茨城ロボッツが今季3勝目!後半戦逆襲へ平尾充庸「やっと土俵に立てた。ここから積み上げていこう」
島根戦で23得点を記録した茨城ロボッツの平尾充庸©Basketball News 2for1
Bリーグを中心に、Wリーグや学生バスケ、日本代表など日本のバスケットボール界を取材し、情報発信をするメディアです。バスケットボールに関するさまざまなニュースをピックアップし、お届けします。

 Bリーグ1部・茨城ロボッツは第18節にアウェイの武蔵野の森スポーツプラザで島根スサノオマジックと対戦。21日に行われた第2戦は98-85で勝利し、西地区2位の強豪・島根相手に今季3勝目を挙げた。

 開始早々11-0のランからスタートした茨城は前半を48-35で終えた。後半も勢いを止まらず全てのクォーターで24得点以上を記録し、試合を通して一度もリードを許さず、13点差で今季アウェイ戦初勝利を飾った。

 この試合では平尾充庸がシーズンハイの23得点5アシスト、チェハーレス・タプスコットが22得点、鶴巻啓太がキャリアハイ18得点、ジョニー・オブライアントは11得点13リバウンドを記録。第1戦では成功率21.1%(4/19)と決まらなかった3Pショットを55.2%(16/29)の高確率で沈めるなど、試合を通して破壊力のあるオフェンスを披露した。

グレスマンHCも納得「40分間戦い続けてくれた」

 20日に行われた第1戦は56-86と大差で敗れ、前半戦30試合を終えて2勝28敗と苦しんでいる茨城。試合後、リチャード・グレスマンHC「40分間戦い続けなければならない」とチームに言い聞かせるようにコメントを残していた。

 今季は前半は善戦もしくはリードするも、後半に点差を離され敗戦する試合が多くなっている。島根との第2戦、13点リードで迎えたハーフタイム中、グレスマンHCはロッカールームで選手たちに「一回相手が反撃してきたときに、自分たちが落ち込まないで精神的な強さを持ち続けること」という言葉を伝えたという。その言葉の通り、後半はリーグ屈指のオフェンス力を誇る島根が何度も反撃をするものの、その度にファイトバックし、選手全員がエナジーを持ってチームを勝利に導いた。

 試合後、グレスマンHCは納得の表情でこう語った。

 「この試合は40分間選手たちが戦い続けてくれたと思います。これを一つのいい例として、ずっと続けていければと思います」

記者の質問に答えるリチャード・グレスマンHC©Basketball News 2for1

勝利の立役者 キャプテン平尾充庸が23得点

 第2戦では長年茨城を支え、4シーズン連続キャプテンを務める平尾が躍動した。2021-22シーズンは平均11.6得点、2022-23シーズンは平均8.6得点を記録していた平尾も今季5.4得点とシーズン序盤からシュートタッチに苦しんでおり、シュートアテンプトも昨季より約2本少ないなど、持ち前のアグレッシブさを出す場面が少なくなっていた。

 しかし、この試合では積極的なドライブや3Pを確実に決め、チームが苦しい場面ではすぐにハドルを組み、チームメイトに声を掛け続けた。プレーでも精神的支柱としてもチームを盛り上げ、今季最多23得点の大活躍を見せた。

 グレスマンHCは平尾の活躍について「平尾を3年間コーチし続けて、歳を取ると難しいところも出てくると思いますが、今日はアグレッシブにプレーし続けてくれました。やはり彼に求めるのはアグレッシブさです。今日のような試合を毎回することは難しいと思いますが、彼がアグレッシブにプレーすることで、ロボッツ自体が次のレベルのバスケットボールを披露することができると思います」と語り、勝利の立役者を讃えた。

 グレスマンHCからの言葉を受け、平尾は自身の立ち位置やチーム状況を冷静に分析する。

 「アグレッシブにバスケットをするのはもちろん必要なことだとは思いますが、僕自身もずっと考えていたのが、やはりコートに立っている5人が連動して動かないと、アグレッシブに動いたところで周りのディフェンスがカバーに入りますし、今日改めて全員が動くからいいバスケットができるというふうに今日感じた。もちろん、自分自身もより今まで以上にアグレッシブにやらなければいけないと思いますが、しっかりとその中でも周りを動かしながら、自分を生かしていきたいなというふうには思います」

 自分の活躍よりもチームを第一に考えている平尾だからこそ、チームメイトもついてくるのだろう。

記者の質問に答える平尾©Basketball News 2for1

新加入ブライアン・コンクリンなど明るい材料も

 前半30試合を終え、2勝28敗とリーグ全体で最下位に沈んでいる茨城。残留争いの真っ只中ではあるが、後半戦は前半戦以上に勝利を積み重ねることが必要となってくる。第1戦でもグレスマンHCが「過去3シーズンはもっと強固なカルチャーがあった。カルチャーを取り戻さないといけない」とコメントしたが、前半戦は外国籍選手やヘッドコーチが入れ替わるなど多くの困難があった。そんな中で、後半戦のスタートを勝利で飾れたことはチームにとってもいいきっかけになるに違いない。

 島根相手に勝利したことは自信に繋がるのでは、という質問に対して平尾は「もちろん自信には繋がりますが、やっと自分たちは土俵に立てたのかなとチームとして思っていて、戦う姿勢を見せ、そこからしっかりと積み上げていくことが、残りの試合でも大切になってくると思います。『ここがまず土俵だよ、ここから積み上げていこうね』という話ができたので、そういった意味では(今日の勝利は)良かったのかなと思います」と手ごたえを口にした。

 後半戦に向けて明るい材料もある。今月9日には、アメリカ出身のパワーフォワードであるブライアン・コンクリンとの契約を発表。島根戦には出場しなかったが、すでにチーム練習には参加しており、グレスマンHCは「ディフェンス面でもオフェンス面でもさまざまなことができるので、フィジカルにプレーしてチームにタフネスを与えてくれるでしょうし、ほかのチームメイトがより確率の高いショットを決める手助けをしてくれると思います」と期待を寄せる。指揮官によると「来週末(広島ドラゴンフライズ戦)から出場できることを期待したい」とのことで、デビューも近そうだ。アップダウンの激しかった前半戦を乗り越え、逆襲の後半戦にしたい。

(吉本 宗一朗)

後半戦、茨城ロボッツの逆襲に期待だ©Basketball News 2for1

関連記事

Twitterで最新情報をゲット!

おすすめの記事