
日本代表戦による約2週間の休止期間を終え、28日からレギュラーシーズンが再開するBリーグ1部(B1)。名古屋ダイヤモンドドルフィンズはここまで37試合を終え、20勝17敗で中地区5位につけている。
今シーズンは選手の入れ替わりもあり、序盤こそ波に乗り切れない時期もあった名古屋Dだったが、少しずつチームケミストリーも構築されてきている印象だ。チャンピオンシップ(CS)進出圏内となる地区2位のアルバルク東京とは6ゲーム差、ワイルドカード2位の千葉ジェッツとは4ゲーム差とするなど、CS進出に向けて着実に調子を上げてきている。
そんなチームの中で、闘志を燃やしているのが坂本聖芽だ。東海大学3年生時に特別指定選手として名古屋Dに加入し、ショーン・デニスHCのもとでプレーして4シーズン目となる。生え抜き選手としてチームを支える坂本に、チームの現状や優勝への思い、同じ年齢で同じポジションとしてしのぎを削る加藤嵩都についてなどを聞いた。
司令塔として意識する「コミュニケーション」
-今シーズンのこれまでを振り返って自身の評価は
正直、難しいところでもありますけど、その中でも自分のやるべきこと、コーチが求めていることを(出場している)時間帯にどれだけ試合に出せるかというのも自分の中にあるので、それはもうやるだけです。
プレータイムどうこうは調節できないというか、僕がどうこうできる問題ではないので、チャンスをいかにどう自分のものにするかというところでいつもプレーしています。
ーショーン・デニスHCから求められているチームでの役割は
一番はディフェンスのところで、自分が出た時はよりアグレッシブにディフェンスしないといけないですし、オフェンス面では自分が人とボールを動かして「チーム全員でいいシュートを作る」ということは僕が求められていることで、その2つを意識しています。
昨シーズンと大きく変わった役割はないですけど、でも新加入選手も入ってきたんで、よりコミュニケーションではHCからも(齋藤)拓実さんもそうですけど、積極的に取っていこうっていう話はしていました。

−練習を見ていて、かなり頻繁にハドル組んでいた。意識的にハドルを組んでいる?
意識的というか、時間があればというか、一瞬でもいいからハドルして、次何しなきゃいけないとか、何が必要だというのを共通認識を持ってやることが重要だと思っているので。「隙あらばハドル」という感じです。(他の選手を)呼んだりもしますし、呼ばれたりとか。でもガードとして呼ぶというか、自分から声かけるっていうことがガードとして必要なので、そこは意識的にしています。
−ハドルの時は英語で話すこともある?
例えば、リバウンドがちょっと負けていたりとかしてるときは「Everybody rebound」みたいな、「みんなでリバウンド行こうよ」とか。また泰斗さんもすごい英語できるのでアイザイアも日本語をある程度理解しているので、そこは自分も伝わるように伝えていますし、(英語でも)伝わっていると思います。
同級生・加藤嵩都と切磋琢磨「一緒に成長できれば」
−現状の順位と当初の予想とはズレはあるか
正直、想定外でした。もう少し上だと思っていた。(選手同士)噛み合わせるのが時間かかった印象で、昨シーズンは(一昨年のシーズンから)さほど変わらずのチームだったんですけど、今シーズンはガラッと変わって。外国籍も変わりましたし、日本人選手の入れ替わりもあったので、システムをいかに落とし込めるかというところが中盤でやっと噛み合ったなという(印象)。前半戦がもったいないなという感じです。
―同じポイントガードの加藤嵩都の評価は
彼はアグレッシブな選手。スピードもありますし、3ポイントシュートも上手ですし、マッチアップして本当にやりづらいというか、速いですし、そういうところは彼の強みだと思います。自分のいい練習にもなりますし、なおかつ同じ立場というか同じポジションで同級生というところで、今までドルフィンズ内にはなかった、自分と歳が近い選手で毎日が楽しいです。彼と一緒に成長できればなという思いで毎日過ごしています。
−加藤より自分はここが勝っているという部分は
そこはやっぱりディフェンスは自信を持って(勝っていると)いえると思います。
−同じ質問で加藤は「判断力」を挙げていた
判断力。その辺はショーンHCとももう長くやっているので、逆にそこはちゃんとやらないとだめだなというところはあります。こんなに長くやって、まだそこのレベルなのって言われると意味がないなと。
−コートインする時に考えていることは
出る前はP Gとして何が効いているとか、どのプレーが上手くいっているとか意識しています。ディフェンスではインテンシティだったり、エナジーとかチームが足りていない部分を自分が出て補えるようなプレーを意識しています。
−終盤戦に向けて、チームとしても個人としても必要なことは
チームとしてはずっと言われている部分があるんですけど、一貫性の部分。自分たちがいかに自分たちらしくやれるかどうか。それを1クォーター2クォーターだけじゃなくて、40分試合を通して自分たちのやりたいことをできればどのチームにも勝てる。その自信は今までの試合で証明しているので、いかにチーム全体としてできるかというところが鍵になると思います。
個人としては、自分の役割、やることやるべきことをしっかりやることができればおのずとチームも気持ちよくプレーできると思いますし、いい流れに繋がってくると思う。そこを個人として意識してやっていきたいと思います。

(榊原かよこ)