
Bリーグ1部(B1)は10月3日から5日にかけて各地でレギュラーシーズン第1節が行われ、西地区のファイティングイーグルス名古屋はホームの枇杷島スポーツセンターで東地区の千葉ジェッツと対戦した。
第1戦、FE名古屋は立ち上がりから持ち味の速い展開で主導権を握り、高確率の3ポイントシュートで得点を重ねる。第3クォーターまでリードを維持したものの、第4クォーターに逆転を許す展開に。それでも、残り3秒でジェレミー・ジョーンズの3Pシュートで3点差に迫ると、さらに残り0.9秒でポゼッションを獲得。しかし、最後はジャモルコ・ピケットのラストショットがリングに嫌われ、79−82で惜しくも敗れた。
翌第2戦では、立ち上がりから千葉Jの攻撃力に押され、第1クォーターを14-33と19点ビハインドで終える苦しい展開に。その後も終始千葉Jのインテンシティーの高いプレーに圧倒されると、オフェンスでは千葉Jのプレッシャーディフェンスの前に21ものターンオーバーを犯してしまう。最後までリズムをつかめなかったFE名古屋は、第2戦で76-102と完敗。ホーム開幕節を2連敗で終えた。
第2戦では、FE名古屋はピケットが13得点、ショーン・オマラが12得点10リバウンドと奮闘し、フランシス・ロペスが10得点で続いた。千葉J戦を終えたFE名古屋は11日と12日にアウェーで東地区の横浜ビー・コルセアーズと対戦する。第2戦後の記者会見では、ルーベン・ボイキンスーパーバイジングコーチ(SVC)と須藤タイレル拓が記者の質問に答えた。
ルーベン・ボイキンSVCの千葉J戦・第2戦後のコメント
ーー千葉J戦・第2戦の総括
相手の勢いを止めることができず、自分たちのペースやリズムに持ち込むことができませんでした。オフェンス・ディフェンス両面でゲームプランを遂行できなかった試合だったと思います。このチームで7月から4カ月間取り組んできましたが、ここまで何も噛み合わない試合は初めてでした。もう一度チームとして一丸になり、自分たちがやってきたことを信じて貫く必要があると痛感しました。
ディフェンス面ではボールへのプレッシャーが弱く、強度が足りない場面が多かったのも反省点です。次の横浜戦に向けて切り替えて練習をして、自分たちのスタイルや本来あるべき姿を再確認し、良い準備をして臨みたいと思います。

ーー第1戦に惜敗した後、第2戦のゲームプランはどのようなものだったか
ゲームプランは三つありました。一つ目はリバウンドです。第1戦では22本ものオフェンスリバウンドを許してしまったため、ボックスアウトを徹底することを最優先に掲げました。二つ目はファウルの管理です。第1戦では不要なファウルが多く、相手にフリースローで17点を与えてしまいました。その反省を生かし、我慢強く守ることを意識しました。三つ目は富樫勇樹選手を抑えることです。第1戦ではチームで対応しきれませんでした。素晴らしいプレーヤーで、分かっていても止めきれない部分があります。第2戦ではチーム全体で対応する意識を共有しました。
この三つを意識していましたが、結果的には渡邊雄太選手が違いになりました。第1クォーターから立て続けにビッグショットを決められ、試合の流れを完全に握られてしまいました。その勢いやインパクトが大きかったです。千葉Jは富樫選手だけを止めれば勝てるチームではないということを、改めて思い知らされた試合でした。
オフェンス面では、昨日(第1戦)も得点はとれていたので、まずペイントアタックしてからキックアウトする。こからクリーンで打てたらオープンで打つ。無理だったら誰かが空いているはずなので、エクストラパスを出すということをやりたかったです。昨日(第1戦)はペイントまで入るとシュリンク(萎縮)して、悪い言い方ですが、相手のディフェンスが崩壊しているように見える場面が何回かありました。自分たちはそのカオスなシチュエーションを作り出してから、空いた外からしっかり決める、外が警戒され始めたら空いた中からといういい流れでプレーしたかったというのがありました。
第1戦を勝ちきれなかった反省点としては、慌ててしまったり、自分たちのペースが速いからといって、「速い」と「焦る」を混同したりしてしまったというのがありました。少しスローにしないといけない時もありましたし、(ゲームクロックを把握できずに)自分たちの1ショットで終われるところを終われなかったという若さも出てしまったので、そういう意味でオーガナイズしましょう、整えましょうと言いました。
ただ、言いすぎてしまったのか、自分たちの本来の良さである速さが少しなくなってしまったので、これからは伝え方を工夫しないといけないです。速い時と時間をかけなくてはいけない時の自分たちのバランス、チームとしてより洗練された形になるための試行錯誤が必要になると教えてもらいました。
ーーターンオーバーが多くなってしまった要因について
ターンオーバーが21もあったことは間違いなく課題です。相手のヘルプディフェンスの位置は分析して共有していましたが、実際の試合で遂行しきれなかったことが大きいです。分かっていることと、プレッシャーの中で実行できることは違います。今回の試合を通して、遂行にいたるまでの実力が自分たちにはまだないということを学びました。これから練習の中でしっかり修正していきたいと思います。
須藤タイレル拓の千葉J戦・第2戦後のコメント
ーー第2戦の総括
日は厳しい結果でしたけど、その中でもみんな諦めずに頑張ってやることをやりました。うまくいかない時もありましたが、うまくいく時もあり、その全部をしっかり受け止めてみんなで最後まで頑張りました。(宇都宮)陸も怪我をしてしまいましたが、最後まで全力でやっていたと思います。全力でやっていたからこそ、厳しい連敗ですが、まだシーズン始まったばかりなので負けを受け止めて、バラバラにならずチーム一丸となって、これからの残り58試合を頑張っていきたいと思います。

ーー富樫勇樹とマッチアップしてみての印象
シュート力はもちろんですけど、すごく(バスケットボール)IQが高いと感じました。自分がついて、プレッシャーをかけて、(ボールを)持たせないディフェンスを指示されていましたが、その中で(富樫は)しっかりコミュニケーションをとって対応したり、周りがプレーしやすいような状況をつくったり、細かい部分がすごいと思いました。自分はIQというより、とりあえずやる。やって上手く行かなかったら、そこから対応すればいいと思っていて、コーチにもそう言われています。ひたすらやって、失敗から学んでもっと良くなればいいという立ち位置なので、間近でそういうプレーヤーを見て学べるのは、凄くいい機会でした。
ーー今シーズンの個人目標について
できることなら新人賞を獲りにいきたいです。でも、それよりも先にチームにとってベストなプレーヤーになれるように努力していきたいと思います。
(高久理絵)






