
13日より都内でFIBAアジアカップ2025に向けたディベロップメントキャンプ(DC)を行っているバスケットボール男子日本代表。今回のDCでは19名が招集されており、選出されたメンバーの平均年齢は21.7歳となっている。佐土原遼(ファイティングイーグルス名古屋)や三谷桂司朗(広島ドラゴンフライズ)などBリーグで活躍している面々のほか、ジェイコブス晶(フォーダム大)や川島悠翔(シアトル大)、山ノ内勇登(オーラル・ロバーツ大)など海外でプレーする若手メンバーが多いのも特徴だ。
そんな中で注目を集めているのがテーブス流河(ボストン・カレッジ)だ。兵庫県神戸市出身のテーブスは現在21歳のポイントガード。父はWリーグ富士通レッドウェーブなどでHCを務めたBTテーブス、兄は日本代表としてパリ五輪に参加したテーブス海(アルバルク東京)だ。2023年にNCAA1部のアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)に所属するボストン・カレッジにコミットし、2024-25シーズン(1年次)には31試合中24試合に出場。平均8.5分の出場で1.6得点1.2アシストを記録するなど、充実のシーズンを過ごした。
15日に行われたメディアデーでは、練習の一部をメディアに向け公開。練習終了後に行われた取材ではテーブスが記者の質問に答え、DCについてや海外でのプレー、日本代表への思いなどを語ってくれた。
テーブス流河の公開練習後のコメント
ー1年ぶりのディベロップメントキャンプとなるが、今の感想は
去年よりは余裕を持ってできている感じだと思っているので、この1年大学でやった経験も去年のディベロップメント(キャンプ)の経験も生かして、結構簡単にプレーできている感じはする。この調子でいけばいい結果が出せるんじゃないかなと思います。
ーこの1年の大学でのプレーを振り返って
山あり谷ありで、試合に出られたり、活躍できたり、試合に1分も出ない試合もあったり。本当にいい時もあれば悪い時もあった。でも、その悪い時があったからこそ今につながっているんじゃないかなと思っているので、悪い経験をただ悪いと捉えるだけじゃなく今に生かしています。
ーアジアカップに向けての意気込みは
A代表がひとつ夢ではあるので、そこまでにたどり着けばいい感じになると思う。最終的にはロス(五輪)に出たい気持ちが強いので、あまり今を考えず一日一日大切にして成長し続けたいと思います。
ーアピールしていきたいところは
ガードとして、パスだけシュートだけとかではなく、バランスのいいPGとしてアピールしようと思っている。バランスのとれているガードというのは、自分の中では結構少ないかなと感じているので、自分がそういう感じでアピールしていけば周りから一つ飛びぬけられるんじゃないかなと思います。
ー大学がとてもレベルの高いカンファレンスだが、どんなステップアップになっているか
どのチームもACCでやっていくなかで、ドラフトかかりそうな選手がいます。その中でも自分の技術を結構生かせることができるので、ひとつ自信になりました。そういう選手と戦いながら自分を強めていくというのは本当にいい経験ですし、日本人ではできない経験なので大切にしています。

ー自身の武器となっている技術については、どの辺りが特にそう思うか
スキルですね。身体能力が飛びぬけているわけではないし、ACCになるとみんなが飛べるし速いですし。その中で自分を目立たせようと思ったらスキルなので、そこは自信をもってプレーしています。
ーオールラウンダーな選手を目指すなかで重視したい部分は
どの高いレベルであっても自分のスコアの確率とか効率性というのは成長として重視している。どのレベルでもそういったプレーをできる自信はあるんですが、例えば相手が大きくなったり、身体能力が上がった時にどれだけ効率の良いバスケットができるかというのは重視しています。
ー理想としているプレースタイルや選手は
前からコーチ陣から言われているのはスティーブ・ナッシュとか。今のNBAだとトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)とか、そういった小さいPG。ディフェンスでは結構アタックされるかもしれないですけど、そうやってオフェンスでカバーできる選手になりたいです。
ー兄(海)もバランスの良さが強みだが、代表の枠を争うなかでここは負けたくないという部分は
自分はお兄ちゃんよりはスキルがあるという自信がありますけど、お兄ちゃんはいろいろなところでバスケをした経験もあるし、体も自分よりちょっと大きいですし、IQが優れている選手だと思っている。ひとつ自信をもって言えるのは、スキルは自分が上だと思っています。
ーホーバスHCのバスケについても兄の方が先輩になるが、何か聞いたりしているか
いつもその話を聞かれるんですが、あまりバスケの話をしなくて。アメリカで挫折した時には電話したり、同じような経験をしているので、その時にはアドバイスくれたりするんですが、普通に話している時もしょうもない話しかしないです(笑)。そう言っても憧れている存在ではあります。
ー以前と比べて上半身が大きくなったようだが
12キロ増えました。向こう(アメリカの大学)からも細いって言われて、試合に出た時は相手にアタックされる。見た目が日本人ですし、特別体が強そうでもないので、結構がんばりました。
ーパリ五輪はどんな気持ちで日本代表を見ていたか
ずっと感動しながら見ていた感じです。日本のバスケがここまで成長したという気持ちと、自分もいつかこの舞台に立ちたいという気持ちと、これから頑張らないといけないという気持ちが溢れて、感動しながら見ていました。
ーいまの日本代表ではPGの層が厚いが、どういう部分で競争に勝っていきたいか
ACCとかアメリカのトップレベルでバスケットを経験している日本人のガードは少ないと思っている。河村(勇輝)選手も富永(啓生)選手もその経験をしているんですが、人一倍努力で勝ちたいという気持ちはあります。
ー白谷柱誠ジャックは今16歳だが、印象は
すごいです、本当に。自分が16歳の時とは比べものにならないんじゃないかなと。一番年下ですけど、練習を見ていてそうは思わないですし、自分が16歳の時に代表合宿に出たとしたら緊張して固くなってると思いますが、そんな雰囲気がしないので。これからが楽しみと思います。
