Bリーグ1部は12日、各地で第13節第1戦が行われ、琉球ゴールデンキングスは87―69で大阪エヴェッサに勝利。キム・ティリが自己最多21得点をマークするなど躍動し、9日の信州戦に続き連勝を飾った。
好守で本領発揮
第1クオーター、琉球は今村佳太の3ポイントシュート、ジャック・クーリーのレイアップなどで流れを作ると、終始リードする形で試合を進める。第2クオーターには開始から3分間で9-0のランを決めるなど、バランスのいい展開で大阪を圧倒。最大16点にリードを広げるも、終盤に大阪に追い上げられ、39-32の7点リードで前半を折り返す。
第3クオーター、アイラ・ブラウンやディージェイ・ニュービルの得点で大阪に一時3点差まで迫られるも、琉球はドウェイン・エバンスがインサイドで得点を重ね、ティリや今村、石崎巧が長距離砲を決めるなど再び大阪を突き放す。
第4クオーターは持ち前の堅守で大阪を15得点に抑えるなど、攻守に本領を発揮した琉球が「伝統の一戦」に18点差で快勝した。
12人全員が出場
今季の琉球を象徴する「層の厚さ」を見せつけた形となった。
ベンチ登録12人全員が5分以上出場し、9選手が4得点以上を記録。フィールドゴール成功率は52.4%、3ポイントは23本中11本成功で成功率47.8%とシュートもよく決まった。
外国籍選手の負担が大きくなるチームが多い中で、この日チーム最長の出場となったクーリーのプレータイムはわずか25分。ティリが23分、エバンスが21分プレーするなど、非常にうまくタイムシェアリングできている。
試合後、藤田弘輝ヘッドコーチは納得の表情で語った。
「新加入の選手がとてもハードにプレーしてくれている。並里、岸本のプレーメイキングは素晴らしいが、彼らだけに頼っていてはだめ。田代、船生、外国人選手もクーリーだけではなく、エバンスやティリが貢献することが大事」。
チーム状態は向上
7本中5本の3ポイントを沈め、Bリーグで自己最多となる21得点を記録したティリは手応えを口にした。
「チームに慣れてきて、プレーしやすくなってきている。最近はシューティングの練習に多くの時間を割いているし、自信も持てるようになってきました。今日はとても調子が良かったんですけど、そのパフォーマンスが毎試合出せるようにプレーを磨いていきたいと思います。
チームにはいい選手が多いし、ケミストリーもいい。僕たちはアンセルフィッシュで、エクストラパスを出したり、オープンな選手を探して質のいいシュートを打てるようになっている。今日は僕がオープンな状態でシュートを打ててラッキーでした。チームの状態はどんどん良くなっています」
多彩さ見せた船生
今シーズン、ポイントガードとしてもプレーし、この試合で7得点4リバウンド4アシスト6スティールとオールラウンドな活躍を見せた船生もチームの状態に自信を見せる。
「クーリー以外の(今季から新加入の外国籍選手)2人も試合を重ねるごとに良くなっていると思いますし、(ポイントガードとして)そういった選手たちの特徴を生かせるようにしていきたいですね」。
今季からの新加入選手と昨季までの主力選手が融合し、開幕から快進撃を続ける琉球。すでにチームの完成度は高まってきているが、藤田HCは更なる高みを目指す。
「(完成度は)まだまだ。コロナの期間で練習ができず準備段階が少なかったので、シーズン中に少しずつ詰めていく感じだと思います」。
悲願のリーグ優勝へ、西の王者に抜かりはない。