名古屋ダイヤモンドドルフィンズ3連勝で20勝到達!加藤嵩都はチームに自信「勝ち方が分かってきた」
名古屋ダイヤモンドドルフィンズの加藤嵩都(右)©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は13日、14日の両日、各地でレギュラーシーズンの第14節が行われ、西地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズはホームのIGアリーナで東地区の茨城ロボッツと対戦した。

 第1戦、序盤は茨城のロバート・フランクスタイラー・クックに手を焼き、接戦の展開となるも、アイザイア・マーフィー中東泰斗らベンチメンバーが3ポイントシュートなどで流れを引き寄せる。最終的にはロスター全員が出場を果たし、82-68で危なげなく勝利した。

翌第2戦、第1クォーターは積極的なペイントアタックを仕掛ける茨城に先行を許したものの、加藤嵩都やマーフィーらベンチ陣が攻守で躍動し、38-41と3点ビハインドで前半を折り返す。後半、茨城のアップテンポな攻撃に苦しむも、6点ビハインドの第3Q残り5分、齋藤拓実が一気に攻撃のギアを上げ、名古屋Dが再びリズムをつかむ。4点リードで迎えた第4Q、残り6分半で齋藤がドライブから得点を決め、流れを一気に引き寄せる。その後はマーフィーが3Pを連続で沈めるなどして茨城の追随を許さず、第4Qで27-10と圧倒。89-68で第2戦も勝利し、通算成績を20勝3敗とした。

第2戦では、名古屋Dはアーロン・ヘンリーが15得点、アラン・ウィリアムズが13得点15リバウンドのダブルダブル、今村佳太が3P4本を含む14得点、マーフィーが13得点、スコット・エサトンが12得点、齋藤が11得点を記録した。

試合後の記者会見ではショーン・デニスHC、マーフィー、加藤が記者の質問に答えた。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズのアーロン・ヘンリーとアラン・ウィリアムズ
名古屋ダイヤモンドドルフィンズのアーロン・ヘンリー(左)とアラン・ウィリアムズ©Basketball News 2for1

ショーン・デニスHCの茨城戦後コメント

ーー茨城戦・第2戦の総括

今日(第2戦)は茨城がすごく良く、フィジカルにアグレッシブにプレーしてきていて、2Q半ばまでは完全に茨城のテンポで試合が進みました。ディフェンスでは、自分たちはちょっと下がり気味で消極的にプレーしていた感じがしました。茨城を尊重しなかったところがあったかもしれませんが、第3Qまでそれが続いてしまいました。それでも第3Q終わり頃から自分たちがディフェンスで調子を上げ、第4Qでは相手はそのプレッシャーをだいぶ感じたと思います。第4Qでターンオーバーを7つ誘い、そこから12得点できたのは素晴らしいです。

リバウンドは昨日(第1戦)よりはだいぶ良くなっていました。ディフェンスで相手を止めてから、リバウンドはとても大事になりますし、セカンドチャンスポイントを相手は2点しか取れませんでした。

個人名はあまり出したくはないのですが、第2戦はアラン・ウィリアムズとマーフィーが素晴らしかったです。アランは最近調子が上がってきましたし、今日の15リバウンドは素晴らしかったです。マーフィーは日頃から3Pの練習をして努力しているので、それが今日花開いた感じで、大事な場面で3本連続で決められたというのは素晴らしかったです。

記者の質問に答えるショーン・デニスHC©Basketball News 2for1

ーー好調なチームを支えるディフェンスにおいて、1対1をどう強化しているか

毎日もちろん1対1の練習をしています。今年特に強調しているのは、一番大事な選手はボールを持っている選手なので、まずはボールマンへのディフェンスが自分の役割を果たしてから、次の段階へいく。だから1対1を強調しています。コーチ陣もスカウティングして、相手の強みが何かをクリアにして選手に伝えていますし、相手の強みを止めることも強調しています。今日も最後の方は特に相手の外国籍選手の強みを消せたところが素晴らしかったです。インディビジュアル(個々)のスカウトをすごく強調しています。今のバスケットだとスカウティングで相手の強みが分かるので、そこを絶対に止めるように強く言っています。

ーー評価されるディフェンスに対して、オフェンスの伸びしろは

オフェンスでは、エクスキューション(遂行)が徹底できたところもだいぶありました。でも、レイアップやオープンショットを決めきる力を持たなければいけない。選手たちが固くなっている気がするので、リラックスして自信を持ってシュートを打たなければいけない。だからこそ、今日のマーフィー選手はすごく良かった。エクスキューションとスペーシングはだいぶ良くなっているので、後は自信を持ってプレーするだけです。

アイザイア・マーフィーの茨城戦後コメント

ーー茨城戦・第2戦の総括

茨城は失うものは何もない、そういうチームは怖いので、自分たちが焦らず自分たちらしく、最後できたのが良かったです。

ーー得点力の高いアーロン・ヘンリーを生かす動きなど、オフェンスの連携について

もちろんスコアリングでヘンリー選手はファーストオプションではありますが、そこだけではなく、チーム内でクリエイターとして彼は活躍しています。他には(齋藤)拓実選手、(今村)佳太選手もクリエイトができ、素晴らしいパサーなので、彼らと一緒に出ている時はすごく楽です。どこに行けばいいのか、どこからボールが来るのかが分かるので、すごく噛み合っている感じです。

記者の質問に答えるアイザイア・マーフィー©Basketball News 2for1

ーーベンチメンバーの強みとコンディションを保つために心掛けていることは

ベンチから出て行くことについては意識の問題で、準備をしておけば貢献できると感じています。チーム内にけが人がいなく、ベンチから良い状態で出て行ける選手がたくさんいます。けがを避けるためにはウエートトレーニングや食事などオフコートが重要になります。そこをトレーニングコーチがしっかり厳しくやってくれていますし、ロードマネジメントも気を付けてやっているので、みんなが健康にプレーできていると思います。

加藤嵩都の茨城戦後コメント

ーー茨城戦・第2戦の総括

両日ともに出だしが良くなくて、後手に回ってしまう入りをしてしまって、ディフェンスのトーンセット、オフェンスのヒットバックなど、自分たちのスタイルが貫けなかったというのが反省としてあります。ですが、そこからカムバックしてくる力があることを証明できた試合だったと思うので、そこは自信にして誇りにして良いんじゃないかなと思います。

ーーベンチから試合に入るときに心掛けていることは

ディフェンスの面で言えば、トーンセットしてチームのエナジーがなければエナジーをと、足りない部分を補おうと思っています。特に僕はPGなのでオフェンスのオーガナイズだったり、チームオフェンスを機能させることを心掛けています。

笑顔を見せる加藤嵩都©Basketball News 2for1

ーー第2戦では流れを引き寄せる3Pを決めていた。シュートは迷いなく打てているか

昨シーズンからずっとショーンさんから、「迷うな、打て」と言われていますし、練習中も外国籍選手、拓実さん、佳太さんなどみんなに「打て打て」と言われているので、迷いはないです。ただ、グッドシュートより更にグレートシュート、"ワンモアメンタリティー"というコンセプトがチームとしてあるので、そこはしっかり意識して、今日は(小澤)飛悠がワイドオープンだったのでパスを出し、そこをしっかり生かすことをガードとしては心掛けて、考えながら判断しています。

ーーシーズン序盤、HCからオフェンスでは落ち着くようにと言われていたが、改善されてきたか。自身の評価は

彼(ショーン・デニスHC)が求めるのは、齋藤拓実さんというPGで、そこに重ねられるので、そこまでは僕自身としても達していないと感じていますが、昨シーズンや今シーズン序盤に比べたらだいぶ落ち着いてプレーできている手応えはあります。高い基準にいち早く上れるように頑張っていきたいと思います。

ーー齋藤拓実から学びたいことは

もう、全てです。一挙手一投足、動きだったり、何を考えているかとか、ちょっとした予備動作だったり全てが学べる吸収できる最高の選手なので、拓実さんが代表に選ばれるのはめちゃくちゃうれしいです。僕は拓実さんを目指している以上、目指している選手が日本代表で、それもスタメンで戦ってくれるのは本当に誇りですし、そこに追い付けるように日々頑張っています。

ーー日本代表での齋藤拓実の活躍についての印象は

周りは「すごい!」とか言ってますけど、いつも通りのドルフィンズの拓実さん、僕らがいつも見ている拓実さんなので、できることは分かっていますし、何で呼ばれないのかなと思っていましたし、案の定だなという感じでした。

ーー自身も日本代表を目指しているか

もちろん、その思いはあります。拓実さんを超えれば代表だと思っているので、そこを目標に頑張っていきます。

ーー齋藤の負担を減らす意味でのセカンドガードとしての役割について

結果として、セカンドガードとしての役割をこなすことができたらうれしいですが、佳太さん、アーロンとPGはたくさんいるので、そこに執着せず、僕にできることで僕がやらなくてはいけないことは、PGもそうですけど、ディフェンスのトーンセットやハッスルだと思うので、そこを重視して、なおかつPGとしてやっていけたらと思います。

ーー現在リーグ2位に付けているが、チームから自信がうかがえる

自信にあふれていますね。今日も絶対に負けないだろうというのはありましたし、チームとしての勝ち方がシーズンを通して分かってきたという信頼というか安心感があります。修正力も付いてきているので、駄目な時は当然ありますが、うまく修正できれば勝てるというチームとしての共通認識があります。

ーー今季は後半に強いが、その要因は

セカンドユニットの楽しみというか試合に入るうえでの醍醐味がそこにあります。スタートでうまくいかないと逆に燃えてくるというか、状況を変えてやろうというか。それは泰斗さんともよく話すんですけど、僕らセカンドユニットが出てくるのが相手からしたら嫌だと言われるような、脅威になれるように、まずはディフェンスから入ろうという話をしているので、そこは楽しいところでもあります。

チームとしてもハーフタイムでのコミュニケーションが昨シーズンより増えて、質も良くなっていると思います。各ポジションの選手が自分の足りないこと、逆にやってほしいことを積極的に発言し合っています。僕は聞いてるだけが多いですけど(笑)。先輩たちがすごく話してくれてハーフタイムでの修正力が上がったと思います。

(高久理絵)

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