激戦続きの天皇杯、Bリーグ1部8チームが4次ラウンド進出
信州ブレイブウォリアーズ熊谷航(左)©Basketball News 2for1
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 第98回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会3次ラウンドが10月29日から31日にかけて全国4会場で開催された。

 ウインドヒルくしろスーパーアリーナ(北海道会場)からは千葉ジェッツと名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、ホワイトリング(長野会場)からはアルバルク東京と信州ブレイブウォリアーズ、津市産業・スポーツセンターサオリーナ(三重会場)からは島根スサノオマジックと群馬クレインサンダーズ、早水公園体育文化センター(宮崎会場)からは横浜ビー・コルセアーズと三遠ネオフェニックスが4次ラウンドに進出。いずれもBリーグ1部のチームが勝ち上がる結果となった。

 ホーム開催で唯一勝ち上がった信州は2年連続で4次ラウンドに進出。ケガで主力選手を欠く中、高い集中力とエナジーで勝利をつかみ取った。

けが人続出もホーム開催の信州は2年連続4次R進出

 天皇杯3次ラウンドでファイティングイーグルス名古屋に71₋68で勝利した信州。試合終了のブザーが鳴った時、選手たちは膝に手を当てたまま動けなかった。

試合後、膝に手をつく信州ブレイブウォリアーズの選手たち©Basketball News 2for1

 体力的にも精神的にも厳しい状況の中、この天皇杯に挑んでいた信州。10月26日にことぶきアリーナ(千曲市)で行われた信州と横浜BCの試合終盤、大黒柱でチームの精神的支柱でもあるウェイン・マーシャルが「右膝外側半月板断裂」の大怪我を負った。チームでは序盤戦にスターティングポイントガードとしてチームを支えていた生原秀将も欠場を続けており、ロスター登録9選手で挑んだトーナメントだった。

 30日に行われたFE名古屋戦後の会見で勝久マイケルヘッドコーチ(HC)は「(マーシャルの)MRIの結果を聞いた時にまず涙が止まらなかった」と悲しげな顔で当時の心境を振り返った。そんな状況の中、2連勝を飾り4次ラウンド進出を決めた選手に対しては「大変な状況で、そしてタフスケジュールの中で選手たちが本当に頑張っていた。観ている方々が選手たちの頑張りを誇らしく思ってもらえれば思う」と賛辞を惜しまなかった。

記者会見で質問に答える信州・勝久マイケルHC©Basketball News 2for1

マシュー・アキノ&サイモン拓海がステップアップ「チーム全体に火をつけた」

 「特にマシュー(アキノ)とタク(サイモン拓海)がステップアップしてくれて、あの2人の活躍はウェインさんのけがで落ち込んでいたチーム全体に火をつけてくれた」と語ったのは前田怜緒。

 日本人ビッグマンであるマシュー・アキノは開幕戦から怪我のため出場機会は少なかったが、10月23日に行われた仙台89ERS戦では相手ビッグマンを抑え込むディフェンスや、3本連続でスリーポイントシュートを決めるなど、攻守ともに着実に成長を続けている。29日の新潟アルビレックスBB戦ではスリーポイントシュートを2本、FE名古屋戦では3本沈めるなど、ウェインが抜けた穴を得点面やディフェンス面でカバーする活躍を見せた。

チームの勝利に貢献したマシュー・アキノ ©Basketball News 2for1

 ルーキーシーズンを過ごすサイモン拓海もここまでのレギュラーシーズンではなかなかプレータイムが獲得できていなかったが、新潟戦で第2Qから起用されると、持ち前のスリーポイントシュートを3本連続で沈めてチームに勢いをもたらす。新潟戦では16分のプレータイムを獲得し、スリーポイントシュート6本を含む20得点をマークした。

 「シューティングを練習しているから、それをゲーム中に決められてとても嬉しかった」と手ごたえを口にするサイモン。プロ選手としての生活について聞くと「子どもからの夢だったのでそれが人生になっていて嬉しい」と笑みをこぼした。

新潟戦では20得点をマークしたサイモン拓海 ©Basketball News 2for1

チーム全体に浸透した主将マクヘンリーのタフな精神

 「タフな面や強さも若い選手に見せることができた」。

 今季で信州在籍6年目を迎えるキャプテンのアンソニー・マクヘンリーはこの2試合、常にチームの先頭を走っていた。

 「友人であるウェインが怪我をしたのは残念であり悲しいことだ」と共にチームをけん引してきたマーシャルへの思いを寄せつつ、「ウェインがいないからといって、チームのスピリットをなくしたくないとチーム全員で思っている。ウェインがいないからこそ頑張らないといけないというモチベーションが2連勝に繋がった」と勝利の要因を語った。

 新潟戦で首を痛め、左右に曲がらない中テーピングをして試合に臨んでいたというFE名古屋戦。満身創痍の中でのプレーについて尋ねると「いつもプレーしている中で思うことが、怪我をすることと、ただ単に痛いというのには違いがある。首のことに関してはただ単に痛いだけだったので、まだ自分のできることやチームの支えになれることはやろうとしてコートに立ち続けた」と語る。続けて「こういう姿を若い選手にも学んでもらいたいというメッセージ性も込めていたし、タフな面や強さも若い選手に例として見せることができたと思う」とコメント。チーム最年長キャプテンがどんな状況でも全力でプレーする姿勢が、チーム全体の士気を高め、勝利につながったことは間違いない。

首の痛みを押して出場したアンソニー・マクヘンリー ©Basketball News 2for1

4次RはA東京と“再戦” 勝久HC「チャンピオン目指したい」

 4次ラウンドではアルバルク東京との対戦が決まった信州。今シーズンの開幕戦でチーム史上初めて勝利を果たしたA東京のホームに乗り込み、2度目の白星を狙う。

 「天皇杯はトーナメント形式なので、どこにもチャンスがあって、勝ち上がっていけばチャンピオンになれるチャンスがある」と勝久HC。

 「そういったことができれば我々にとっては非常に大きいので、絶対に(チャンピオンは)目指したいです」。

激戦必至 4次ラウンドの組み合わせが決定

3次ラウンドの結果により、12月7日に行われる4次ラウンドの組み合わせは以下の通りに決まった。

千葉ジェッツvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ:船橋アリーナ

アルバルク東京vs信州ブレイブウォリアーズ:アリーナ立川立飛

島根スサノオマジックvs群馬クレインサンダーズ:未定

横浜ビー・コルセアーズvs三遠ネオフェニックス:未定

※宇都宮ブレックス、琉球ゴールデンキングスはセミファイナルから参戦

 昨年王者・川崎ブレイブサンダースが敗れるなど、波乱も起きた3次ラウンド。群馬や三遠、島根などリーグ戦でも好成績を残すチームが4次ラウンド進出を決めており、新時代への突入を予感させる天皇杯。群雄割拠の4次ラウンドを制するのはどのチームか。来月7日に激戦の幕が切って落とされる。

(芋川史貴)

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