広島ドラゴンフライズ朝山正悟HCが目指す「つながりのあるバスケット」 ルーキー佐藤涼成にも期待「日の丸を…」
ハイタッチをする広島ドラゴンフライズの佐藤涼成(左)と朝山正悟HC©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)の西地区に所属する広島ドラゴンフライズは22日、ホームのシシンヨーオークアリーナで同地区の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとプレシーズンゲームを行い、80-78で勝利した。

 広島は市川真人上澤俊喜メイヨニック三谷桂司朗渡部琉と5名の選手がけがで離脱中であり、9名で挑んだ名古屋D戦。序盤、新加入のコフィ・コーバーンが3連続得点などでリズムをつかむと、17日にプロ契約を結んだ佐藤涼成がゴール下でタフショットを決め、初得点をゲット。しかし、名古屋Dのアップテンポな攻撃に手を焼き、34-45で後半へと折り返す。

 第3Q、晴山ケビンが3Pシュートで会場に熱気を呼び戻すと、ドウェイン・エバンスクリストファー・スミスらが奮起し、差を詰めていく。53−58で迎えた第4Q、晴山とスミスの3Pで追い上げ、1ポゼッション差まで詰め寄ると、コーバーンの得点で同点に。再び追う展開となるも、スミスのフリースローで71-70とついに逆転。最終的に80−78で広島が接戦を制した。

 名古屋D戦では、コーバーンが21得点14リバウンドとダブルダブルを達成したほか、エバンスが16得点7リバウンドと安定した活躍を見せた。晴山は3Pシュート3本(成功率75%)を含む13得点、伊藤達哉はと初出場・初得点を飾った佐藤はそれぞれ4得点を記録した。

 プレシーズンに予定された公開試合を全て終えた広島は、10月4日と5日にアウェイの東急ドレッセとどろきアリーナで東地区・川崎ブレイブサンダースと開幕戦を戦い、11日と12日にホームの広島サンプラザホールで東地区・レバンガ北海道と対戦する。

 名古屋D戦後の記者会見では、朝山正悟HCと伊藤、佐藤が記者の質問に答えた。

朝山正悟HCの名古屋D戦後のコメント

ーープレシーズンゲーム・名古屋D戦の総括

今日(名古屋D戦)はかなり、皆さんの前でいい試合ができたんじゃないかと思っています。その要因としては、まずはガードのところ。ポイントガードのところであれだけプッシュができる、またそこからの展開ができたところが、オフェンスの部分で言えばスムーズにいった要因なのかなと思います。また、全体を通して、ディフェンスでは前半はやられたくない失点というのをかなり出してしまったんですが、後半はとくに、ほぼミスなくやれていたと思います。その中でリバウンドで支配できたところが、間違いなく今日のゲームにつながったと思います。

ーー伊藤や佐藤などのガード陣のパフォーマンスについて

(伊藤)達哉に関しては、あれだけゲームの中で背中でも声を出すことでも、そういったところでチームを引っ張ってくれる。プラス、彼一人で展開をつくれるというところ。今日もかなりスピード感があって、彼らしさというのは出たと思いますし、そこからただ押すだけではなくて、プレーが止まった状態からでも色々とクリエイトができる。そこから自分たちがやりたいオフェンスにつなげていってもらえる。

前回の佐賀戦では、どうしてもプレッシャーに負けてしまった部分がかなりあったので、しっかりと保持できる、しっかりとそこに対してみんなに伝えることができる。こういったところというのは、ガードとしての彼の魅力だと思います。ディフェンスの部分では、第一線で彼が頑張って体を張ってくれる。スタッツになかなか出ない部分、チームのためのファウルだとか、チームのために今止めないといけないところとか、そういうところを一番初めに率先してやってくれるんです。こういうところはガードに絶対必要なもの。今まで自分たちの中では難しかった部分を体現してくれたというのは、非常に大きかったと思います。

(佐藤)涼成に関しては、まだいろいろなことを覚えたてです。ただ、彼の物怖じしないメンタルは大学で培ってきたもの、これまでのバスケットボール人生やキャリアの中で培ってきたものだと思いますし、オフェンスでもディフェンスでも彼の体の強さを生かしたものだけではなくて、気持ちの部分もだいぶあると思います。そういった部分はかなり今日も出してくれたと思います。これからPGとしていろいろな経験を積んでいく中で、先ほど言った、身近に達哉がいるということはすごく大きなことだと思います。PGとして、このBリーグでこれから長くキャリアを積んでいく。そして僕は、日の丸を背負っていける選手だと思っていますので、その辺りも養いながら、(経験を)身につけながら、この先もやっていってもらいたいなと思っています。

記者の質問に答える朝山正悟HC©Basketball News 2for1

ーー今シーズン、良くなっている部分や課題点

かなり今、いい形でやれていると思います。佐賀戦は先ほど言ったように自分たちがやりたいことすらも出させてもらえなかった。そこから今は、言い方が難しいんですが、しっかりとハンドラーの人間たちが帰ってきたりとか、本来のポジションのメンバーたちが帰ってきたタイミングだったので、いろいろと試せたものがあった。今はまだ練習で、ライブで5対5がまったくできていないので、本当にプレシーズンの中でいろいろと試していく(状況)。そういった状況の中で、選手たちが一回一回の練習に対して集中してやってくれている。そして、対人(練習)になってようやく見えるものも当然あるんですね。やっぱりここは難しかったかな…とか。(プレシーズンで)そういったところがより明確になった部分があるので、開幕を意識して、ここからさらに細かいところを詰めなければいけない。

ディフェンスもオフェンスも今日やりたいところはかなり遂行できた部分が多かったので、そこはプラスかなと思う。でも一回も3ビッグの時間を試せていない。そこがどうしても自分たちの不安の要素として残る部分。もう(開幕まで)残り少ないですけど、幸いにもけが人ももう少し、開幕に間に合わない選手ももちろんいますが、今かなりいい状況で、戻ってこられる選手たちもいます。そういう選手も戻ってきた中で、更なる融合みたいなものを楽しんでいけたらなと思います。

ーー今シーズン、どんなバスケットを広島で見せていきたいか

いつもそういうことを聞かれるので、自分たちとしてはスピードの展開のところで激しいディフェンスをして、そこからいいディフェンスがいいオフェンスにつながる、いいオフェンスがさらにいいディフェンスにつながる。そういったつながりのあるバスケットというものをしっかりと見せていきたい。大枠として、広島の地で自分たちが愛されるチームでいたい。「魅力のある」、そう感じてもらえるようなクラブでいたい。それを体現できるように選手たちはコート上でそれを発揮しないといけないと思いますし、僕たちはそのために最大のサポートを、準備をしないといけないと思っています。それぞれの役割をしっかり遂行した中で、魅力のある、愛されるクラブになりたいなと思います。

伊藤達哉の名古屋D戦後のコメント

ーープレシーズンゲーム・名古屋D戦の総括

個人としても久しぶりの試合で、けが人も少ない中での試合だったんですが、それは名古屋さんも変わらずの状況で、最初出だしのところで少し名古屋さんのチェンジングディフェンスに苦しんだ部分もあった。でも、後半そこをなんとか修正して、最後チーム全員が自分の仕事を全うして、勝ちをつかめて良かったなと思います。

ーー今シーズンはどんなバスケットを体現していきたいか

僕自身、自分の良さがチームにエナジーをもたらすというのは、今まで(在籍した)どのチームでもやってきたことなので、それをこの広島でも出したいと思っている。年齢も日本人選手のなかで上から3番目になってきたので、言動もそうですが、しっかりと背中でひっぱっていけたらなと思います。

記者の質問に答える伊藤達哉©Basketball News 2for1

ーー今シーズン強化していきたい部分は

今日の試合もそうだったんですが、ちょっと遠慮している部分もまだある。もっと積極的になっていいと思いますし、まだまだこれから。まだ復帰したばかりなので、これから少しずつよくなっていけると思います。

ーー今シーズンの目標は

チャンピオンシップ優勝は経験しているチームですが、地区優勝というのはまだ達成していないですし、そこに対して全員が一番の目標としてしっかりと戦っていきたいと思います。また、今けが人が本当に多くて、完全体のドラフラになるのが個人的にはとても楽しみです。

佐藤涼成の名古屋戦後のコメント

ーープレシーズンゲーム・名古屋D戦の総括

今日はすごくプレータイムをもらって、自分にとってもいい経験になったなというのが一つ。PGとしてターンオーバーの部分だったり、もうちょっとゲームメイクだったりができたのかなというのは感じていて、そこはしっかりと課題として、またさらに練習して頑張っていきたいなと思います。

ーー朝山HCの印象は

すごく期待してもらっているなと感じていて、1日目からすごく厳しく指導してくださったおかげで今日(のゲーム)があるなと感じています。求められていることをどんどん遂行して、自分のいいところを発揮して、朝山HCにいいところを見せていきたいと思います。

記者の質問に答える佐藤©Basketball News 2for1

ーー名古屋Dの齋藤拓実とのマッチアップはどうだったか

日本を代表するPGの選手とマッチアップできることは、自分にとって貴重な体験だったなと感じています。実際にマッチアップしてみて、簡単に抜かれてしまった部分と、「すごく考えながらプレーしているんだろうな」と感じる部分がありました。この経験は自分がこれからトップのPGを目指す上で、すごく必要だったと思います。

ーー目標としている選手は

中学生の頃、お父さんから並里成(FF名古屋在籍)の動画をずっと見せられていて、福岡第一(高校)出身というのも一緒ですし、マッチアップしてどんどん戦っていきたいなと思っています。

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