【Wリーグ】終盤戦に2連勝のトヨタ紡織、東藤なな子はプレミア残留に自信「チーム力は向上してきている」
トヨタ紡織サンシャインラビッツの東藤なな子©Basketball News 2for1
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 Wリーグは22日から24日にかけて各地でレギュラーシーズン(RS)の第12週が行われ、プレミア5位のトヨタ紡織サンシャインラビッツはホームの刈谷市体育館で同4位のENEOSサンフラワーズと対戦した。

 第1戦、両チームともに試合開始から2分以上得点が決まらない重い展開となる中、トヨタ紡織は河村美幸ディマロジェシカワリエビモエレが第1クォーターで2ファールを犯すなど、我慢の時間が続く。前半を30-37の7点ビハインドで折り返すと、後半はジェシカのゴール下などで徐々に差を詰め、第4Q開始早々に逆転に成功。その後は両チームが点を取り合うシーソーゲームとなったものの、終盤にフリースローを確実に沈めたトヨタ紡織が69-63で勝利した。

 翌第2戦では、第1Q終了間際に佐坂樹北村悠貴が連続で3ポイントシュートを沈めて29-19と主導権を握ると、44-36と8点リードで前半を折り返す。第3Q、オフェンスが単調になり、シュートが決まらない時間、宮崎早織のドライブやオコエ桃仁花の積極的なアタックでENEOSにリズムをつかまれ、逆転を許す。それでも第4Qには都野七海東藤なな子が要所で得点を重ね、再度リードを奪う。終盤のファールゲームも冷静に対応し、83-75で勝利。ホーム最終戦となる第12週を2連勝で終えた。

 第2戦では東藤が19得点、都野が19得点9アシスト、佐坂が13得点、ジェシカが12得点、河村が11得点を記録した。

 第12週を終えて通算9勝15敗、プレミアで5位につけているトヨタ紡織。RS終了後に8位となったチームは下部リーグであるフューチャーに自動降格、7位は入れ替え戦に進むことになり、現在7位のアイシンウィングスと1ゲーム差のトヨタ紡織は残り4試合も負けられない戦いが続く。

 ENEOSとの第2戦終了後、トヨタ紡織の都野と東藤に話を聞いた。

都野七海のENEOS戦後のコメント

-第1戦から修正した部分は

 昨日(第1戦)はENEOSさんの激しいディフェンスに受け身になってしまっていたので、前半から自分たちのリズムで(プレー)できるようにというのを、コーチや東藤選手、河村選手、北村選手らが声かけしてくれたので、そこをしっかり意識してできたと思います。

-チーム内で影響を受けている選手、参考にしている選手は?

 プレースタイルは違うのですが、25番の坂本選手はすごくアシストが上手で、いつも(練習で)ディフェンスについているのですが、「うわ、やられた」と思うことが多くて、参考にしています。チーム外のガードの選手はよく見ていて、自分に似ている選手はよく見るようにしています。河村勇輝選手も大好きです。

-武器であるフローターシュートについて

 小学校の時から、コーチやお父さんに教えてもらって打っています。習得したのは小学校の時。ずっと小さかったので。

-負けが続く時、PGとしてどうチームを引っ張るか

 競って負ける試合が多くて、メンタル的にすごくきつかったんですけど、試合に出させてもらっている分、自分ができることを最大限やろうという気持ちでいます。その中でも焦ったり迷うことが多かったんですけど、上の方たちが「もっとこうした方がいいよ」とアドバイスをくれるので、それを取り入れてやっていった結果が昨日今日の2勝に繋がったと思います。上の方たちが支えてくれるので自分は思いきってやるだけだという気持ちでやっています。

-レギュラーシーズンは残り4試合だが、チームの雰囲気は?

 雰囲気はめちゃくちゃいいです。どこにでも勝てる自信は100%あります。勝つ気でいきます。

-ファンの大声援はどう聞こえている?

 背中を押してくれる熱い声援なので、自分たちも思いきってやろうという気持ちになれるので、すごく助かっています。

インタビュー後に笑顔を見せる都野七海©Basketball News 2for1

東藤なな子のENEOS戦後のコメント

-第1戦終盤の良い流れを第2戦でも継続できた。その要因は?

 昨日の1戦目を終えて、2戦目は相手のENEOSさんもアグレッシブに、より強度を上げてくるのはわかっていたので、そこに引けを取らず、自らアタックしていく気持ちを常に持っていけました。後半戦が始まって、ホームゲームのアイシン戦の時に、最後逆転負けした経験があったので、同じようにならないようにチームで共通理解を持ってできていたと思います。

-接戦を勝ちきるのに重要なポイントは

 ルーズボール、リバウンドというのは絶対にワンプレー、ワンプレーに繋がってくると思っているので、そこに5人全員が参加できていたというのが昨日今日の勝因だったんじゃないかなと思います。

-ディフェンスに定評があるが、大きい選手にも負けないコツは

 ポジション取りは意識していて、先に相手にポジションに入られてしまうと後手になってしまうので、自分よりフィジカルや高さのある選手に対しては先手先手で、自分がペイントにまず入れさせないところから勝負しています。

-ディフェンスのお手本にしている選手は

 萌映子さん(ENEOSの長岡)は、私がアンダーの代表だった頃に、ディフェンスの参考ビデオでA代表の萌映子さんの(ディフェンス)を見ていて、それのポストディフェンスが目に焼き付いています。そのポジション取りもそうですし、トム(ホーバス)さんに東京オリンピックの時に教え込まれたというのが今に残っています。

-日本代表経験をチームにどう還元しているか

 勝てるチームの雰囲気というのも、自分が代表に行って学ばせてもらったところではあるので、練習中も試合中も常に前向きな声かけをして、なるべく良い方向にチームが向かうようにポジティブな声かけを意識してやっています。

-なかなか前向きになれない苦しい状況の時、どうやって盛り上げるか

 負けたからこそ見えてくるものもあると思うので、上手く行かないときこそ明るくというのは自分の中でモットーとしてあります。負けたからこそ経験できたよね、じゃあ、何をどうチームとして強化していこうか、と。そういうところに焦点を当ててチームに伝えていけていると思います。

-高卒2年目の若手PG、都野の評価

 めちゃめちゃ助かっているというか、「いつもありがとう!」って感じです。

-レギュラーシーズン残り4試合の戦い方

 まずこの2勝を自信にして、接戦をものにできたというチーム力は必ず向上してきていると思うので、そこを自信にしながら、それでも慢心せずに。課題はたくさんありますし、一人一人個人の課題も、チームプレーももっと極めていけるところがあるので、そういうところにフォーカスしてもっとレベル高くチーム力を上げて行けたらと思います。

笑顔でポーズを決める東藤©Basketball News 2for1

(高久理絵)

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