
9月に入り、Bリーグ各チームが2025-26シーズン開幕に向けて続々とプレシーズンゲームに臨んでいる。1部(B1)東地区の秋田ノーザンハピネッツは、今季新たに5選手が加入。群馬から移籍した菅原暉、長崎から移籍した髙比良寛治、パリ五輪でニュージーランド代表としてプレーしたヤニー・ウェッツェル、万能性が魅力のキアヌ・ピンダー、そしてレバノンのリーグで六度に渡りアシスト王を獲得したアリ・メザーがアジア特別枠としてチームに加入した。
今シーズン初のプレシーズンゲームとなった先月30日の群馬クレインサンダーズ戦では、第1クォーターから秋田のディフェンスが光り、一気に群馬を引き離す展開に。前半を51−34と17得点の大量リードを奪って迎えた後半、群馬のトレイ・ジョーンズやケリー・ブラックシアー・ジュニアなどが奮起し、4Qには点差を一桁にまで縮められたものの、秋田は新加入のピンダーやウェッツェルが活躍を見せ、最終的には87−81で勝利。プレシーズン初戦を白星で終え、好スタートを切った。
群馬戦では、新加入のピンダーが17得点10リバウンドとダブルダブルを達成したほか、ウェッツェルが11得点8リバウンド4アシストを記録。凱旋試合となった菅原は、3P2本を沈め、10得点3アシストとした。
10月4日、5日に同地区のサンロッカーズ渋谷とアウェイの青山学院記念館で2025−26シーズン開幕戦を迎える秋田は、9月13日から15日にかけてBリーグ2部(B2)東地区の岩手ビッグブルズのホーム・タカヤアリーナ盛岡で行われる「TOHOKU CUP」に参加する。
群馬戦後の記者会見では、前田顕蔵HCと菅原が記者の質問に答えた。

前田顕蔵HCの群馬戦後のコメント
ー群馬戦の総括
今シーズン初めてのプレシーズンゲームで、時期としては正直早い。両チームともに練習が十分にできていない中で、群馬さんに関してはまだ選手もそろっていない状況の中で、こうやってゲーム形式でできたというのは、チームとして良かったかなと思っています。もちろん、群馬さんがティーマン選手とエドゥ選手が欠けている中で、うまく攻めることができた部分と、後半うまく攻められなくなって、逆に向こうに流れを持っていかれた部分は反省点ではあるんですけど、チームとしてここからあと一カ月かけてシーズンに向けて一つずつ強くなってきたらなと思っています。
群馬さんとは昨シーズンは僕らのホームで試合をさせていただいたんですけど、プレシーズンでもこれだけ多くの方が試合会場にきてくれて、素晴らしい環境でできたことを嬉しく思いますし、菅原選手が今シーズン群馬から秋田に移籍して、いいプレーもたくさんあったので、非常に収穫の多かった試合なのかなと思います。

ー群馬戦で得た収穫と課題は
「まぁそっか」みたいなことはけっこう多いですよね。まだまだベースができていない部分があったり、オフェンスの意思疎通、シンプルに前半うまくディフェンスから走れてという部分が、後半は自ら走られてしまってという3Q。あのあたりのゲームの崩れ方というか、リードの消し方。これがレギュラーシーズンであれば、本当、群馬さんが外国籍選手がいないこの状況でこの内容というのは負けに等しいと…正直思うんですけど、現時点でいうと、まだまだ積み上げないといけないなと。あとディフェンスもルールが徹底できてない部分が多かった。後半だけでいうと47点やられているので、これではいけないなと。基本的なところをオフェンスもディフェンスもつくりたいなと思います。
ー開幕戦を100パーセントとすると、今で何割の仕上がり具合か
4割くらいでありたい。伸びしろはたくさんあるチームなので、まだまだ、チャンピオンシップを戦うというところを目指すのであれば、まだまだ伸びないとそこにはいけないんだろうなという感覚なので、4割くらいです。
ーディフェンスの強度が上がってきているように感じたが、何か変えたか
今日(群馬戦)はシンプルにディフェンスする時の距離を、ここを徹底してくれっていう話をしていたので(相手を)下がらせないように。下がってほしくないので(笑)。足はある選手がそろっているので、そこをどれだけ徹底できるっていうところでやっていた。そういう意味では、今日はすごく良かったのかなと思います。逆に、藤井選手はやっぱりすごくうまいので、ボーナスのシチュエーションでしっかりファウルをもらいにくる。で、あれはシンプルに「意図的にやられているんだよ」っていうのを教えながら今日はゲームをやっていたので、そういう部分はまだまだ経験値の差を感じましたし、学ばないといけないところだなと思います。
ー新加入の外国籍選手は3名とも代表経験があるが、彼らからどんなことをチームへ伝えてもらいたいか
やっぱり経験値と、キアヌ(ピンダー)選手は得点力。彼は得点だけではなくパスを出す意識も高いので、そういう部分は非常に期待していますし、ヤニ(ウェッツェル)に関しては得点もそうですし、ペイントの中でのファイト、リバウンドの部分。彼はリーダーシップも非常にあり、ユーロリーグで年間80試合くらいこなしている。そういう部分もシーズンを通して非常に楽しみです。レバノンからきたアリ(メザー)に関してはゲームメイクのところをすごく期待しています。
ー今シーズン軸としていくことは何か
激しく守って、速く攻めたい。ペースアップしたい。この二つです。
菅原暉の群馬戦後のコメント
ー群馬戦の総括
移籍してこんなに早く群馬で試合すると思っていなかったので、まずは素直に呼んでもらえて(うれしい)。チームとして呼んでもらえたけど、なんかこう、呼んでもらえたという気持ちがあったので、とても嬉しくて。とにかく楽しんでプレーしたいなと思って挑みました。試合は前半ちょっと点差開きましたけど、相手の主力がいない中で自分たちのやるべきことを40分間やり続けなければいけないというところで少し(反省点があった)。今年(今シーズン)始まってのファーストゲームだったので、なかなか難しい部分もありましたけれど、最後勝ちきれたのが良かったかなと思います。

ー3Pシュートを2本中2本決めたが、自身のパフォーマンスの評価は。また、秋田でどう強みを出していきたいか
3Pシュートのところは群馬のときから引き続き取り組んでいたところ。群馬の時は短い時間で役割に徹しなきゃいけなかったり、難しい状況はあったんですが、それでも積みあげてきたものが少しずつ結果に結びついていけばいいかなと思います。秋田に行ったとしてもやることは変わらないと思うので、引き続き(3Pに)取り組んでいきたいなと思います。
役割としては、今年はアップテンポなバスケットをしたいと(前田HCが)言っていたので、そこはペースをコントロールできるようなPGとして、ゲームをコントロールしたい。もっとディフェンスにしろ、オフェンスにしろ、アグレッシブにやっていかなければいけないなと思っています。
(東北支局)






