8戦7勝の広島ドラゴンフライズがA東京に勝利 好調の要因はフィジカルとチーム力
3日、アルバルク東京に勝利した広島ドラゴンフライズ©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は11月30日から12月3日にかけて各地でレギュラーシーズンの第9節が行われ、広島ドラゴンフライズはアウェイのアリーナ立川立飛でアルバルク東京と対戦。2日に行われた第1戦は75-88で敗戦となったものの、3日に行われた第2戦は76-61で勝利。広島はリーグ首位の成績を残していたA東京の連勝を11で止め、西地区4位に浮上した。

河田チリジ先発起用でA東京のインサイドに対抗

 第1戦では1Qで12-31と大きくリードを許すと、そのままA東京の勢いに押し切られ一度もリードを奪えないまま13点差での敗北となった。

 必勝を期した第2戦。A東京に良い試合に入り方をさせたくない広島は今シーズン初めてスタメンに河田チリジを起用。その起用が見事に的中し、フィジカルなディフェンスでA東京に流れを掴ませず、1Qを19-20と互角の展開に持ち込む。オフェンス面では寺嶋良が1Qだけで8得点(4/4、成功率100%)と躍動し、広島ペースで試合を進めることに成功した。

 寺嶋は1Qの活躍について「チームを安心させたかった。入りのところで点が止まってしまうと、不安になってしまったり、チームの雰囲気も悪くなるので、しっかりと点をとって1Qをイーブンで折り返したかった。そしたら自信がついて2Q、3Qで点が広げられると思った」と振り返った。

1Qからチームの流れを作った寺嶋良©Basketball News 2for1

 また、A東京のデイニアス・アドマイティスHC「第1Qの出だしが全てだったと感じている」と語ったように、1Qでの入りを第2戦で修正をすることができた広島がゲームの流れを掴むことに成功した。

 2Qではニック・メイヨのファールトラブルやドウェイン・エバンスの負傷も響き、一時A東京に逆転を許したものの、3Qにエバンスのバスケットカウントワンスロー、アイザイア・マーフィーとメイヨの3Pなどで10-0のランを仕掛けることに成功し、54-48と6点リードで最終クォーターを迎える。4Qは一時点差を詰められたものの、残り1分57秒にエバンスがリードを12点に広げる値千金の3Pを決め、勝負を決めた。

 2Qに怪我でベンチに下がったものの、後半勝利に大きく貢献したエバンスについて、カイル・ミリングHC「エバンスは戦士なので、もしかしたら傷ついた方が力が上がるんじゃないかなと思います(笑)」と冗談を話しつつ、「彼は本当にファイターなので最後まで戦ってくれて、本当に勝者だったと思います」と活躍を評価した。

好守でチームを導いたドウェイン・エバンス(右)©Basketball News 2for1

層の厚さが武器に 寺島「崩れにくくなっている」

 フィジカルなディフェンスでA東京をシーズン最小の61得点に抑えた広島。開幕から2勝6敗とスローなスタートになったものの、A東京からの勝利を含め直近8試合で7勝と勢いに乗っている。

 チームが好調な理由について寺嶋は「全員が役割を徹底していることで、崩れにくくなっている。ベンチメンバーが出た時に点が止まるとかが一切なく、誰が出ても点を取れて守ることができている事で勝ちに繋がっている」と語る。

 3日のA東京戦では9選手が14分以上出場しており、4選手が二桁得点を記録。一番出場時間が長かったエバンスでも30分11秒に抑えられているなど、タイムシェアもしっかりと行なわれており、コートにいる選手のプレーの強度もハイレベルに保たれている。

 A東京のような強豪チームに勝利を重ねるには「40分間やり切らないと勝てない」とミリングHCも語っているように、スタメンだけではなくベンチメンバーの活躍も光る。第2戦では12点差で迎えた最終ポゼッションの前にタイムアウトをコールし、3Pをクリエイトすることで2日間の対戦でA東京に対して得失点差で上回るなど、激しい西地区の中でのCS争いを勝ち抜くために細部までこだわる姿勢を見せた。

©Basketball News 2for1

勝負の12月 西地区上位進出目指す

 12月は三遠ネオフェニックス、琉球ゴールデンキングス、大阪エヴェッサ、シーホース三河、長崎ヴェルカなど強豪との対戦が続く。現在9勝7敗で4位の風呂島を含め、西地区は7チームが勝率5割以上を記録するなど、かつてない混戦模様となっている。タフなスケジュールの中で、好調を維持しながらチームとして成長し、西地区上位に浮上できるか。バイウィーク明けに素晴らしいスタートを切った広島が、勝負の師走を駆け抜ける。

(田中 隼翔)

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