FIBA男子バスケットボールワールドカップ2023(W杯)の開幕を翌日に控えた24日夜、日本代表(FIBAランキング36位)のトム・ホーバスHCと富樫勇樹主将が試合会場の沖縄アリーナで記者会見に臨み、本番に向けての意気込みを語った。日本は25日午後9時10分から、ドイツ(同11位)と一次ラウンド初戦を行う。
パリ五輪出場向け「アジア1位が明確な目標」
日本語会見の冒頭で現在の心境を聞かれたホーバスHCは「うちのバスケットボールを見せたいです。まだやってないと思います。このハードルを超えたいです」と短い言葉ながら、力強く語った。富樫はパリ五輪の出場権獲得に向けて「アジア(6カ国の中で)1位になるという明確な目標があります。チームとして本当に長い時間準備をしてきたので、それを出すだけかなと思います」と決意を述べた。
約2年前に女子代表のHCからスライドする形で男子の指揮を取ることになったホーバスHCは、どんなチームをつくることができたか、との問いにこう答えた。
「ネバーギブアップで、40分間チームバスケットをやる。速くて、フィジカルでも頑張る。相手はうちより大きいけど、簡単に負けない。そこは少しずつレベルアップしてきた。ドイツは強いから、どこまでうちのバスケができるか本当に楽しみ。自信もある。やるかしかないです」
ドイツの“エンジン”をいかに止めるか
ドイツ戦に向けては、指揮官はエースPGのデニス・シュルーダーをドイツの「エンジン」と表現。その上で「彼がペイントアタックすると、もう止まらないです。この間のアメリカ戦も止まらなかった。だから、彼がペイントに入る前に何かをやらないといけない。そこが鍵かなと思います。シュルーダーがいろいろやるんだったら大変です」と続けた。
富樫も「あのレベルの選手を全て止めるのは難しいし、やられる部分は絶対にあるので、そこでヘッドダウンせずに切り替えてやりたいです。チームとしての対策をコートの全員が理解し、やり続けることが大事になります」と述べ、同じくシュルーダーを警戒している様子だった。
初戦に向けては、指揮下が「スロベニア戦ではスターティングメンバーにディフェンスが足りなかった。だから今は、結構ディフェンスができる選手がいます」と語り、15〜19日にアンゴラ、フランス、スロベニアと行った強化試合からスターティング5が変わることを示唆した。
負傷明けの渡邊雄太については「彼とジョシュ・ホーキンソンが今週やっと一緒に練習やって、体力がどこまでいけるかどうかがまだ分からないです。たぶん短い時間で出して、1回チェンジして、もう一回出す。ただ、いっぱい使いたいです」と話し、様子を見ながらの起用になりそうだ。
(長嶺 真輝)