
Bリーグ1部(B1)は12日、各地でレギュラーシーズンの第24節が行われ、東地区6位の越谷アルファーズは本拠地の越谷市総合体育館で同地区4位の秋田ノーザンハピネッツと対戦した。
序盤、秋田の強度高いディフェンスに苦労しながらも、越谷はインサイドで得点を重ねていく。第2クォーター(Q)中盤、カイル・リチャードソンが連続得点で勢いをもたらすと、キャプテンの喜多川修平がタフな3ポイントシュートを決め、流れをつかむ。
3点ビハインドで迎えた第3Q、松山駿の3ポイントで逆転したものの、その後は一進一退の展開となり、78−78で延長戦に突入。延長の5分間では、自慢の堅守で秋田にわずか2得点しか与えず、最終的には93−80で快勝。1月12日の第17節・千葉ジェッツ戦以来となるホームでの勝利に会場は大きな歓声に包まれ、怪我で離脱中のカイ・ソットも仲間と笑顔を見せた。
秋田戦では、LJ・ピークが23得点5リバウンド、ティム・ソアレスが22得点17リバウンド、リチャードソンが19得点13リバウンドを記録。特別指定選手の菅原佳依は初のロスター入りを果たし、3得点1アシストで終えた。
第24節を終了した時点で越谷は、通算14勝27敗で東地区6位。同5位のレバンガ北海道に1ゲーム差と迫っている。19日に行われる第25節は、アウェイで長崎ヴェルカと対戦する。
秋田戦後の記者会見では、安齋竜三ヘッドコーチと笹倉怜寿、菅原が記者の質問に答えた。
安齋竜三HCの秋田戦後のコメント
ー秋田戦の総括
昨日(11日)東日本大震災の14年目ということで、昨日の練習中に黙祷もさせてもらった。本当に、常に忘れてはいけないとは思いますが、(災害など)そういうことがあった中で僕らがバスケットをさせてもらっているというところを、当たり前ではないというところを、また再認識させてもらった。被災したみなさん、今復興がどんどん進んでいますが、そういう方たちに少しでも元気になってもらえるように、僕らの責任としては、プロとしてそういうところもあるなと、昨日あらためて思っての今日(12日)の試合でした。
選手たちが我慢しながら、前回オフェンスリバウンドをめちゃくちゃ取られたので、そことターンオーバーのところ。そこを練習から、どういうリバウンドの取り方をするかとかを、選手たちがしっかりやってくれた。本当にぎりぎりの試合でしたけど、ファンのみなさんの声援と、そういうものが一体となって勝ちをもぎ取れたことが良かったゲームでした。
(チームで)何人か被災した選手もいますし、今日出た菅原(佳依)も岩手で8歳の時に被災した状況の中で、本人も(今節が)初のデビュー戦をしたけど、思いっきりプレーしてくれて、いいプレーが出たので、本当に良かったなと思います。
今日のように、チームとして戦ってもぎ取るというようなゲームを、今シーズン何回かそれを取れなくて負けているというゲームもあったので、今日のこういうゲームをきっかけに、そういうゲームを増やしていければなと思います。

ー次節・長崎戦に向けて
スカウティングをまたしてからというところと、前回馬場(雄大)選手が出ていなかったので、そういう部分もあります。お互い選手も少しずつ変わっているので、何かここを気をつけるというよりはベース。今日みたいなディフェンスの強度だったり、戦う意識だったりというのをベースに持っていかないと。僕らはB1に入りたてのチームで、順位うんぬんというよりは、チームのカルチャー的にも、チーム的にも下のチーム。そこに向かっていく、という状況を練習から作って、長崎に乗りこんでいくというのが重要なのかなと思います。
笹倉怜寿の秋田戦後のコメント
ー秋田戦の総括
一週間、秋田さんのプレッシャーだったり、リバウンドのところに対して、どう戦うかというのを準備してきた。堅いディフェンスからリバウンドをしっかり取りきってオフェンスにつなげるところは、準備できたとおりでした。また、練習の中で相手がやってくること、オフェンスリバウンドにくるというところは、本当に怪我するんじゃないかというくらい僕らも練習中からハードにやっていました。そこに関しては、試合の強度で準備できたことが、一試合を通して今日はできた。点数はちょっと取られすぎましたけれど、よく戦えていたところが多かったんじゃないかと思います。

ー前節からの修正点、次節に向けて
(第23節の)北海道戦は後半崩れたというところは、準備してきた「やられてはいけないところ」をやられたり、コミュニケーションミスだったり、強度の低さによる失点でやられて、それからのオフェンスも悪循環になってというかたちでやられていた。自分たちから、オフェンスもディフェンスも強度をもって、相手のプレッシャーに「受けて立つ」のではなく、しっかり自分たちから強度を出すというところは、一週間とおして準備してきたところなので、良かったと思う。
次節(長崎戦)に向けてやることは、相手がどうこうというよりは、自分たち。一試合できたから満足、というのではなく、また気を引きしめて。一試合良くて、一試合悪くて、というのが続いていたので、相手は違いますけど、しっかり自分たちから強度出して、オフェンスも一週間準備していくものを遂行したいです。
菅原佳依の秋田戦後のコメント
ー秋田戦の総括
今日は秋田さんということで、ディフェンスの強度が高いということもあって、練習の時からリバウンドだったり、ルーズボールだったりを意識してやろうということだった。そこを意識して全員が最初から40分間と延長まで、ずっと続けてやってきたのは良かったなと思います。

ー復帰までどう過ごしていたか、次節への意気込み
インカレ前に肉離れの怪我をしてしまって、そこから3ヶ月くらいバスケットから離れていたが、アルファーズのトレーナーのみなさんや選手たちがしっかりサポートしてくれて、たくさん声をかけてくれた。そのおかげで、今日良いプレーができたと思います。
次節の長崎に向けては、今日の秋田戦のためにやってきたディフェンスリバウンドだったり、そういうところも継続しながら、しっかり自分たちの持ち味を出して勝っていきたいと思います。
(金野恵理)