西地区首位浮上の長崎ヴェルカ  マオールHC「明らかに成長している」 3秒全速力「ボルト」で突きすすむスタイル目指す
長崎ヴェルカのイ・ヒョンジュン(右)©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は10月10日から13日にかけて各地でレギュラーシーズンの第2節が行われ、西地区の長崎ヴェルカは10日と11日の両日、ホームのハピネスアリーナで同地区の佐賀バルーナーズと対戦した。

 ホーム開幕戦となった10日の第1戦では、序盤は佐賀にリードを奪われる展開に。15−21で第2クォーターに入ると、残り7分48秒には馬場雄大が3ポイントシュートを沈め、26−24と逆転。インサイドではスタンリー・ジョンソンアキル・ミッチェルが、アウトサイドではイ・ヒョンジュン熊谷航が中心となり、76−67でホーム開幕戦を白星で飾った。

 翌日の第2戦では、けがでジョンソンが欠場となったものの、第1Qから馬場や山口颯斗、今シーズン初出場となった星川堅信らが前線からプレッシャーをかけ、佐賀を封じにかかる。後半に入ると、イが3Pシュート4本を沈め、12得点とチームを鼓舞。ミッチェルやジャレル・ブラントリーらもそれに応えるように好プレーを見せ、最終的には85−73で白星を飾り、ホーム開幕戦を2連勝とした。

 長崎は第2戦では、イが21得点を挙げたほか、ミッチェルが21得点13リバウンド、熊谷が10得点10アシストと攻守の起点となった2名がダブルダブルを達成。馬場が16得点、ブランドリーが15得点7リバウンドと後に続いた。

 今節を終え、通算3勝1敗とした長崎は、西地区首位に浮上。15日にホームのハピネスアリーナで同地区のシーホース三河と対戦し、18日、19日の両日にアウェイの青山学院記念館で東地区のサンロッカーズ渋谷と対戦する。佐賀戦後の記者会見では、モーディ・マオールHCとミッチェル、熊谷が記者の質問に答えた。

モーディ・マオールHCの佐賀戦後のコメント

ーー佐賀戦・第2戦の総括

今日(第2戦)の試合はけが人もいる中で、すごくチャレンジな、タフな試合でした。昨シーズンも取材してくださっている方はお分かりだとは思うのですが、昨シーズンに引き続き今シーズンもけが人が多く、そこからのスタートになってしまいました。しかし、今日に関しては本当に出ているメンバー全員が素晴らしいプレーをしてくれました。ディフェンスのところからしっかり自分たちでスタートして、強度高いディフェンスを遂行できました。そして、その流れをしっかりつかんで、オフェンスでもしっかり連続で得点をつなげることができたので、本当に素晴らしかったと思います。

自分たちが点差をつけたところで、何回か佐賀さんにカムバックを許してしまったので、そこでしっかり突きはなせるように自分たちが成長しないといけないと思います。それと同時に、佐賀さんは素晴らしいバスケットをしているなと思っています。今日は本当に素晴らしい試合ができましたし、自分たちが明らかに成長できた試合になりました。

ーーホームの開幕節2連勝という結果をどのように考えているか

いい走りだし、スタートが切れたと思います。ただ、正直結果よりプロセスの方が今の段階では満足しています。今の段階ではまだ分からないですが、あきらかにいい方向に向かっていると思います。それと同時に、自分たちはまだ終わりではないです。たしかに開幕戦2連勝はできたのですが、そこは来週になれば全く関係なく、ゼロからスタートすると思っています。水曜日は新たな相手としっかり戦っていかなければなりません。今季初めて対戦するチームというのは、相手のことを理解していなくてどうしても難しいので、今はもう次の試合にむけて頭がいっぱいで、連勝のことはもう考えていません。

記者の質問に答えるモーディ・マオールHC©Basketball News 2for1

ーーイ・ヒョンジュンがディフェンス、オフェンスともにエナジーをもたらしていたが、プレータイムはどうコントロールしているのか

ヒョンジュンだけではないです。今日は4名がケガで出られていないので、全体でプレータイムをコントロールすることが難しかったです。彼は今日とてもインテンシティー高くプレーしてくれて、本当に素晴らしかったです。試合に出ている中で交代が必要になった選手には手を挙げてほしいとお願いしています。どのくらい手を挙げているかをカウントしていて、手を挙げることをすごくポジティブなことと捉えています。それだけ必死に、100パーセント出しきってくれるからこそ、それだけ疲れて交代が必要となってくる。出しきって交代することによって、次の選手がフレッシュな状態で入って、100パーセントの力を出せるチームになっていきたい。ヒョンジュン選手はしっかり交代まで出しきってくれました。

ーーチーム全体のシュート力の精度について

全体を通していいショットをチームとしてつくれているのかなと思います。ゴール下に関しても、キャッチアンドシュート、外のシュートに関してもいい形でつくれていると思います。正直、シュートを決めきることが一番大事ではないと思っています。シュートが入る日もあれば入らない日もある。ただ、毎回いいショットをつくれていれば、それで十分だと思っていて、今日に関しては自分たちにとってのいいショットをつくれていたので、良かったです。

ーー長崎のスピードに佐賀のディフェンスがアジャストしてきて、そこからさらにスピードを上がったように見えたが、その対応力、向上力はどう見ているか

ディフェンスから始まると思っていて、しっかりストップができるとオフェンスでもしっかり走れる。また、うちのビッグ陣はリバウンドをとった後にそのままプッシュできる。そのままドリブルできる選手で、ウィング陣もしっかりプッシュができる。今日に関しては少し遅いペースだったのかなと思っています。自分たちは「ボルト」と呼んでいて、ボールを持ってから最初の3秒を全速力で走ろうという定義を作っているんですが、それが今日は少しできていなかった。もしかしたらけが人の影響かもしれませんし、第2戦で疲労が溜まっていたのかもしれない。今日は試合の途中で今までやったことがないラインナップでプレーをしていたので、それが原因かもしれません。全体を通して自分たちは今日速いプレーはできなかったんですが、自分たちのベース、基盤となるところはしっかりできたので、そこは良かったかなと思います。

ーー今シーズン、長崎が目指していきたい、体現していきたいスタイルは

何か特別なことを体現したいというわけではないですが、自分たちのプレーしたい方向、スタイルがあり、それにあった選手を今シーズンリクルートしてきました。今シーズンはいろいろなポジションをできる選手が集まっているので、ウィング陣も、ボールを持てるし、オフボール、ボールがない状態でもしっかりプレーできるウィング陣です。そことディフェンスをしっかり組み合わせる。そういうスキルとディフェンスを組み合わせると、自分たちが体現したい速いバスケットというのを見せられるかなと思います。

アキル・ミッチェルの佐賀戦後のコメント

ーー佐賀戦・第2戦の総括

連戦で疲労も選手みんな溜まっていたと思いますが、その中でもやめないところが本当に素晴らしかったと思っています。佐賀さんも素晴らしいチームなので6点差に詰めてきたり、接戦になる時間帯もあったりしましたが、その中でも少しずつですが、突き放していって、最終的に勝利につなげられたのは良かったです。

ーーイ・ヒョンジュンと並んで21得点のパフォーマンスだった

今日はスタンリーがいなくて、他の選手がしっかりステップアップして得点をとらなければいけない状況でした。ヒョンジュンも3Pをしっかり決めてくれました。自分は第1戦の試合が終わった後に映像を見て、どういうところが必要なのかしっかり見つけてアジャストできたので、そこが今日の21得点につながったと思っています。

記者の質問に答えるアキル・ミッチェル©Basketball News 2for1

ーー次節がシーホース三河戦との対戦となるが、ダバンテ・ガードナーのような大型の選手とマッチアップする時に意識していることはあるか

実は、ダバンテのことはカレッジの時から知っていて、15年くらいずっと対戦していました。サイズやフィジカルの強さの部分でいうと負けてしまうので、マインドゲームがすごく大事だと思っています。彼の弱点や強みをしっかり理解すること。彼の弱点としては、クイックネスに長けた選手ではないので、そういうところで自分にとってアドバンテージであり、強みを生かせるのかなと思っています。例えばボクシングでもそうですが、マイク・タイソンに真っ向勝負をしても絶対負けてしまいます。マインドゲームをして、駆け引きをして対策していきたいです。

ーー今シーズン、自身の強みをどう出していきたいか

毎試合自分の役割は違うと思いますし、相手によっても違うと思っています。対三河でもそうですし、対佐賀でもそうです。一番大事なのは、自分がリーダーとしてコートに立つことだと思っています。あとはディフェンスやリバウンドのところで、オフェンスがどんなにうまくいかなくてもディフェンスは自分たちでしっかりコントロールできると思うので、そこでチームを助けられたらなと思っています。

ただ、先ほども話しましたが、試合によっては自分が得点しなければいけない試合もあるかもしれませんし、試合によっては自分がオフェンスを作らなければいけない時もあるかもしれません。自分のマインドをしっかり持って、リーダーシップを持ってコートに立つことが、このチームのために必要だと思います。

熊谷航の佐賀戦後のコメント

ーー佐賀戦・第2戦の総括

10点離れて詰められて、10点離れて詰められて、というのを繰り返していて、勝ちはしたんですがまだまだ改善するところはあるなと。ただ、スタンリーがいない状況でもこうしてチーム一丸となって、誰が出ても変わらず強度高いディフェンスだったりとか、そこから速い展開に持っていくことができて、今日勝利できてとても安心しました。

ーーPGとして、ゲームコントロールや状況判断はどうしているのか

明確に何ポゼッションうまくいかなかったらセットオフェンスに入ろうということはないですが、例えば3、4回やっていてうまくいかなくて、いいショット打てているのであればそのまま継続してもいいと思いますが、うまくいってなかったときに時間と点差を考えて一旦落ち着かせて、という。もちろんハーフコートでも引力のある選手はたくさんいるので、その中でもアドバンテージが要所でできていたので、そこは正直感覚でやっているところはあります。

記者の質問に答える熊谷航©Basketball News 2for1

ーー10アシストを記録したが、どう感じているか

こんなに(アシストを)しているとは思わなくて。決めてくれたチームメイトにもちろん(感謝している)。決めてくれないとアシストはつかないので。パスを出せるときに出せているのかなと思いますし、これだけアシストすると、逆に相手はアシストかなと思って(警戒するので)、そこで自分の得意なドライブなどを切りかえて出していきたいなと思います。

ーーチームの雰囲気はどうか

すごくいいと思いますし、アキルが見えないところですごくいい仕事をしているなと思います。もちろん日本人選手も言いたいことを言っていますし、分からないことがあったら既存(継続)の選手に聞いたり、教え合うだったり、どうやって自分の良さを出して、チームメイトの良さを出せるかというところを話せているので、こういう苦しい展開の中でも勝つことができた。成功体験を重ねて、どんどん雰囲気がよくなるんじゃないかなと思います。

ーー次節は以前在籍していた三河との対戦となる

まずは勝てるように、いい流れできているのでそこは守りたいと思います。僕たちのペースをしっかりやれば必ず勝てると思っているので、しっかり自分の仕事をやることかなと思っています。

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