
Bリーグ2部(B2)は14日から18日にかけて各地でレギュラーシーズンの第22節が行われ、東地区・信州ブレイブウォリアーズはホームのホワイトリングで同地区の山形ワイヴァンズと対戦。第1戦を90-80、第2戦を89-83で勝利し、ホームを守り抜いた。
平日月曜日夜と火曜日昼に開催される珍しいスケジュールとなったが、火曜日の第2戦では「KIDS DREAM DAY」と題し、長野市内の小中学生5,000人を無料招待。13時5分ティップオフの試合ながら5,533人の観客がアリーナに集い、熱戦を楽しんだ。
第22節を終えてB2はレギュラーシーズン41試合を消化し、信州は28勝13敗。直近10戦で8勝と調子を上げている信州は、東地区では首位・アルティーリ千葉(39勝2敗)に次ぐ2位につけており、プレーオフ出場圏内をキープしている。
ビュフォードと栗原が復帰 勝久HC「我々のバスケットに近づいていけるように」
山形との連戦ではケガで欠場となっていたペリン・ビュフォードと栗原ルイスがロスターに復帰。エリエット・ドンリーは体調不良のため、渡邉飛勇は「FIBAアジアカップ2025 ウィンドウ3」に向けた日本代表合宿に参加中のため不在だったものの、12月1月と欠場者が多かった信州も徐々に主力選手がそろう試合が増えてきていた。
17、18日の両日とも接戦をものにする展開となったが、復帰したビュフォードや栗原が連日ともに高いパフォーマンスを披露した。第1戦ではビュフォードが25分34秒の出場で19得点10リバウンド、栗原が24分37秒の出場で3ポイントシュート4本を含む16得点を記録。翌第2戦ではビュフォードが33分21秒の出場で21得点10リバウンド8アシスト、栗原が27分20秒の出場で3P5本を含む15得点を記録し、連勝に大きく貢献した。
また、生原秀将も前節の鹿児島レブナイズ戦からロスターに復帰しており、山形との第2戦では17分15秒の出場でフィールドゴール4本すべてを決め、9得点5リバウンド5アシストを記録。拮抗する展開でクロージングラインナップにも抜てきされ、見事に勝利を呼びこむ活躍を見せた。
ロスターが揃ってきたことについて、第1戦の後、勝久マイケルヘッドコーチ(HC)は「自分たちを理解して、自分たちの強みを生かせる、そうでない部分を補い合えるチームになっていかないといけない中で、ケガによってそのプロセスを何度も中断してきました。なるべく健康になって、我々のバスケットに近づいていけるようにしていきたいと思っています」と語り、終盤戦に向けてさらなる成長を誓った。

強みを生かすために互いの特性の理解が重要
昨季からロスターの約半数が入れ替わり、一からのチーム作りを進めていたしている。ビュフォードやテレンス・ウッドベリーら能力の高いスコアラーが加入したことで、今季は持ち味のディフェンス力に加えてオフェンス力も大きく向上している。B1と昨季とB2に所属する今季では一概に比較はできないが、数字で見てみると100ポゼッションでの平均得点を示すオフェンシブレーティングは昨季の99.3から112.9まで上昇。
ビュフォードやウッドベリーの加入以外にも、ウェイン・マーシャルが健康に過ごしていることで、インサイドでの得点や、石川海斗を始めとしたガード陣との連係プレーも奏功している。昨季は30.9%とB1で最下位に沈んでいた3P成功率も、今季は33.9%と回復傾向にある。
オフェンス面については指揮官も手応えを感じているという。残り19試合で伸ばしていきたい部分について質問が及ぶと、勝久HCは「本当に言いたいのはディフェンスなんですけど」と前置きをしつつ、「今シーズンの強みを生かすためのそれぞれのラインナップによるアイデンティティをよりチーム内で深く理解して、毎回どのラインナップでも良いポゼッションになれるように遂行力を上げていくのが一番伸びしろがあると思います」とコメント。
続けて、「自分としてはディフェンスが一番得意じゃないっていう選手のディフェンスをもっともっと向上させていきたいんですけど、そこも常に取り組みつつ、少しでもその部分で毎日成長しつつ。でも一番伸びしろがあるオフェンスの部分が大事だと思っています」と核となるディフェンスは重要としつつ、ポテンシャルが高いオフェンス面でのさらなる成長を見据える。
次戦は22、23日の両日、アウェイで西地区3位のベルテックス静岡と対戦する信州。第22節終了時点での成績を元にプレーオフのフォーマットに当てはめると、現状では1回戦でぶつかるカードとなっており、注目の集まる対戦だ。
ホームで2連勝して勢いに乗る信州ブレイブウォリアーズ。自分たちの強みや特徴を理解していきながら、プレーオフに向けて日々成長を続けていく。

(芋川史貴)