秋田ノーザンハピネッツ田口成浩が前半戦を総括 CS進出へ改善点は「得点力」
秋田ノーザンハピネッツの田口成浩©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は4日と5日の両日、各地でレギュラーシーズン第16節が開催され、東地区の秋田ノーザンハピネッツはアウェイで西地区・広島ドラゴンフライズと対戦。第1戦では72-74と接戦を落としたが、第2戦を69-60で勝利し、1勝1敗で同節を終えた。

 第2戦は第1戦と同様に拮抗した展開で進み、前半を33-33の同点で折り返す。第3クォーター、田口成浩やタナー・ライスナークリスチャン・メコウルの連続得点で広島を引き離すと、その後も主導権を握り続け、勝利を手にした。第16節を終えて、秋田は14勝14敗の勝率5割としており、東地区の4位をキープしている。

 秋田は第2戦でヤニス・モランが14得点13リバウンドのダブルダブル、メコウルが14得点、田口が12得点、ライスナーが10得点と4選手が2桁得点を記録。広島はケリー・ブラックシアー・ジュニアが17得点を記録した。

 試合後の記者会見では、前田顕蔵HCと田口が記者の質問に答えた。

前田顕蔵HCの広島戦後のコメント

-広島戦の総括

 選手たちが第1戦よりもゲームのポイントをしっかりと理解して、(ディフェンスでは)遂行力高く守ってくれたなと思います。1クォーターは少しミスがあって、アウトサイドを軽く決められたシチュエーションがあったんですけど、ハーフタイムでしっかり修正できて、ファールトラブルだったり、広島さんのビッグラインナップだったりに対して難しい状況の中、全員でしっかり繋いで、勝てたことを非常に嬉しく思います。

-同一カードで連勝するために必要なことは

 昨日(第1戦)も失点自体は少なかったんですけどだけど、ミスの質っていう部分で、自分たちのコンセプトの部分を表現できなかった部分がやっぱりあって、そこを今日(第2戦)はしっかり徹底してくれたっていうところの差だと思う。そういう意味では、毎ゲームいろんなゲームプランはあるんですけど、自分たちのベースをしっかりぶれずに体現できるかどうかというのが大事かなと。

 あとはフリースローがよく落ちます。なので、今日は最後ヤ二スが決めてくれて嬉しかったんですけど、僕たちはなかなか今、点が伸び悩んでいる。先週(大阪エヴェッサ戦)は両試合で80点を超えられたんですけど、フリースローも非常に大事だと思いますし、ディフェンスから走るっていうシンプルなことをしっかり徹底できるようにすることが大事なのかなと思います。

記者の質問に答える前田顕蔵HC©Basketball News 2for1

-シーズンの後半戦に向けて

 ムラをなくしていくっていうのがまず一つですね。毎試合自分たちのディフェンスっていう部分を、表現しながら弱い部分を出さない。それはオフェンスでもディフェンスでもそうなんでけど、そこが一番大きいのかなと思います。あとはどうやって得点を取れるか。僕たちは今、平均失点が72点ぐらいなので、オフェンスも(平均得点が)72点ぐらいあるので、より選手の良さを引き出しながら得点を重ねていくっていうところが、後半戦大事になるだろうなと。(後半戦のカギは)得点力です。

-目標でもあるチャンピオンシップに進出するために必要なことは

 「どんな状況でも勝ち切る」っていうことが大事だと思っています。連勝が本当難しいリーグ。今シーズン特に非常に難しい中で、(東地区で)僕たちの上に群馬、千葉、宇都宮。やっぱり強いチーム連勝をしていくので、どんどん離されてしまう。自分たちが接戦をものにしていかないといけないっていうのは絶対なんですけど、とにかく勝っていくしかないっていう部分かなと。

 僕らは4試合宇都宮さんと残っていますし、千葉ジェッツさんと2試合、群馬さんとも3試合(残っている)。非常に後半戦は重要な試合が増えていくので、そこでどれだけ連勝できるか。上のチームにどれだけ勝てるかの勝負になるのかなと思っています。当たり前ですけど、僕たちの自分たちの色を出せている試合、「ディフェンスから」という部分は僕たちにしかできない部分だと思っているので、そこをしっかりやりながら、秋田らしい粘り強い、いいバスケットを表現していくのが大事かなと思います。

田口成浩の広島戦後のコメント

-接戦を勝ち切るために必要なことは

 ディフェンスをして、ディフェンスリバウンドを取る。(ディフェンスリバウンドを)取るには、相手を入ってくるものに対して、入らせないようにボックスアウトする。まず、ここまでがディフェンス。大事。それをやった上で、オフェンスは同じ方向を見るために、僕だったら何か(プレーを)コールして、みんなが同じことを思いながらオフェンスするっていうことが接戦のときが一番大事ですね。ノーマークのときは思いっきりシュートを打つことが僕はすごく大事かなと思います。

 第1戦、出だしから2クォーター、3クォーターで(できていない部分が)たくさんあるんですよ。バスケットは流れのスポーツですので、いかにこのだめな時間を作らないかということが一番鍵になる。常に一つのプレーに命をかけるとか心を込めてやらないと、終盤に「あれもったいなかったよな」って言ったら、もう遅いじゃないですか。やっぱり第1戦は2クォーターの連続9失点やられたシーンが本当にくだらないミスの失点だったので、それが本当に尾を引いたというか、最後まで厳しい展開になった原因だったと思う。そこがすごく悔しかったですね。

-同一カードで連勝するために必要なことは

 僕らもそうですけど、「絶対に負けない」「絶対に連敗しない」という気持ちで行くじゃないですか。勝ったチームって。「勝ったら明日も行くだろう」みたいな空気になっちゃうところもある。連勝したいチームが、「絶対に負けられない」という気持ちで来るチームには、それをさらに(気持ちで)上回らないと勝ち切ることができない。フィジカルの差が出てくると思いますので、今日も僕たちの方がフィジカルにやれたところがあったと思うので、どのチームもそうですけど、それができるチームが連勝できるのかなと思います。

記者の質問に答える田口©Basketball News 2for1

-シーズンの約半分、28試合終えてみての評価や修正点は

 (シーズンの)前半、失点をこれだけ抑えることができているというのはディフェンスのマインドがすごく良かったのかなと思っている。いま勝率5割ですけど、もったいない負けというのは何個もあったので、その(ディフェンスの)貯金がある中で今を迎えることができたのかなとはすごく思います。オフェンスの面だったりとか、もったいないことがすごくありすぎるので、そこはやっぱり次節30試合を終わった後に「もったいなかったな」って言わないように、今できることをしっかりするということを心がけないと、この先タフな試合になったときに勝ちきれないと思います。前半の課題は明確になっていますので、そこは後半戦に向けてやっていきたいと思います。

 課題はオフェンス力、得点力っていうのが最下位かな。24チーム中最下位なんですよね。2ポイントの確率、フリースローも確率もそうですけど、オフェンス面でもっと点数を取れないと勝てないと思います。(後半戦は)オフェンスを改善していきたいと思います。

-CSに出るために必要なことは

 自己犠牲心。自己犠牲してでもチームとして勝ちたい、自分がやりたいことじゃなくてチームに求められてることを、何をしなきゃいけないかというところを1人1人が考えれば、必ず強くなると思う。やっぱりまだまだ若い選手は、自分がやりたいことがファーストなんですよ。(試合は)審判がいて相手がいてっていう中でやらなきゃいけないので、そこでメンタルをコントロールしながらチームのためにどうやって動くかというところはすごく大事。1人が離れてしまったらチームになれないので。

 いかにチームというものがあって、それをみんなで支えていくっていう気持ちがないと、ちょっとそこは難しいシチュエーションなっていくのかなと。僕はチームのために何をしなきゃいけないかということを1人1人が考えれば、必ず強くなると思う。そこを強化していきたいですね。そういうチームになっていきたいです。勝つことがどれだけ難しいか僕は知っていますので、僕も(周りに)伝えながら。難しいですよ。今日勝つのも大変でしたし、1勝するのって本当に大変なんですよ。1勝の重み、1点の重み。そういったところを伝えていきたいですね。

(インタビュー=榊原かよこ)

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