Bリーグ1部(B1)第2節、東地区アルバルク東京はホームで同地区千葉ジェッツと対戦。約6年ぶりに代々木第一体育館での開催となったA東京のホームゲームは、第1戦が8,919人、第2戦が9,167人と2日連続でB1クラブ主管試合最多となる入場者数を更新。第1戦はA東京が78-66で勝利、第2戦は千葉Jが82-77で勝利をつかみ取り、熱いプレーで満員の大観衆を沸かせた。
サイズ17得点14R 第1戦はインサイドで千葉Jを圧倒
第1戦はA東京が攻守でアグレッシブな姿勢を見せ、第1クォーター(Q)開始3分25秒にリードを奪うと、その後は千葉Jに一度も逆転を許すことなく快勝。約1年ぶりとなったライバルとの対決を白星で飾った。
この試合ではチームへの合流が遅れたセバスチャン・サイズが17得点14リバウンドとゴール下を支配。その他にもアレックス・カーク、ジャスティン・コブス、小酒部泰暉が2桁得点を記録した。サイズを中心にインサイドでのアグレッシブなプレーが光り、15個のオフェンスリバウンドから17のセカンドチャンスポイントを記録。また、チーム全体で22アシストを記録するなど、第1節の信州ブレイブウォリアーズ戦とは違ったスムーズなチームプレーが随所に見られた。
続く第2戦は千葉Jが反撃。序盤からエナジー全開でA東京を圧倒すると、第2Qにはリードを最大24点に広げ、45-22で前半を終えた。後半も千葉Jがそのまま逃げ切るかと思われたが、A東京が徐々に追い上げ、第4Q終盤に3点差まで詰めるもわずかに届かず。82-77で千葉Jがリベンジを果たし、東地区強豪対決は1勝1敗の痛み分けとなった。
「勝利を届けたかった」9000人のファンに感謝
第1戦で1本目のシュートを決めたA東京・田中大貴は試合後、大観衆の前で「ファンに勝利を届けたかった。めちゃくちゃ楽しかったです」と笑顔でコメント。
試合後の記者会見では「これだけのお客さんの前でプレーできるのは、選手としてこんなにありがたいことはないです。レギュラーシーズンの中のただの1試合かもしれないですが、個人的にもすごく高まるものがありました」と喜びをかみしめながら語り、代々木に集まったファンに感謝の気持ちを表した。
新チームの完成度については「まだ始まって時間が経ってないので、どこが良くなったなどの実感はないです」としながらも、「今までやってきたルカ(パヴィチェヴィッチ前ヘッドコーチ)のバスケではなかった、相手によって柔軟な対応をするという部分は変わってきています。まだまだ新体制になって完成されたチームではないので、シーズンを通して成長していきたいです」とチームとしてのさらなる成長を見据えた。
信州戦の課題を改善 アドマイティスHC「自分たちらしい試合を展開」
新指揮官のデイニアス・アドマイティスHCは「今日(第1戦)は自分たちらしい試合を展開することが出来た」と手応え。「信州との2戦目に負けた後、『悪かった部分を改善する』ということは練習中にチーム全体で話し合っていたこと。改善をできないと今後いい流れが来ないので、この日は選手たちが応えてくれた」と第1戦の勝利に対して選手たちを褒めたたえた。
また、「今シーズンはサイズと吉井の合流が遅れ、彼らが合流してからシステムがまだ噛み合っていない部分がある。いかにゲームプランを安定させるか。一つ一つ向上させていきたい」と田中同様に未完成のチームへの期待を口にした。
今シーズン、代々木第一体育館という「聖地」に帰ってきたA東京。新たな指揮官のもと、目指すのはもちろん王座奪還だ。その目標を達成するために、まずはレギュラーシーズンでどれだけ白星を積み重ねられるか。大観衆の応援を力にして、常勝軍団の7年目の挑戦が始まる。
(吉本宗一朗)