2022年を3連勝で締めくくった大阪エヴェッサ 激戦西地区で台風の目となれるか
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 Bリーグ1部は12月30日から1月2日かけて各地で第15節が行われ、大阪エヴェッサはアウェーで新潟アルビレックスBBと対戦。30日に行われた第1戦を81-77、大晦日に行われた第2戦を86-75でそれぞれ勝利し、12月2度目の3連勝を達成。28日に行われた琉球ゴールデンキングス戦を含め、4日間で3試合をこなすタフなスケジュールを無敗で乗り切り、12月を7勝5敗と勝ち越しで終えた。

フィッシャーHC就任でディフェンス向上 12月は7勝5敗

 今季から指揮官が代わり、マティアス・フィッシャーヘッドコーチ(HC)が指揮を執ることになった大阪。昨季まで西宮ストークスを率い、チームをプレーオフに導いたフィッシャーHCの改革により、昨季は82.7だった大阪の平均失点(リ―グ15位)は今季26試合を終えて76.3(リーグ9位)まで改善。12月も3連敗を喫したファイティングイーグルス名古屋との第2戦と横浜ビー・コルセアーズとの2連戦以外は全試合で失点を78点以下に抑えるなど、安定した守備力を武器に戦えるチームに変貌しつつある。

 12月28日の琉球戦。西地区首位で平均81.5得点(リーグ7位)と破壊力のある相手を62点に抑え、ホームで勢いに乗る白星をつかみ取った大阪。フィッシャーHCは試合後、「選手たちがしっかりと準備ができている状態で素晴らしいディフェンスをしてくれた。琉球を相手に62点しか許していないのは本当に素晴らしいことだと思う。ゲームプランもいいものを準備していた」と価値ある1勝を喜んだ。

今季から指揮を執る大阪エヴェッサのマティアス・フィッシャーHC©Basketball News 2for1

 インサイドに強力なビッグマンを揃える琉球に対する打開策は、ローポストからの得点を抑えることだったという。

 「(琉球は)フィジカルがかなり強いチームだということは元々わかっていた。その力強さに負けてしまうと、戦略の前に負けてしまうと思ったので、戦略どうこうよりも先にうちも力強くプレーするんだということを選手にはかなり前から言っていた。ダブルチームに行くとその後のローテーションがかなり大事になるので、そこはローテーションできるように練習して準備していた。もちろん速い展開でバスケットができたらより簡単に勝つことができるよという話もしていた」とフィッシャーHC。ディフェンス面での周到な準備が功を奏し、琉球の大黒柱であるジャック・クーリーとアレン・ダーラムをそれぞれ12得点と13得点に抑えることに成功したのだった。

琉球のインサイド陣を抑え、ホームで勝利をつかみ取った©Basketball News 2for1

12月は平均20.4得点 エースのディージェイ・ニュービルが復調

 もう一つ、フィッシャーHCが言及した琉球戦の勝利のポイントがディージェイ・ニュービルの存在だった。

 「ディージェイ・ニュービルが良いプレーをしてくれたと思います。スリーポイントも(成功率が)60%を超えていて、本当に素晴らしい選手だと思う」と27得点6リバウンド9アシストの活躍を見せたエースを称賛した。

 Bリーグでも屈指のスコアラーとして知られるニュービルだが、昨季の平均23.5得点に比べ、今季はここまで平均17.5得点と少々おとなしい印象も受ける。実際、10月と11月の14試合では3ポイントショットのタッチに苦しみ、平均14.9得点と精彩を欠いていた。だが、12月に入ると徐々に調子を取り戻し、全試合で2桁得点を記録。平均20.4得点、3ポイント成功率43.1%とコンディションは上がってきている。

シュートタッチが戻ってきているディージェイ・ニュービル©Basketball News 2for1

 エースの活躍に呼応するかのように、チームの調子も上向いてきている大阪。昨季はケガで出場できなかった橋本拓哉や出場数が少なかった合田怜ら主力選手も今季はコンスタントにプレーできており、チームへの貢献度も日を追うごとに増してきている。

 「毎日うまくなることが自分たちの目標。しっかりとお互いをどういうふうに生かすことができるのかということは現時点でもかなり分かってきている。これからもっともっと理解し合って、よりお互いが快適なバスケットができるように練習を続けていきたい」とニュービルは今後を見据える。

 「シーズンの中盤近くになってきましたが、毎日毎日お互いを知っていって、よりいいチームになっていくことが目標です」

 2022年を3連勝で締めくくり、勝率も12勝14敗と借金返済まであと一歩に迫っている大阪。2023年は、1月7日と8日にホームにレバンガ北海道を迎える試合からスタートとなる。まずはホームできっちりと勝ち星を重ね、強豪チームがそろう西地区で上位進出を果たすことができるか。大阪の逆襲は、ここから始まる。

(田名さくら)

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