Bリーグ1部(B1)は1月20日から21日にかけて各地でレギュラーシーズンの第18節が行われ、千葉ジェッツはホームの船橋アリーナでレバンガ北海道と対戦。20日に行われた第1戦を98-79で勝利すると、第2戦も89-82で勝利。1月に入ってからリーグ戦無敗の5連勝とし、通算成績を18勝13敗の東地区3位とした。
第1戦で富樫勇樹が自己最多タイ42得点と爆発
第1戦では富樫勇樹が大爆発。第1クォーター(Q)に3Pを6本連続で沈めるなど24得点をあげると、その後も得点を積み重ねキャリアハイタイの42得点を記録した。ジョン・パトリックHCが「前半は勿体無いTOが多く、ディフェンスとリバウンドにあまり集中できていなかった」と振り返ったように、チームとしてなかなか流れに乗れない中、チームを引っ張った。
自身の第1Qのパフォーマンスについて富樫は「あれだけシュートが入っていると、どれだけタフなシュートでも入る気はするので、外れるまで打とうかなと思っていた」と振り返った。
もっとも、北海道も富樫対策をしていなかったわけではなく、前節からスタートをドワイト・ラモスから関野剛平に変更し、ディフェンスにフォーカスをして試合に入ったものの、「前半のディフェンスはソフトで、富樫を始め相手ハンドラーを自由にさせてしまった」と北海道の小野寺龍太郎HCが振り返る。
前半は点の取り合いの中で試合が進んだものの、後半は千葉Jが一気にディフェンスのギアを上げ、北海道の得点を30点に抑えた。後半のディフェンスについて千葉JのパトリックHCは「小川、金近、アイラは、前半あまりディフェンスに集中をできていなかったが、後半いいディフェンスをしていた。アイラがウィルスにいいディフェンスをしたり、金近がブロックやルーズボール、小川がプレッシャーをかけていていいシーンが多かった」と各選手のパフォーマンスを評価した。
守備の要・原修太が復帰「ディフェンスのレベルを上げたい」
昨シーズン、リーグ史上最多となる53勝を挙げ、優勝まであと一歩に迫った千葉ジェッツ。ディフェンシブレーティング(Drtg、100ポゼッション当たりの平均失点)ではリーグ3位となる103.3を記録するなど、その強さの基盤には堅守があった。しかし、今シーズンはここまで31試合を消化して、Drtgはリーグ15位の110.8。平均失点は83.0点でリーグ5番目に多く、連携やコミュニケーションミスも多く見られ、まだまだ昨季の水準とは程遠い状態だ。それでも、1月の5試合では平均失点を78.6点に抑え、被フィールドゴール成功率も42.3%に抑えるなど、徐々にディフェンスの質も上がってきている。
また、この試合では11月より怪我で離脱をしていた、チームのディフェンスの要・原修太も復帰。まだまだコンディションとしては万全ではなく、「体力と試合感は戻している状態」ではあるものの、1番ポジションから5番ポジションまで誰にでもマッチアップすることができる原が復帰したことで、ディフェンスで今シーズン苦しんでいる千葉Jがさらに調子を上げるきっかけになることが予想される。
原自身も自身の離脱期間に感じたチームの課題について「ディフェンスのコミュニケーションなどあげたらキリはない」とまだまだチームとしての課題感が山積みだとしつつ、「自分が出ている時間で周りの選手を巻き込んで、前からプレッシャーをかけるなど行動で見せて、チームとしてのディフェンスのレベルを上げていきたい」と自分自身もプレーで引っ張っていきたいと意気込んだ。
CS争いも激化「今は内容よりも勝つことが大事」
今シーズン、怪我人や東アジアスーパーリーグへの参戦などの影響もあり、なかなか流れに乗れていなかった千葉ジェッツ。年が明けてからは「1人1人の積極性が変わってきた」(富樫)こともあり、5連勝と流れにのる。
「今は内容よりも勝つことが大事」と原が語っている通り、現在チームは東地区2位の宇都宮ブレックスに6ゲーム差の3位。チャンピオンシップ(CS)のワイルドカード争いでも佐賀バルーナーズや名古屋ダイヤモンドドルフィンズと枠を争っている状態となっている。持ち前のディフェンス力を取り戻し、CS進出、そして昨季叶えられなかった優勝に向けてさらに勝利を重ねていくことができるのか。流れをつかみつつある千葉Jの今後に注目だ。
(田中 隼翔)