新型コロナウイルス感染拡大防止のため、Bリーグは2月28日から3月11日にかけて開催予定だったB1、B2における全99試合の延期を発表した。
B1はここまで23節、各チームが39試合を消化しており、終盤戦に差しかかろうとしている状況。
勝敗数で並ぶ宇都宮ブレックスとアルバルク東京などの強豪がしのぎを削る激戦の東地区をはじめ、各地区が白熱した順位争いを繰り広げている。
今回は第23節終了時点の印象的な数字を「7」つ取り上げてご紹介。
今シーズンここまで生まれた快挙を簡単におさらいしていこう。
16
川崎ブレイブサンダースがクラブ新記録となる記録「16連勝」を樹立。第7節の島根スサノオマジック戦・第1戦(87-53)から始まった白星街道は、第16節の富山グラウジーズ戦・第2戦に56-88で敗れるまで、約2ヶ月もの間続いた。
これまでのチーム記録は2016~17シーズンに記録した「15」。シーホース三河が持つBリーグ記録「17」には1届かなかったものの、連勝期間中は平均87.625得点をマークした。
中地区でも首位を独走する川崎。キャプテン・篠山竜青の負傷離脱もあり2020年に入ってからは勢いに少し陰りが見えるが、地区優勝、そしてポストシーズンに向けて、着々と歩みを進めている。
20
滋賀レイクスターズがB1新記録となる快挙を達成した。
第8節富山グラウジーズ戦・第1戦GAME1で、チーム合計20本の3Pシュートを成功。試合も83-73で勝利し、総得点の70%以上を3Pが占めた。
内訳はキャリアハイとなる10本の3Pシュートを沈めた狩野祐介を筆頭に、高橋耕陽、ヘンリー・ウォーカーがそれぞれ3本。
狩俣昌也、佐藤卓磨、谷口光貴、クレイグ・ブラッキンズが1本ずつ成功している。
第23節終了時点で、滋賀の3Pシュート試投数はリーグトップの「1053」。成功数でも川崎ブレイブサンダース(379)、サンロッカーズ渋谷(366)、宇都宮ブレックス(355)に次ぐ「352」を記録している。
チームは今年に入り11勝2敗。積極的な姿勢が実りつつあり、2強で決まりかと思われた西地区の上位争いに割って入ろうかという勢いだ。開幕戦を勝利した2017年第1節(第1戦終了時)以来となる貯金生活にも突入。
ピュアシューターの狩野に加え、司令塔の齋藤拓実ら個性派が揃う滋賀は今後も注目だ。
65
落とさない男が、また一つ金字塔を達成した。シーホース三河の金丸晃輔は、第1節の琉球ゴールデンキングス戦(第1戦)戦から第22節レバンガ北海道戦(第2戦)まで、65本連続でフリースローを成功。成功率100%をキープし続けた。
金丸は過去3シーズン全てでフリースロー成功率90%以上を記録し、3年連続で「ベストフリースロー成功率賞」を受賞中。今季もここまで72本中70本を決め、成功率97.2%と同賞に最も近い存在だ。
追随しているのは京都ハンナリーズの松井啓十郎で、56/59本成功(成功率94.9%)。数が少ないため同賞ノミネートの可能性は低いものの、レバンガ北海道の中野司も24/25本(成功率96.0%)と圧巻の数字を残している。
金丸のフリースロー、そして3Pシュートが正確無比であることはもはやBリーグファンの常識。フリースローは確率論で言えば10回に1回外すかどうかの次元に突入している。フリースロー失敗が大きなニュースになる、そんな三河のシューターには終盤戦も要注目だ。
300
アルバルク東京のアレックス・カークが第21節の川崎ブレイブサンダース戦・第1戦で、B1史上初となる通算300ダンクを記録した。
今季はここまで36試合に出場し、32試合でダンクを記録。今季のダンク総計は第23節終了時点で64となっている。
豪快なダンクで味方を奮い立たせる一方で、アルバルク東京が求めるフォア・ザ・チームのを遂行できるのもカークの大きな強みだ。リバウンド、得点などのランキングでトップスリーに名を連ねているわけではないものの、その貢献度は数字だけで測れないものとなっている。
Bリーグにやってきて3シーズン目を迎え、快挙を達成したカーク。漆黒のホームユニフォームに身を包む王者が誇る、文字通りの“大黒柱”といえるだろう。
400
京都ハンナリーズのジュリアン・マブンガが達成したのは、B1史上初となる通算400本目の3P成功。第11節の琉球ゴールデンキングス戦のことだった。チームは80-60で敗れたものの、自身は今シーズン初となるトリプルダブルで快挙に花を添えた。
昨季のアシスト王(平均8.5)に輝き、トリプルダブルを7度記録したマブンガ。今季もここまで平均8.849アシストをマークしている。規定出場試合数にわずかに届いていないためランキングに表れない「隠れ1位」となっているが、現在トップに立っている千葉ジェッツの富樫勇樹(平均6.539アシスト)の上に名前が載るのは時間の問題だ。
3Pは今季ここまで53本を沈めてきた。53試合で144本を成功させた昨季に比べると数字は落ちたものの、Bリーグ屈指の万能プレーヤーとして依然輝きを放っている。
上で紹介したアレックス・カーク(アルバルク東京)が「数字だけでは測れない凄さ」の選手であるならば、マブンガは「数字に表れる部分」で楽しませてくれる選手の筆頭だ。
636
JBLのトヨタ自動車時代から14シーズンをかけて積み上げてきた大記録に、終止符が打たれた日だった。
レバンガ北海道の桜井良太は、第20節の秋田ノーザンハピネッツ戦で出場機会がなく、連続試合出場記録が「636」でストップ。
試合後は自身への労いの言葉とともに、「次に誰かが抜いてくれることによって自分のこの記録も注目してもらえると思うので、このあたりで止まってよかったのではないかと思います」とコメントを残した。
北海道の主将を務める桜井だが、近年は故障に苦しみ出場時間が減少していた。それでも足掛け14シーズンで達成した偉業が色あせることはない。
一つの区切りが打たれた「636」。その数字が持つ重みと意味は、これからどんどん増していくはずだ。
5000
最後に紹介するのはBリーグが誇るスコアリングマシーン。第13節のレバンガ北海道戦・第1戦でシーホース三河のダバンテ・ガードナーが達成した、史上初となるB1通算5000得点だ。
新潟アルビレックスBB時代に2年連続で得点王に輝いたガードナーは、三河に移籍した今季も得点ランキングトップをキープ。新天地でも重戦車ばりの迫力でリングに迫っている。
ランキングでガードナーに肉薄している川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカスも、あとを追うように第17節の三遠ネオフェニックス戦でB1通算5000得点を達成。リーグを代表する点取り屋からは今後も目が離せない。