
Bリーグ1部(B1)は8日と9日の両日、各地でレギュラーシーズンの第21節が行われ、東地区のレバンガ北海道は、同地区2位の群馬クレインサンダーズとアウェイのオープンハウスアリーナ太田で対戦した。
第1戦では、群馬の強度あるディフェンスに苦しめられながらも得点を重ねていくが、第2クォーターに大きく引き離されてしまい、前半を30-46で折り返す。第4Qでは群馬の得点を抑えることに成功したものの、点差を縮められずに55-70で黒星を喫した。
翌日の第2戦では、序盤からディフェンスの強度を上げて挑む。群馬のディフェンスの隙をつき、盛實海斗が3ポイントシュートを決めるなどして、北海道が流れをつかむ。島谷怜やライアン・クリーナーも3Pシュートで続き、盛實も得点を伸ばすと、46-31と15点リードで後半へ。しかし、第3Qに入ると流れが一転。ファウルトラブルで相手にフリースローを献上し、追い上げを許してしまう。第4Qに寺園修斗が打開しようと試みるも、群馬から流れを奪うことが出来ず、68-73で敗戦。第20節のサンロッカーズ渋谷戦から3連敗となった。
第2戦では、3P5本を沈めた盛實が19得点2アシストを記録し、キャリアハイに迫る活躍を見せた。第1戦で6得点のクリーナーは15得点13リバウンドでダブルダブルを達成、寺園が3P2本を含む17得点3アシストを記録した。
北海道は第21戦終了時点で通算13勝24敗で東地区5位としており、同地区4位の秋田ノーザンハピネッツを5ゲーム差で追う。アジアカップ2025の日本代表予選のためのバイウィークを挟み、第22節は28日より再開。北海道は同地区首位の宇都宮ブレックスと、アウェイのブレックスアリーナ宇都宮にて3月1日と2日に対戦する。
第2戦後の記者会見では、小野寺龍太郎HCと寺園脩斗が記者の質問に答えた。
小野寺龍太郎HCの群馬戦後のコメント
ー群馬戦・第2戦の総括
前半は、昨日(第1戦)の修正点もふまえて悪くない内容だったと思います。特に群馬さんとやるときには、ディフェンスももちろんそうなんですが、オフェンスも自分たちのアジャストだったり、アドバンテージの取り方というのは、通常のゲームとは若干異なるので。そういう部分の、自分たちの昨日のゲームからの少しの調整という部分では、前半のオフェンス・ディフェンス共に、いいバランスでプレーできていた時間帯が多かった。
その結果、(前半を)リードして終わることができたんですけど、後半、点差が15点ついた状態からのスタートで、どの選手がボールを保持しながらアグレッシブに来るのか。特に(トレイ)ジョーンズ選手だったりを含めて、自分たちがディフェンスの強度を弱めないように、かつ、相手のプレッシャー、強度だったり、相手のゾーンディフェンスも含めて、さまざまなディフェンスがあるなかで、自分たちのオフェンスというのはシンプルにセットしていくというのが後半のテーマだった。
今の段階で映像など見ていないので、あの時はこうだったということは言えないですが、前半、彼ら(群馬)に与えたフリースローが4本で、2本決められて、後半は20本与えました。後半、彼らが42点を積み上げたんですけど、そのうちの16点がフリースローで、(全得点のうち)大体38パーセントから40パーセント弱はフリースローでの得点ということを考えると、これを、自分たちのコントロールで、どこが止められた、これは仕方ないよね、という線引きがなかなか今の状況では難しいです。なので、評価はちょっとしづらいですけど、難しいです、本当に。なかなか、自分たちが思うようなディフェンス、自分たちのルールの中で正しくディフェンスをしていてもファウルになってしまったり。コントロールできないです、ジャッジの部分は。
なので、選手たちもさっきのミーティングでも、下を向かずに、また次のバイウィーク明けの宇都宮戦に対して準備しようと話をしました。やはり、どういう状況となったとしても、後半群馬さんがおそらくやってくるだろう、というのは、自分たちが想定していた中での範囲内であった。ただ、それが多くの場合にファウルになって、フリースローからのスタートになって、相手のゾーンプレスからスタート、それからゾーンアップ、スリーツー・マッチアップゾーンという形で自分たちのペースが崩れるゲームだったので、そこがやっぱり(課題となった)。
ディフェンスの終わり方というのが、オフェンスの精度の悪さ、後半で僕たちは22点しか取れていないのですが、彼らのフリースローとほとんど変わらない点数なんですけれども、そういう部分で非常に苦労する、自分たちもやりづらいゲームであったことは確かです。ただ、もう少しアジャストとして、その中でもいいアドバンテージだったり、オープンショットだったり、自分たちが犯してはいけないターンオーバーだったり。そういう部分を減らしていかないと、上位チーム、CSに絡むようなチームに対して、ひとつ勝つということも難しい。そういう部分も自分たちは学んでいる最中ではあるんですけど、こういう上位とのクロスゲーム、前半リードしているゲームは特に勝ちきれるように。個人としてステップアップもそうですし、チームとしても、バイウィーク明けに宇都宮さんとアウェイで対戦するんですけど、その時にもっとそこをもっとチームとして、いいものが準備できるように、この期間を大事に使っていきたいなと思っています。

ー第1戦ではクリーナー選手が一桁得点だったが、修正してきた部分は?
ゲーム前にかけたのは、スカウティングの時点でも、週末の僕たちの練習の中でもミーティングでもそうなんですけど、群馬さんを相手にするチームはどこのチームも外国籍のスコアが減る傾向にあります。そのようなディフェンスをしているというのはひとつあるので、特にインサイドプレーヤーのスコアが減る傾向にあります。今日僕らはペイントで10点、今シーズンのゲームの中で最もペイントで取れなかったゲームでもあります。その要因としては、しっかりパック・ザ・ペイント(ペイント内に多くの選手を残す)して守ってくるので、逆にスポットが空きやすくなる。昨日の比較ではないですけど、佐賀さんと三遠さんのゲームのように、佐賀さんとか群馬さんとか(名古屋ダイヤモンド)ドルフィンズさんだったりというのは、比較的スポットが空きやすいディフェンスの構造です。なので、インサイドペイントの外国籍のスコアはおのずと減ってくる部分ではあるんですけど、今日のゲームでは、そこを自分たちが無理をせずに、実際ピックアンドロールゲームでも、ビッグマンに入るケースってあまり多くはないです。今日も、スポットではクリーナーが何本か決めましたけど。
自分たちがアジャストして準備してきたのは、ビッグマンのスコアは減るけど、そこは我慢強くプレーしようと。なので、逆にオフボール、オンボールのスクリーンをしっかりかけて、スモールプレーヤーに対してオープンをしっかり作る、スクリーンアシストをビッグマンには求めてプレーさせていました。ただ、やはりそれをやることで、ビッグマンの、ピックアンドロールゲームでもそうですけれども、ディフェンスでギャップが生まれて、スモールがアタックすることで、ディフェンスもはがれやすくなって、結果的にライアンがピックアンドポップで打てたり、スポットヘルプローテーションの中でスクランブルになってライアンがオープンになったりというケースは生まれやすくなったのかなと思っています。なので、ビッグマンに何か伝えたというよりは、チーム全体として、バスケットに自分たちからファーストオプションで向いていく、オフボールでもそうですし、ピックアンドロールでもそうですし、バスケットに向いて、バスケットにアタックしていくことで、キックアウト、エキストラパスっていうので、オープンというのが生まれやすくなるよと。それが結果的に、特に前半うまくいっていたのかなと思います。
ー北海道はセカンドチャンスでの得点が高いが、小野寺HCはこの部分をどう見ているか
結果的に今日のゲームでも、多くの得点の割合でも非常に高いセカンドチャンスポイントではありました。ただ、自分たちのルールの中で、オフェンスリバウンドに絡む選手が何人か、それからどこから絡むのかっていう部分も含めて、そこまでオフェンスリバウンドにフォーカスはしていないです。ただ、それがペイントエリアで取れていないというのは、ひとつ僕たちの課題ではあります。セカンドチャンスを取れるけど、ペイントエリアでのフィニッシュ(ができていない)。トムが取っても、今日全然フィニッシュできなかったですし、ファウルにもならない。なので、チップアウトからセカンドオフェンスというかたちでスポットが生まれたり、そういうチャンスは自分たちにも多くあるのかなと考えています。
ただ、オフェンスリバウンドよりも自分たちはどちらかというと、オフェンスリバウンドとトランジションディフェンスのルールというのはセットで考えていて、オフェンスリバウンドに絡めすぎずに、どこにいる選手をどうやって(ディフェンスに)戻るということだったり、何人セイフティに戻る、そこからのトランジションディフェンスというところをセットで考えている。オフェンスリバウンドでセカンドチャンスポイントを取るよりも、ファストブレイクポイントだったり、トランジションポイントを減らすということが、自分たちは優先順位が高い。そういう意味では、セカンドチャンスポイントが多いのはいい意味ではありますけど、それを無理やり取りにいくということは選手に推奨はしていない。だが、今日ゲームではすごくいいかたちで自分たちがセカンドオフェンスにつなげられたというのは、ひとつチームとして大きな部分かなと考えています。
ーバイウィーク明けの試合に向けて
自分たちの成績がそこまで上がっていない中で、いろいろな課題がたくさんあるんですけど、あれも、これも、ここも、この選手も、という形ではなく、優先順位としてはディフェンスでいうと、ピックアンドロールディフェンスのハンドラーとロールマンの失点がリーグで最も多いチームです。もう断トツに。ただ、それはある程度僕たちが許容しているものではあるんですけど、それ以外の、スポットの失点だったり、カッティングの失点だったり、僕たちはピックアンドロールのハンドラー、ロールマン、それ以外の得点を「アザー」と呼んでいるんですけど、アザーの得点というのを極力減らそうと。
そのコンセプトの中で、自分たちのルールが今日みたいに崩れてしまう。例えば、ロールマンにやれすぎるとか、ピックアンドロールのハンドラーに対して少し許してしまうとか。そういう部分がまだ、許容する中でも非常にミスが目立つゲームが多いので、何かオフェンスで上手くいかなかったときに、ディフェンスに影響する。そういう部分を減らしていくことでディフェンスの効率をもっと上げていけると考えていますし、もちろんオフェンスも含めて自分たちの大事にしているルールを、(例えば)何かサプライズで、選手が変わる、HCが変わる。それは分からないですけど、まだ継続しながら次の23試合に向かっていく中で、今やっていることのレベルを上げていく、スタンダードを全員で上げていくということが必要かなと。一番、最も重要な部分かなと考えています。
寺園脩斗の群馬戦後のコメント
ー群馬・第2戦後の総括
今日の試合の総括として、昨日と違って、前半から自分たちの持ち味であるディフェンスからファストブレイク。前半はいい形で得点が取れていて相手の失点を抑えることができていたんですけど、後半3ピリ(第3Q)の入りで、チームからターンオーバーだったり、チームのルール外のところで、個人でワンオンワンをしてたからシュートを打たされて。それを群馬さんに持っていかれて、3クォーターに追いつかれるというゲーム展開だったんですが、僕たちは下位のチームなので、前半でリードしてる試合を取りきれないというところが、これから僕たちが上位を目指すにあたって必要なところだと思う。ディフェンスを40分間やり続けられないというのは、チームとしての課題なので、そこが出たゲームなのかなと思います。

ー後半、自分でシュートを決めにいくなど強い姿勢が見られた
僕たちのチームは日本人選手が得点を取っていく、プラス、ドワイト・ラモス選手。インサイドじゃなくてアウトサイド陣が点を取っていくというスタイルなので、そういったところでラストシュートを任される場面というのが多い。なので、任されるからには人より練習しないといけないと思って、休みの日も体育館に行って練習したりとかというところで準備するようにしている。ああいう場面がきて決めきるだけの準備はしているので、あとは打ちきるだけだなと思って打ちりきました。
ーバイウィークをどう過ごしていきたいか
僕たちのチームは、最近上位のチームに勝てるようになってきていて、ここからやっぱりチームとして連勝を続けていくためには、ヘッドコーチが言ったところだけじゃなくて、ゲームの中で起きてところをひとりひとりが判断して、というところが必要。僕だけではなくて、選手それぞれが、今課題があると思うので、このバイウィーク期間でしっかりとそれを克服して、またチームとして集まった時により今よりもいいチームになれるかなと思う。僕だけではなく、チームメイトにもしっかりやってもらえるように、チームを作っていきたいなと思います。
(金野恵理)