
Bリーグ1部(B1)は、2月1日と2日の両日、各地でレギュラーシーズンの第20節が行われ、中地区2位のアルバルク東京はホームの国立代々木競技場 第一体育館で西地区首位の琉球ゴールデンキングスと対戦した。
第1戦では、序盤からA東京が流れをつかみ、第1クォーターを22-9と琉球の得点を一桁に抑える好守を披露。その後も堅いディフェンスで琉球のオフェンスを封じ込み、87-67で快勝。第19節のレバンガ北海道戦から続く連勝を「3」に伸ばした。
翌第2戦では、スタートから琉球が強度の高い守備を見せる。A東京も第1戦同様に高い集中力を見せ、第1Qを23-23と同点で終える。しかし、第2Qに入ると、琉球のフィジカルなディフェンスに思うようにシュートを決められず、流れをつかめない時間帯が増えていく。後半に入っても琉球の勢いを止めることができず、58-83で試合終了。1勝1敗で琉球との対戦を終えた。
第2戦では、A東京は安藤周人が11得点、セバスチャン・サイズが8得点5リバウンドと続き、大倉颯太がシーズンハイタイとなる8得点に4リバウンドを記録した。
第20節を終えた時点でA東京は、通算24勝11敗。中地区3位のシーホース三河とは勝敗数は同じながら得失点差で上回っており、同地区2位を保持している。A東京は天皇杯を勝ち進んでおり、5日にはアウェイのエフピコアリーナふくやまで昨シーズン王者の広島ドラゴンフライズと対戦する。週末には第21節を東地区8位の仙台89ERSとアウェイのカメイアリーナ仙台で戦うスケジュールとなっており、タフな日程が続く。
第2戦後の記者会見では、デイニアス・アドマイティスHCと安藤、大倉が記者の質問に答えた。
デイニアス・アドマイティスHCの琉球戦後のコメント
ー琉球戦・第2戦の総括
今日(第2戦)の敗因に関しては、フィジカル面のところで戦いに圧倒的に負けてしまった。ゲームの前のミーティングで、入りのところで(琉球は)昨日(第1戦)以上にアグレッシブにプレーしてくると予想はあったんですが、我々(A東京)のオフェンスが逆に相手のディフェンスに対してボールの動きも止まってしまいましたし、選手の動きも止まって、単発なシュートがかなり目立った。まず、フィジカル面で今日の試合が決まってしまったと思います。

ーシュートを決めきれなかった原因は
オフェンスに関しては、オープンシュートもかなりあったと思いますが、それが決めきれなかったことももちろんありますし、スクリーンプレーからのワイドオープンの戦術、セットプレーからかなりオープンがあったんですが、決めきれなかったのは選手の準備、もしくは集中力が欠けたと感じています。クリエイトしてから、相手のディフェンスを割ってからオープンを作れたが、最後決めきれなかったのが最終的には(勝敗に)響いたと思います。オープンショットをいかに決めるか、そこが1つの重要点だったと思いますが、その中でも集中力とエネルギーレベル、必ず決めるぞという気持ちでも、勝らなかったと思います。
それに、我々のディフェンスがかなりソフトで、琉球さんに簡単にスコアされた。琉球さんはオフェンスでスコアしたらよりアグレッシブなディフェンスで仕掛けてくるというような形ですので、そういった気持ちを与えてしまった。そして、我々はディフェンスで相手のオフェンスを止めることができず、どんどん琉球さんのペースで試合が進んでしまった。これは昨日と真逆の結果になってしまったが、スクリーンプレーやセットプレー、全体的に我々のオフェンス内容は非常に良くなかった。その中でも、遂行力、同じプレーですので、いかに質を上げてプレーするかが重要なんですが、それもできなかったことにあります。
昨日と今日の(琉球さんの)ディフェンスは、ほぼ同じような形で守ってきたにも関わらず、点数が伸びず負けてしまった。イコール、最終的にはエネルギーレベルの差だと思います。昨日に関してはオフェンスリバウンド、琉球さんが得意とする第3Qでおそらく7本しか取られていないですし、ファーストブレイクのイージーバスケットは第3Qを通して0点で、最後に何点か取られましたけど、そこの2つの大きなポイントは抑えられたと思います。
今日に関しては、クーリー選手に早い段階で4つのオフェンスリバウンドを許し、1番響いたのがフリースロー後のオフェンスリバウンドからのプットバックもありました。逆に、我々の選手が2人いた中でも、そこをボックスアウトしきれずに、オフェンスリバウンドからのプットバックという、彼の得意とするプレーが目立ってしまいましたので、全体的に我々のディフェンスがひどかったと感じています。
ーバイウィーク明けはこの試合まではオフェンスが好調だった
シュート力を上げるという一つのテーマがありましたので、フリースローパーセンテージ、3ポイントパーセンテージをいかに向上させるかを意識して、練習のスタイルを若干変えてきました。もちろん、バイウィークで試合がなかったため、選手の体も少しフレッシュで(試合での)シュートも入ったかなと思いますが、まずそういったところで強調したところと、練習を少し変えました。
今日みたいな試合は、3ポイントの確率も24分の5と低かったですし、やはりフリースローも半分落として19分の11で、このような形でシュートが決まらないと、このような形の結果になってしまって、勝利することは難しいと感じます。
安藤周人の琉球戦後のコメント
ー琉球戦・第2戦の総括
今日の試合に関しては、うまくいくとは思っていなかったですが、相手が走りたいというのは昨日の試合が終わってからも、チームとしてもちゃんと話し合ってはいたんですけど、試合の出だしから相手に走られてしまって、相手にペースを与えてしまって、試合の出だしにコケてしまったのが、自分たちがいい流れを持ってこられなかった(要因)。
昨日はそこまで許していなかった3ポイントのチャンスもそうですし、リバウンドのところ、ジャック・クーリー選手のところをもちょっと抑えなきゃいけなかったですし、そこをビッグマンだけに頼るんじゃなくて、ウィング陣ももうちょっと手助けできていれば、試合展開も変わってきたと思います。特に後半に関しては、自分たちが自滅して、流れを断ち切ってしまっていたと思うので、そこは反省して、天皇杯がすぐあるので、そこに向けて修正したいなと思います。

ー連敗が続いていた時期と比べての現状
(今日の第2戦)が悪いとは思わなかったし、言ってしまえばあの連敗の時のほうがもっとチームとして酷かったと思うし、今は負けた理由が明確化されていると思う。特に、今日に関しては昨日できていたことが今日全くできなかったというのが原因だと思うので、連敗の時期に比べるとチームとしてもいいと思いますし、新加入したアレックス(マーフィー)もすぐ体張ってくれていますし、合流して間もない中でも自分のできること全部やってくれています。逆に、僕たちが彼をサポートしないといけないですし、彼が入ることによって、違うバスケットが生まれると思う。グダ(グタイティス)が戻ってくるまでの間かもしれないですけど、チームとしてはいい方向に向いているなと思います。
(5連敗の時期は)言い訳にはしたくないけれど、(テーブス)海がいないバスケットっていうのを分からない、何をしたらいいんだろうというのが、あの5連敗では特にあった。普段25分という海のプレーというのは、彼のアシスト、プラスマイナス10と考えなきゃいけない部分もありましたし、やっぱりそこで、自分たちが何をしないといけないのかというのを明確化できていなかった。いかに海の存在が大きかったかというのを、あの5連敗でみんな痛感していたと思う。それに比べると今は、負けても負けた理由もはっきりしているし、自分たちでちゃんとやれば勝てる試合だったのを、自分たちのせいで負けたというのはもうはっきりしているので、そこはプラスに捉えていいのかなと思います。
ーチームの一体感
あの5連敗があってからそういったハドルを組む回数を増やしたと思いますし、自分も積極的に、何かあったらチームメイトを集めるということをしています。ひとつハドルを組むことによって相手の流れを切ったりもある。今日は特にひとりひとりが審判と話したり、ひとりがどこか行ってしまったりというシーンがたくさんあったので、そこはもうちょっとまとめないといけないと思いました。チームとして戦わないといけない、フロアの5人で戦わないといけなかったけど、ひとりひとりのベクトルがあっちこっちに向いてしまっていた。今日はもうちょっと自分自身もチームをまとめないといけなかったかなと思います。
ー天皇杯、次節へ向けて
天皇杯とリーグ戦が別物といっていいのか分からないですが、最後のコーチのミーティングも、今日から休んで、水曜日に向けてしっかり準備をしないといけないと言っていた。今日は今日で反省しないといけない。次の広島とはリーグ戦では2連勝したけれど、あの時と今の広島は違うと思うので、リーグ戦で勝った2勝というのはしっかりと忘れて、また新たに戦うという気持ちで戦わないと勝てないと思う。水曜日に向けてしっかり休んで、準備したいと思います。
大倉颯太の琉球戦後のコメント
ー攻めあぐねる場面も見られたが、自身のパフォーマンスの評価は
オフェンスのところで、シュートが入らないときにファウルをもらえなくて、相手にオフェンスなどでやりたいことをやられてしまった。そういったところで、我慢できなかったり、ふわふわして準備してしまったり、ストレスがたまったりというところがあった。終わってからこうすれば良かったというのはアレなんですが、ああいった場面でしっかりファウルをもらったりとか、うまくファウルを使って相手のリズムを止めるとか、そういったことが必要になってくるし、毎回そこでやられてしまっているので、危機感を持ってやっていきたいと思います。

ー天皇杯以降の後半戦への意気込み
天皇杯は全くリーグ(戦)とは別の試合になるので、広島は本当にいいチームですし、気の抜けない相手になりますし、今日みたいな試合したら負けますし、昨日みたいな試合をしたら勝つって分かりきっているので、うまくいかない時間帯があっても、それをなるべく少なくできるように、まずは天皇杯(勝ちを)絶対取りたいなと思います。
バイウィークが明けてから、CSに向けてチームとしてステップアップしないといけない大いな時期ですし、勝敗としてもCSに響いてくるところなので、もう一段階ステップアップしていきたいと思います。
(金野恵理)