西地区首位に1差 島根スサノオマジック上位進出のカギは“BIG3”以外のステップアップ
西地区首位に1ゲーム差と迫った島根スサノオマジック©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は1月27日から28日にかけて各地でレギュラーシーズンの第19節が行われ、西地区2位の島根スサノオマジックはアウェイの横浜国際プールで中地区6位の横浜ビー・コルセアーズと対戦。27日に行われた第1戦を98-86で勝利すると、第2戦も94-73で勝利。直近10試合で8勝を挙げた島根は通算成績を22勝11敗とし、西地区首位・琉球ゴールデンキングスとのゲーム差を1に縮めた。

ウィリアムスニカ離脱で攻守に影響

 26日に帰化枠選手であるウィリアムス ニカのインジュアリーリストへの登録が発表された島根。ここまでチームで5番目に長い1試合平均22分出場、チームで4番目に多い平均得点を上げていたニカの欠場の穴は大きく、22日の茨城ロボッツ戦ではそれまで2勝しか上げていなかった茨城に98失点を喫して白星を献上するなど、攻守で影響が出ていた。

 島根はペリン・ビュフォード安藤誓哉ニック・ケイの「BIG3」を主体とするチームであり、この3人にかかる負担は大きい。その負担をいかに軽減させられるかがチームとしての飛躍のカギであり、特にディフェンス面でその大部分を担っていたのがニカだった。敗れた茨城戦後に、津山尚大が「1人1人が何かを変えないといけない時期に入っているのではないかなと思います」と語ったように、いかにロールプレイヤーがステップアップできるかが後半戦のカギとなっていた。

 チームとして苦しい戦いとなることが想定された横浜BC戦。第1戦では谷口大智がチームに貢献した。得点こそ6得点だったものの、今シーズン自己最長となる26分24秒出場すると、出場している時間帯の得失点差を表すプラスマイナスではチーム最多の+15を叩き出した。試合後、ポール・ヘナレHCは谷口の活躍について「我々のプレースタイルを継続し、ローテーションを狂わせないためには谷口の出場は大事になってくる。ペリン・ビュフォードをウイングでコートに立たせるためには、彼の活躍が不可欠。今日も出場時間が長く、我々に大きく貢献をしてくれた。彼が今後もこのような活躍をしてくれれば、ニカの穴を埋めてくれる」と賛辞を惜しまなかった。

 翌第2戦では、津山が3P5本を含む19得点と爆発。津山がステップアップしたことで、普段30分超のプレータイムを誇る安藤の出場時間をわずか10分強に抑えられ、疲労軽減にも貢献したといえるだろう。また、両日ともに25分超のプレータイムを獲得した白濱僚祐も、激しいディフェンスで横浜BCの河村勇輝を追いかけ続けた。ニカ不在の中、こういった選手たちがステップアップし、穴を埋めることができたのは島根にとっても収穫だったといえる。

チームを支える谷口大智(左)と津山尚大©Basketball News 2for1

ヘナレHC「周りの選手たちの活躍も必要」

 横浜BCとの2連戦を2連勝で終え、遂に西地区首位を走る琉球ゴールデンキングスを1ゲーム差にとらえた島根。第1戦後、ニック・ケイはチャンピオンシップについて「まだまだ遠いので、優勝を目指すにはチームとして次の日勝利をすることが必要で、そこで連勝を繋げる必要がある」と、まずは目の前の試合にフォーカスを当てることが重要だと語った。

 チャンピオンシップ(CS)を勝ち抜くためには、チームとして勝利を重ねるのはもちろんのこと、どれだけチームのコンディションが良い状態で入れるかも重要になってくる。特にここまでチームを引っ張る主力の3人(安藤、ビュフォード、ケイ)の出場時間が伸びており、各選手平均33分以上出場でリーグ全体の中でもトップ4の中に3人が入っている状況。

 ヘナレHCも「3人がチームを引っ張っていかなければいけない存在だし、頼らなければいけない部分もある」としながらも、「その周りの選手たちの活躍も必要だし、レベルを向上されることでチームとしての可能性も広がる」と語っている。横浜BCとの第1戦でも谷口だけではなく、ハッサン・マーティンがフィジカル面で強さを見せたり、津山も安藤が4Qに負傷交代をしたなかでも随所でシュートを決めてリードを保つなど、少しずつチームとして厚みを増してきている印象だ。

 「毎試合の集中力や頑張りが足りない試合もある」とケイが語るように、安定感としてはまだまだ課題があるものの、怪我人が出ている中で各選手がステップアップできているのはCSに向けて好材料だ。層の圧みっがまし、さらにパワーアップをしたチームになることができれば、過去2シーズン悔しい思いをしているCSで悲願の優勝トロフィーを掲げることも夢ではない。

 2月から3月頭にかけては、三遠ネオフェニックスサンロッカーズ渋谷アルバルク東京などリーグで上位を走るチームとの対戦を控える。ニカ不在の中でタフな試合を乗り越え、厳しい西地区の中で上位をキープし、CS進出、さらには勝ち進むことができるのか。全員が成長し、パワーアップした島根の姿に期待したい。

(田中 隼翔)

試合中に会話するペリン・ビュフォード(左)と横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝©Basketball News 2for1

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