっかりとコミットメントしてきている。僕がこのチームがどうなっていったかっていう評価ということよりも、記者さんだったりスポンサーの皆さんが「三遠らしいよね」って「三遠らしいバスケットしてるね」と今日(8日)の試合を良いと思ってもらえれば、僕はそれが一番です。
デイビッド・ヌワバのコメント
-愛知セントラルカップ決勝戦の総括
最初からディフェンスのトーンもしっかりセットできたと思いますし、アグレッシブにディフェンスができたところ、チームとして戦えたところがしっかり勝ちに繋がった試合だったと思います。
-Bリーグの印象
一番最初にとても印象に残ったのがお客さんたちの本当に大きなブーストが力になったというところ、皆さんのエナジーが本当にいいし、エナジーを感じ取れた試合にもなりました。あとは、やはり日本のガード陣のスピードもかなり速く、自分もアメリカでやってたときはそれが売りで、そういうのを速いペースの中でしっかりディフェンスをやるというような、日本のリーグのやり方はとても自分のテンポに合っているなと感じた。そして、とてもペースの速い、テンポの速いリーグだなと感じています。
-自身がチームやリーグに与える影響
自分はもちろんガードでもあるんですけれど、ガードの中でもしっかり体格も大きい選手なので、それにしっかりマッチアップできるような選手が日本にもいるなと感じました。そういう意味では、日本のガードの選手のレベル、そこでしっかり戦っていく中で引き上げることができるんではないかと感じています。
-日本でのキャリアについて
2日間を見ると19本もシュートを打っているんですけど、アメリカではこのような多い数のシュートを打ったことがなかったのですが、日本のバスケでプレーをするということは、アグレッシブにシュートを狙っていかないといけないと感じています。空いていたらスリーを積極的に打っていきたい。そして、アタックをしてしっかり攻めていきたいと感じています。オフェンスはもちろんそのように戦っていきたいですが、自分の強みとしてはやはりディフェンスの方なので、ディフェンスもしっかりプレーして、両エンドでしっかり活躍できる選手になりたいと思います。