
Bリーグ1部(B1)は10月10日から13日かけて各地で第レギュラーシーズン第2節が行われ、西地区の三遠ネオフェニックスはホームの豊橋市総合体育館で東地区のサンロッカーズ渋谷と対戦した。
第1戦に敗れ、レギュラーシーズン2連敗の状態で挑んだ第2戦。序盤、SR渋谷のディフェンスに苦しみ、リードを許す展開となったものの、ベンチから登場した児玉ジュニアが立て続けに得点して流れをつかみ、40-37と3点リードで前半を折り返す。第4Qには吉井裕鷹、ダリアス・デイズ、大浦颯太の連続スリーポイントシュートが決まり、SR渋谷を引き離すことに成功。児玉のアグレッシブなディフェンスも随所で光り、91-74で今季ホーム初勝利を飾った。
三遠は第2戦ではヤンテ・メイテンが17得点、デイビッド・ヌワバが16得点、デイズが15得点、吉井が14得点、児玉が12得点、大浦が11得点と6選手が2桁得点を記録するバランスの良いオフェンスを披露した。試合後の記者会見では、大野篤史HCと児玉が記者の質問に答えた。

大野篤史HCの渋谷戦後のコメント
ーー今シーズンのチームはインサイドを重点的に強化しているか
ヤンテの負担を減らしたいというのはもちろんあります。リバウンドのところをもう少し強化しなきゃいけないというのはあったので、編成うんぬんよりも、自分たちの課題。昨シーズン出ていた課題のところをしっかり補える人間が必要だったっていうのはもちろんあります。
昨日(第1戦)、「何も成し遂げていない」と言いましたけど、何も成し遂げていないのがこのチーム。このチームはまだカンファレンスも勝っていないし、愛知カップは勝ちましたけど、また新しいチームの中で、自分たちが欲しいものを手に入れるために「何をしなきゃいけないか」というところ。
今日(第2戦)の試合に対しては、昨日まで見えていた1つのバッドコールだったり、1つの自分たちがうまくいかない事象だったりに全然フォーカスしなくて、次に向かうことができたこと。ファーストクォーターのところで自分たちが意図しないところでファールコールされてしまい、自分たちがターンオーバーをしてしまって相手にイージーポイントを与えたシチュエーションもありましたけど、次にしっかり向かうことができた。引きずることなく、それを40分間積み重ねられた。僕にとっては今シーズンのこのチームが一つ成長できた(部分)かなと。
ただ、これを1回やれたからいいわけではなくて、今まで、昨年も一昨年もそうなんですけど、結果的には彼ら(選手たち)は多く勝利を重ねてきた。もちろん彼らの努力だったと思うんですけど、今年のチームはそれができるかどうかというのはまだ確定していない。そこに対してやっぱり少し「いつでも勝てるんじゃないか」「いつでもやれるんじゃないか」という気持ちがあったんじゃないかなと。それを捨てない限り、今年のチームの成長というのはないと思うので。
こういう我慢強くゲームをしていくことが、次に向かうことが必要で、一つ一つのポジションに自分のエナジーを全て出す。それは僕たちのスタイルなので、それは引き続きやれたらいいかなと思っています。

ーー始まったばかりの今シーズンだが、若いチームが成長するために必要なことは
悪くなってから自分たちの修正をするのは遅い。良いときに、自分たちがまだ成長できるものは何なのかということを見つけていくことが重要かなと思っていて、過度なプレッシャーかけるつもりはないですけど、リラックスは絶対させない。それは成長に一番必要かなと。
うまくいっている時こそ、それは個人もチームもそうですけど「まだ何かできるんじゃないか」「自分が何かまだ貢献できるんじゃないか」「成長できるんじゃないか」「チームにとってまだいい方法があるんじゃないか」というところを見つけていけるマインドにする。それが成長し続けられる選手かなと。
悪くなったら誰でもここが悪い、ここじゃないか、ここじゃないかって言うけど、悪くなってから言うと、悪いところだらけだから何を直していいか分からない状況になる。立ち返る場所は、勝利ということよりも、(ファンに)喜んでもらうという。勝利というのは約束できないし、点数を何点取るというのは約束できないけど、喜んでもらえるようなプレーをするとことは、絶対約束できると思うんですよ。何が喜んでもらえるかというと、もちろん勝利もそうだけど、必死にコートで戦ってる姿だと僕は思うし、だから僕はそこが僕らが立ち返る場所だと思っています。
――児玉ジュニアの評価と、求めることは
山ほどあります。それは山ほどありますけど、「こことここ」ってメディアの前で喋るんじゃなくて、僕は彼に今日(第2戦)良かった(と伝えた)のは4つターンオーバーをしても、その次にもう1回アグレッシブにディフェンスした(ということ)。それに尽きると思います。それが戦うということだから、それが必要。次に向かうことができる、その姿勢が良かった。だから結果がついてきた。それを今日経験できたことは彼にとって良かったんじゃないかなと思っています。
――連敗時に選手たちに具体的な言葉をかけたりしたことはあったか
昨日(第1戦)も「メルトダウンしてる暇はないよ」という話と、今日(第2戦)は「全てのプレーにエナジーを持ってやって」(と伝えた)。ミスしようが関係ない。ミスした後だろうが、成功した後だろうが、うまくいっている時間帯、悪くなっている時間帯も関係ない。全てのプレーにエナジーを持ってやる。
「Play your role(自分の役割を、全うしなさい)。その時々の役割をやりなさい。自分がやりたいことではなくて、チームのためにできることをやりなさい」(という話をした)。例えば、オフェンスだったらハンドラーはしっかりスクリーンを使うとか。自分がやりたいことではなくて、そういうことをやる。ディフェンスもボールプレッシャーをかけ続ける。みんなその時々に役割が違うから、その役割をコートで果たせばいい。それだけです。
次に向かうことができたことが一番良かったかなと。悪いことに引きずらなかったことが良かったと思うし、そうしなきゃ勝てないしね。
児玉ジュニアのSR渋谷戦後のコメント
――SR渋谷戦の総括
今日の試合は試合前からペース上げようとか、ディフェンスもっとハードにしようという話が出ていたので、自分の役割としては、まずディフェンスでルーキーらしくエネルギーを出してやっていくということと、あとはミスを恐れずにがむしゃらにプレーするっていうところだった。コーチ陣からもやれtp言われたし、選手のみんなにも「ミスしてもいいから、やってこい」と言われていたので、その部分に関してはできていたと思う。
でも、細かいところ見たらターンオーバーが多かったり、ガードとしてゲームのコントロールできずに、自分が出たタイミングで相手チームの流れが来てしまったりしていたので、そこは反省としてはあるかなと。

――自身のパフォーマンスについての評価は
ドライブは自分の持ち味であったが、言われたことをやりました。例えば、「セットプレーでここが空くから、ここはドライブに行ったら空くよ」といったことをコーチから教えてもらってたので、それを遂行した。その手応えみたいなものを今日はつかめたかなと。ドライブは通用する部分はあったので、手応えとしてあります。
――ディフェンスでもしっかりとプレッシャーをかけていたが、何か意識していたことは
SR渋谷の3番のハーパージュニア選手は、自分がずっと憧れている選手で、福岡第一高校で(学年が)被ってはいないんですけど、一緒です。元々違う高校に自分も行こうとしたんですけど、ハーパージュニア選手が福岡第一にいると聞いて、「自分もそうなりたい」と思って(入学した)。ずっと追いかけていた選手なので、初めて対戦するとなって、とても緊張したんですけど、憧れは一旦置いておいて、「ボールを取りたい。噛み付いていこう」という気持ちが出たのかなと思います。(ハーパージュニアは)強いし速いし、喋りかけたりしてくれたりして、楽しかったです。
(榊原かよこ)






