
Bリーグ1部(B1)滋賀レイクスは1日、新シーズンに向けての記者会見を行った。会見には代表取締役社長の原毅人氏、同代表取締役会長兼プレジデントオブバスケットボールオペレーションズ(PBO)の中山太氏、ゼネラルマネージャー(GM)の眞庭城聖氏、前田健滋朗ヘッドコーチらが登壇。Bリーグとして最後のシーズンとなる2025-26シーズンに向けた意気込みや、方針などについて語った。
外国籍一新 真庭GM「自らプッシュできる選手」
昨シーズンはB1最低勝率に終わり、リーグ最下位に沈んだ滋賀。前田HC体制2シーズン目となる2025-26シーズンは、勝率5割を目指すという。滋賀は2024-25シーズンから5年で優勝を目指す「LAKE UP 5 GOALS」という中期目標を打ち出しており、指揮官はその目標に向けて今シーズンを「勝負の年」を位置づける。
2026-27シーズンから開幕する新リーグ「Bプレミア」への参入が決まっている滋賀は、今季の目標である「勝率5割」実現に向けて、選手人件費を増額(新規外国籍選手の年俸は最大3.5倍、選手全体では最大2倍)し、クラブとして覚悟を持ってロスターを組んだという。
日本人選手とアジア特別枠選手は昨季から継続路線となったが、外国籍選手は昨季シーホース三河で平均12.3得点8.8リバウンドを記録したザック・オーガスト、レバンガ北海道で平均14.6得点6.6リバウンドを記録したライアン・クリーナーを獲得したほか、フランス代表でプレー経験のあるアミン・ヌアと契約するなど一新。西田陽成や長谷川比源ら有望な若手選手も揃っており、眞庭GMは「昨シーズンの悔しい経験からステップアップし、スケールアップした姿をお見せできる」と胸を張る。

外国籍選手を総入替えとしたのは、リーグ最下位と課題であったディフェンシブレーティングとディフェンシブリバウンドの改善に重きを置いた結果だという。新外国籍3選手はディフェンスやリバウンドに加えて、自らプッシュできる選手であり、シューター陣の多い滋賀にとって、速いトランジションからオープンな状況をより多くつくることができるようになると期待を込める。市岡ショーンがいることで、ヌアの3番ポジションでの起用など戦術面でも幅が広がりそうだ。アスレチックな選手が揃ったことで、ダンクやアリウープといった派手なプレーも期待でき、「チームスローガンである『GET HYPED!』を達成できる編成だと思う」と眞庭GMは自信を見せた。
前田健滋朗HC「トップのディフェンスを表現する」
「今シーズンはディフェンスを改善し、リーグの中でトップのディフェンスを表現する」と意気込む前田HC。ディフェンス面でのさらなる改善に取り組むという。勝率5割を実現するためのプランなどを語った、会見での指揮官のコメントを紹介する。
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-課題であるDFの強化をどのように行っていくのか
時期を見てどういったアプローチをしていくか考えています。今はオフシーズンというところで、個人の昨シーズン体験したこと、その悔しさから何を改善しなければいけないかをそれぞれの選手が明確に持っているので、その部分を行っています。
チームとして始動し始めたら、今シーズン進めていくディフェンスのやり方の個人の部分を向上させようと思っています。チーム全員が合流した後に、チームとしてのシステムを落とし込んでいって、しっかりと個人として、チームとしてのディフェンス力を上げていきたいと思っています。
-オフシーズンにおける個人の取り組みについて
まず、シーズン最終戦(京都ハンナリーズ戦)が終わった後に自分と選手一人一人で面談をしました。来シーズンに向けてどういう風に良くなって欲しいか、このオフの期間だからできること、吸収して欲しいことの話をしました。その後、アシスタントコーチ陣、ストレングスコーチ、トレーナーなどの協力を得て、そこをより具体的にするアプローチをしてもらっているところです。
選手それぞれがエージェントのキャンプに参加したり、海外でワークアウトをしたりといったところは、それぞれの選手が必要だと思ってやっている部分もありますし、そういったチャンスを使って成長しようという意欲かなと思っています。選手の意思の部分と、チームスタッフのアプローチ、外部の方々の協力で実現できていることが形になっているかなと思います。それをシーズンが始まった時にしっかりと生かせるか、生かしていくことが一番必要だと思います。

-昨シーズンは最下位に終わった。HCはオフをどのように過ごしたか
自分たちはシーズンが終わっても、5月はチャンピオンシップが行われており、ほとんどの試合をライブで見ることができました。レベルの高い試合を見て、クオリティの高さに刺激を受けたし、もちろんその場に皆さんと立ちたいという思いが強くなりました。
それと同時にチームのリーダーとして、どうチームを率いていくか、バスケット以外でも、いかに組織をまとめていくか、といったところをレベルアップしたいという思いがあり、具体的にどう目標設定をしていくか、そこから逆算してどう日々を過ごしていくかのインプット(勉強)をしていました。
-契約継続している選手の戦術の理解度合いは
目標に対してどれだけ達成できているかで、浸透度は測られると思っています。昨シーズン8勝、最下位、というところで考えると、もちろん「知っている」という意味では私の考えを知っていますが、私が考える勝つための方法を知らせなければいけないですし、彼らは知らなければいけないという意味では足りないと思っています。それをプレシーズンの間にしっかりと浸透させたいと思っています。
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チームは7月終盤に始動、8月中旬には外国籍選手も合流し、全員が参加する台湾遠征も予定している。昨シーズン最下位から、どこまで上がっていけるか。勝負の2シーズン目、滋賀レイクスの飛躍が楽しみだ。
(高久理絵)