【会見コメント】信州ブレイブウォリアーズ木戸社長「日本一を目指す」平均観客者数と売上は1.5倍、協賛社数は2倍以上に
会見で話す信州ブレイブウォリアーズの木戸康行社長©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)の信州ブレイブウォリアーズは7日、長野市内で記者会見を実施。株式会社NAGANO SPIRITの木戸康行代表取締役社長が登場し、今シーズン終了報告と、2026-27シーズンから開幕する新リーグ「Bリーグプレミア(Bプレミア)」への参入審査基準の達成状況などについて発表した。木戸社長のコメント内容を、テーマごとに要約する。

木戸康行社長のコメント概要

Bプレミア基準の達成状況について

 Bプレミアの基準である平均入場者数4,000人については、今シーズン累計で12万8739人。平均でいうと、4,291人。売り上げについても、去年8億3000万円、パートナー協賛の数が192社だったところが、今期は大幅に売上、パートナー協賛の数も増えた。正確な数字はまだ決算が締まっていないので開示することはできないが、12億円を超えるというところまできている。協賛の数もおかげさまで、営業体制も変えながら直接皆様にご提案して、400弱まで至っている。アリーナについても、長野市様との深い協力関係、資本関係を築いているので、おおむね順調。(ホームアリーナの)ホワイトリングが非常に素晴らしい施設なので、それを改修するということをベースに進めている。今は仮と本に(ライセンスが)分かれているが、元々のライセンスの進行基準に伴って、ここは順調に進めている。

 この三つの基準については、6月決算であるものの、現時点で平均入場者数は正式にクリアをしている。(4月末の)時点でも(売上は)12億を超えていて、これもクリア。アリーナについても今、長野市様と協力を深めながら、常にBリーグとその辺りのライセンスについても進捗を図っていきながら、これについては、概ねいけそうだという(感触が)つかめている。この基準をもって、今年の10月のBリーグがスタートするBプレミアの初回審査、我々は2次審査で通していこうと(考えている)。あとは、事務的な手続きを経て、正式にはこの10月内にきちんとライセンスを発行されるという流れ。

 来シーズンのライセンスについても、今年3月のBリーグの理事会で今年のシーズンの売上見込み、それから利益見込みを提出し、来シーズンについてのB1ライセンスを我々はもう既に得ている。(ライセンスを)得ているということは、きちんとした黒字の見込みの蓋然性が高いということに他ならないので、この三つの基準を持って我々は(Bプレミア)審査に臨む。ホームゲーム(最終戦)でみなさまに「概ねBプレミアはクリアです」「(ライセンスを)獲得できています」ということをお伝えしたのは、この審査基準(達成)がほぼほぼ確定しているというところが裏付けとなっている。

 (Bリーグ開幕時は)B2からスタートして、途中B1に上がり、4シーズンを終えた。前年増減率からすると、去年が(平均観客数)2,879人で、今シーズンが4291人。プラス49%となっている。売り上げも1.5倍、入場者数も1.5倍というのをホームゲーム最後のセレモニーでもお伝えしたのは、ここが裏付けとなっている。

 我々は当初の目標で(平均入場者数でリーグ)18位以内に入るという目標を掲げていて、ちょうどこの間の土日(4月28日)までは18位ぎりぎりだった。京都さんに最後残念ながら抜かれてしまって19位になってしまったものの、しっかりと当初の目標の4000人をクリアした。(クリアできた)要因については、一番顕著にお示しできるのが、(会社の)新体制。それから長野市様から資本をいただいて、長野市様との深いコミュニケーション(を取っていること)。各興行についても、連携協力を努めた結果でもあるが、キッズドリームデイを2月7日に開催し、5,500人の入場者数、子供たちも5,000名くらい(集めることができた)。平日の昼間の開催はBリーグで初めてだったが、今回実現できた。

ホームアリーナのホワイトリング©Basketball News 2for1

B革新の意義とBプレミア参入による変化

 B革新とはどういうものかということをご説明すると、元々B革新の大きなコンセプトとしては、「経営強化、社会性を軸に、地域そして日本を元気にする存在に」ということがある。競技成績による昇降格をなくして、エクスパンション型のリーグにしていく。当初は18クラブからスタートしようというところで、我々も「(リーグで)18位以内に入る」という目標を掲げていたが、アリーナ基準の部分で、自社ではコントロールできない要素がたくさんあり、各クラブが自治体との調整、ステークホルダーの方々との調整を踏まえると、なかなかすんなりいかないという現状もあった。ですので、この辺りを大幅に緩和をし、まずは「18クラブ」という基準をなくし、アリーナについても本ライセンスと仮ライセンスをつくり、それを基にしてやるということ(になった)。おそらく現行の24クラブよりもBプレミアのスタート時点は、28、29、30とか(参入するクラブ数が)増えるかもしれないなと個人的に予想はしている。

 Bプレミアに向けたロードマップを今年に入ってから社内にも共有している。我々は10月の初回審査でしっかりとBプレミアを確定させ、2026年シーズン以降の体制を整えながら事業投資をしていくという話を社内にも向けている。それから我々一番はパートナー企業様のご支援の元でしっかりとクラブ経営が成り立っているので、より一層、我々のミッション・ビジョンである「我々を取り巻くご協力いただいた方々と一緒になって中央経済を豊かにしていく」というところ、ここは根幹をなす我々の企業の源泉でもあるので、そこはしっかりとやっていく。その上で、当然我々バスケットボールの興行をするのが事業の主体なので、やるからには、Bプレミアに行くからには、やっぱり日本一を目指していくチーム作りをやっていきたい。

 単にプレミアに行くだけがゴールではないので、プレミアはあくまでもスタート。どうゴールを作っていくかというと、これは日本一。このホワイトリングでチャンピオンシップを展開し、プレミアになってくると、今は横浜アリーナだがホームゲームで決勝が行なわれるかもしれない。そうすると、ここで優勝決定戦が行われて、このホワイトリングがますます賑わいを見せるような、そういうところを実現させたいなという思いでやっていきたい。

 会社としては今の事業構造、事業セグメントに加えて、いろんな事業展開をやっていきたいと思っている。事業の多角化、事業の領域を拡大していくということをやりながら、事業の投資ができる。いろんな基盤作りのための先行投資ができるような、そういう体質、基盤作りに努めていきたい。

勝久マイケルHCへの続投オファーについて

 昨年6月に社長に就任して、みなさまよりはこのバスケット業界では素人としてスタートした。会社の経営はそれなりにずっとやってきたので、「これはプレミア基準はいけるぞ」という手応えを感じながらやっていた。チームとの関わり方、ヘッドコーチとの関わり方は初めは分からずにいた。それからヘッドコーチとGM。野球でいうと、監督とGM。どのプロスポーツもそれはお互いに別の役割であるということありながら、このクラブは一緒にやっている。当初それはどういう経緯でやっていたかという話も聞いている中で、今年入ってから全選手、チームスタッフ、フロント全員を集めたミーティングというのを年中(やるようにしていた)。(感覚がつかめてからは)非常に密接に「あ、やっていいんだ」と。(ミーティングを)やるべきなんだという流れでやってきている。

 マイケルHCともコミュニケーションする機会は非常に深くしている中で、非常にバスケットに対する思い入れ、性格は真面目。それから一生懸命さもある。やはり「マイケルHCだから」ということではなくて、会社経営もそうだが、HC業、GM業は分けるべきだな、ということは途中からも感じていた。特にこれからB革新で、Bリーグも2026年からのリーグのスタンスというか、規約でも「HCとGMを分けなさい」となっている。確かにシーズンの始まる前までは兼業でもいいかもしれない。ただ、やはりシーズンが始まってくると、当然のことながら、ケガ人が出た。じゃあ補強しなければいけない。それから、選手間でいろいろな相談事や悩み事、それから提案ごとというのが、(本来は)GMにするべきところを(今の信州の状況だと)HCにも(GMと)兼業なのでしなければいけない。(選手が)「やっていいのかな、やるべきタイミングなのかな」という(迷いが生じている)ことを、コミュニケーションを取ったなかでも聞いている。

 あとは、HCであるマイケルさん1人に負担が非常にかかっていることも分かっていた。だから途中からは密に話をしたりとかしていきながら、体制としては、とにかく早めに変えようと今動いているところです。

 (HCとGMを切り分けることについては勝久HCも納得しているのかという問いに)もちろんです。

信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケルHC
信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケルHC(中央)©Basketball News 2for1

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