【バスケ日本代表】山﨑一渉「本数がまだまだ足りていない」アジアカップ代表入りに向けHCが求めるシューターを目指す

　8月5日に開幕する「FIBAアジアカップ2025」に向けて、強化試合を重ねているバスケットボール男子日本代表（FIBAランキング21位）。7月5日と6日には有明アリーナでオランダ（同54位）代表と対戦し、第1戦は70-78で敗戦、第2戦では74-53と大差で勝利し、1勝1敗で終えた。11日と13日にアウェイで行われた韓国（同53位）代表との試合は、第1戦を77-91、第2戦を64-89でそれぞれ落とし、ここまでの強化試合を1勝3敗としている。

　比江島慎や渡邊雄太、富樫勇樹など、パリ五輪時の主力選手が不参加となり、若手中心のメンバー構成となっているアカツキジャパン。韓国遠征に参加した16名の兵器員年齢は23.6歳となっており、その平均身長は196.1㎝とパリ五輪時よりも2㎝以上もアップしている。

　若くてアスレチックなメンバー構成のなかで、注目を集めているのが山﨑一渉だ。仙台大学附属明成高校を卒業後、2022年にNCAA（全米体育協会）ディビジョンⅠのラフォード大学に進学した山﨑は、2年目のシーズン直前に右膝前十字靱帯断裂、内側側副靱帯損傷、半月板損傷の大けがを負った。長いリハビリ期間を経て、大学4年生となる2025シーズンはノーザン・コロラド大学に転校しており、飛躍を目指す年となる。A代表戦初選出となったオランダとの第2戦では、3ポイントシュートを沈め、3得点1リバウンドを記録した。

　韓国との第2戦でも出場を果たすなど、次世代のウイングとして期待されている山﨑。オランダ戦第2戦後の囲み取材で報道陣の質問に答えた山﨑のコメントを紹介する。

山﨑一渉のオランダ戦後のコメント

ーA代表デビューを果たしたが、心境は

　練習でもあまり結果が出ないなかで、シュートを打ち続ける難しさも感じながらの試合だった。試合に臨むにあたって、「ディフェンス、リバウンドなど誰でもできることを頑張ろう」と入って、チャンスがあったらシュートを打つという気持ちで（臨んだ）。もう少し打ちにいきたかったですけど、一本入ってよかったです。

ー最初はいいディフェンスから入ったと思うが

　シュートが入る入らないというのを気にするんじゃなくて、ディフフェンスとかリバウンド、誰でもできることに集中したら絶対自分のプレイが出てくるからと（佐藤）久夫先生（※仙台大付属明成高時代のHC）に教わっているので、その部分でずっと苦しんでいるときに久夫先生の言葉を思い出していたという部分も結構あって、ゲームに入るにあたってそういうところを意識して入りました。

─コーナーから3Pを狙っていたが、どのような感覚だったか

　正直タッチは悪くなくて。（オランダ戦第2戦では）4本くらいしか打ってないんですけど、そこはまだ全然トムさん（ホーバスHC）のスタンダードよりは全然低いと思う。もっと打ちに、本数がまだまだ足りないなっています。

ー目標としては1試合でどれくらい意識して打つか

　ホーバスHCからは6本から8本ぐらいと言われています。

ー自らシュートを狙う時とパスをもらって打つのとではタイミングが違うと思うが、そこは調整中か

　正直言うと、まだアジャスト中というか。打ちに行くというプレーだったり、自分が打つというプレーは高校以来なので、そこが少しもっと感覚的によみがえってくればいいなと思う。日に日に少しずつよくなってきて、その中で決めていくというのは難しいですし、打ちにいくということも難しい。今はまだ調整中です。

ーインサイドのプレーだったり、体を当てるプレーだったり、アメリカでの成長を感じる部分はあるか

　ディビジョン1でプレーしているので、フィジカルの面ではそんなにやりづらさはなかったと思っています。オランダはけっこう、ドライブもシュートもあって体も強いチームなので、そこまで違和感はなかったです。

ーホーバスHCのバスケが5アウトで独特のバスケだが、そこへの適応はどうか

　大学のシューターと代表のシューターとでは全然違う。代表のシューターとして求められているものが全然違ってくるので、そこを今はアジャスト中です。

ーけがなどもあり日本で試合すること自体も久しぶりだったと思うが、そのあたりの思いは

　日本でプレーするのは本当に久しぶり。ウインターカップぶりでした。川島（悠翔）とかとも話していて、あの時（準決勝）以来というような話をしていて。それを思うといろいろあった、いろいろ苦しんだ3年間4年間だったんですけど、こうやって日本代表のユニフォームで、こうやって日本のファンの皆さんの前に戻ってこられて、正直嬉しいです。

ージェイコブス晶と嬉しそうに話していたが

　晶とはけっこう仲良くて、今回のキャンプで（ジェイコブスと）会うのが初めてなんですけど、ディベロップメントキャンプからずっとやっていて、本当にすごく仲良くなった。年下なんですけど、オンザコートでもオフザコートでも本当にやっぱり、精神的にすごい大人っていうか本当に驚くことが多いし、尊敬できるような存在でいつも自分に声をかけてくれたりとかそういう部分があるので、やっぱりすごくいい友達です。

ージェイコブスがパリ五輪に出場した時はどんなことを感じたか

　同世代で一個下でこうやってA代表で活躍しているっていうのを本当にすごいなと思いました。それにディベロップメントキャンプから始まって彼のことを知っていくうちに、人間性の部分だったり、プレーのスキルだったり、そういうところのレベルがすごい高いなというふうに思って。すごいのは分かっていたんですが、改めて一緒にやってみて彼の凄さを知りました。

ーアジアカップのメンバーが残れるという手応えは感じているか

　シュートを打ちにいけている時と打ちにいけていない時、入っている時と入っていない時とかまだすごく波がある。アシスタントコーチだったり、ホーバスHCと話して、もっともっと良いアジャストをして、ホーバスHCが求めているシューターに近づけるようにやっていきたいなと思います。