
Bリーグ1部(B1)は5日と6日の両日、各地でレギュラーシーズンの第29節が行われ、中地区2位のアルバルク東京は東地区3位の千葉ジェッツと国立代々木競技場第一体育館で対戦した。
第1戦では、第1クォーター序盤からA東京がペースをつかみ、8−0のランで千葉Jを引き離しにかかる。その後もリードを保ちながら58−44と14点リードで第3Qに入ったが、そこからギアを上げた千葉Jに追い上げられ、一時逆転を許す。それでも高い集中力を見せたA東京はスティーブ・ザックの得点で再び逆転すると、最後は86−81で勝利した。
6日の第2戦では、序盤から一進一退の展開が続き、41−39とわずかにリードを得て後半へつないでいく。第3Qに入ると千葉が外から得点を重ねるなど主導権を握られる時間帯もあったものの、安藤周人と小酒部泰暉の連続3ポイントシュートで再びリズムをつかむ。終盤は強度の高いディフェンスで締めくくり、75−72で勝利。千葉Jとの接戦を制し、ホーム3連勝とした。
第2戦ではセバスチャン・サイズが18得点10リバウンド、ライアン・ロシターが12得点12リバウンドとインサイドの両翼がダブルダブルを達成。小酒部が3P3本を含む14得点、安藤が3P3本を含む11得点と、チームに勢いをもたらした2選手も二桁得点を記録した。
A東京は第29節を終えて、通算36勝13敗で中地区2位に位置している。同地区首位の三遠ネオフェニックスと4ゲーム差まで詰めており、同3位のシーホース三河には4ゲーム差をつけている。次節は9日(水)に三遠とアウェイで対戦し、12日と13日に再びホームで西地区3位の大阪エヴェッサと対戦する。
試合後の記者会見では、デイニアス・アドマイティスHCとロシター、大倉颯太が記者の質問に答えた。
デイニアス・アドマイティスHCの千葉J戦後のコメント
ー千葉J戦・第2戦の総括
今日(第2戦)のゲームは選手全員のエフォート(努力)が光ったと思います。選手全員が一人一人いい仕事をして、役割をしっかりと果たしてくれました。内容的にはミスも少なく、引き締まった試合内容でしたし、オフェンスでもしっかり我々(A東京)の狙いどころをしっかりと遂行できました。特にセバスチャン・サイズは、残り1分の勝負どころ、第4Qのところで一つのディフレクション、一つのリバウンド、これでしっかり我々の勝利につないでくれました。非常にタフな試合でしたが、このような形で勝利することができて気持ちがいいです。

ーメインデルの不在がインサイドで不利に働くと思っていたが、サイズや他選手のアジャストはどうだったか
昨日(第1戦)の方が、我々のセンター陣のパフォーマンスが良かったと感じています。もっと積極的にインサイドで得点したり、ディフェンス面でももっと表現してもらいたいと思っています。今日の試合に関しては、アウトサイド、ペリメーターに少し頼りすぎた時間帯もあったので、ここはしっかりとアドバンテージを突きながら狙いどころを絞っていきたいと思います。第3Qのところ、後半の入りは状況判断に欠けてしまった時間帯があったので、そこは今後、なるべく安定させて、プレイヤーにつなげていってほしいと思います。
ライアン・ロシターの千葉J戦後のコメント
ー試合前にチームでどんな話をしたか
千葉Jさんは強豪のチームで、昨日今日と1万人近いファンの皆さんが会場に訪れてくれました。1万人の前でプレーすることはワクワクしますし、エキサイティングな気持ちにならないわけがありません。アドマイティスHCからも、昨日も今日も「どれだけこの二戦が大事か」ということをリマインドしてくれました。しっかりと勝利で応えられて良かったです。

ーハドルを組むことでチームとして得られていることは
デッドボールの時はしっかりとハドルを組むようにしています。もちろんディフェンスのカバレッジ(守り方)とかも変わってくるので、そういった確認をすることと、気合を入れること。もう一度、一枚岩となって五人で常に同じ方向を向くようなかたちでハドルを組み、話をしています。
ー強豪との接戦勝ちきった経験を次節以降どう生かしていきたいか
一つ一つステップアップして積み重ねていくことが必要です。優勝すること、最終的にチャンピオンシップで優勝するチームになるには、2つ勝たなければいけない状況が生まれます。昨日勝ったからと満足するのではなくて、今日も必ず勝つというマインドセットを習慣づけて今後も戦っていきたいと思います。
ー応援してくれるファンの声援について
そうですね。特にアウェイなんですけれども、足を運んでくださる方、画面越しで応援してくださるファンの声援は非常に力になっています。ファンの皆さんに、いいプレーをどんどん見せて必ず勝ちにつなげていきたいという気持ちがあります。ホームでもアウェイでも、いつもいつも皆さんに感謝しています。
大倉颯太の千葉J戦後のコメント
ー千葉J戦・第2戦の総括
結構千葉ペースというか、僕らも乗りきれずに相手にやりたいことをやられていた時間帯がありました。その時に、特に3ピリ我慢できなかったというところで僕たちの弱さが出たんじゃないかなと思うんですが、4ピリで巻き返したところは良かったと思います。でも、勝つためにこの3ピリをなくさないといけないとずっと話していたんですが、結果これなので。そこは僕たちが反省して変えていかなければいけないと思います。

ー古巣相手にやりづらさ、難しい点はあったか
ディー・ジェイ(ホグ)選手やクリス(クリストファー・スミス)選手がああいうタフな状況で得点を取れる選手で、取られたところは苦しい時間帯でしたけど、取れる選手というのは分かっていました。どうやって相手がやりにくいシチュエーションに持っていくかという勝負だったので、それがチームとして我慢できている時間帯は相手にやりづらさを与えていたかなと思います。
ー課題を次節以降どう生かしていくか
僕の中でやらなければいけないこと、与えられた仕事というのは決まっていて、それができない試合があったとしても、次もそれをやるだけです。もちろん反省はしますけど、次の試合、次の試合でやることが決まっているので、そこに向けて前を向いてやるだけだと思っています。
ー千葉Jにいた時も優勝争いなど経験してきたが、終盤戦に向けてどうエナジーを出していきたいか
僕らの中にある戦術をもとにゲームを運ぶ中で、それ以外のところで戦わなければいけないところがある。チームのルールをはみ出してでもやらなければいけないこと、助けることだったり、思いっきりシュートに行くことだったり色々ありますが、そういうところがCSで大事になってくる。Xファクターが生まれてくることが勝つ秘訣だと思うので、チームとしてやるべきことはもちろんやるんですが、その中で強い気持ちを持った選手がどんどん出てこないと勝負に勝てないと思う。僕がその一人になれるように頑張っていきたいなと思います。

(金野恵理)