
Bリーグ1部(B1)は8日と9日の両日、各地でレギュラーシーズンの第21節が行われ、東地区2位の群馬クレインサンダーズは本拠地のオープンハウスアリーナ太田で同地区5位のレバンガ北海道と対戦した。
第1戦では、群馬のディフェンスが光り、第1クォーターから北海道の攻撃を抑えると、第2Qでは29得点と大量得点で一気に波に乗り、46-30と16点リードで後半へ。その後も試合をコントロールし、70-55と快勝した。
翌第2戦では、序盤から北海道の速いテンポのオフェンスに手を焼き、31-46と15点ビハインドで前半を終える。しかし、第3Qに入ると徐々に群馬に流れが傾き始める。北海道のファウルを誘い、フリースローでつなぎながら北海道をとらえ、第3Q終了時には56-57とわずか1点差に迫る。息を吹き返した群馬は、第4Qのオフィシャルタイムアウト明けに藤井祐眞がファウルをもらいながら3Pシュートを決め、4点プレーを完成。その後、トレイ・ジョーンズのフリースローで逆転に成功し、73-68で勝利。ホームで2連勝を飾った。
第2戦では、ジョーンズが3Pシュート3本を含む21得点4アシストを記録。第1戦で通算31人目となる個人通算7,000得点の記録を達成した辻直人は、3ポイントシュート2本を含む11得点と新たな記録に向かって得点を重ねた。
第21節を終え、群馬は通算27勝10敗で東地区2位。同地区首位の宇都宮ブレックスに4ゲーム差と迫っている。また、B1全体の総合順位でも全体3位に位置しており、第3節の長崎ヴェルカ戦からは同一カードでの連敗なしと好調をキープしている。次節の第22節は、3月1日と2日に同地区8位の仙台89ERSとホームで対戦する。
第2戦後の記者会見では、カイル・ミリングHCとジョーンズが記者の質問に答えた。
カイル・ミリングHCの北海道戦後のコメント
ー北海道戦・第2戦の総括
今日(第2戦)の試合は、昨日(第1戦)の試合のように本来であればプレーをしたかったというのが正直なところではあるんですけど、前半も北海道さんがボールを回して、自信を持ってプレーできる状況を自分たちが作ってしまった。本来、自分たちがボールを回してプレーしたいんですけど、自分たちがしたいことを北海道さんにさせてしまった。そのような状態だったので、ハーフタイムに「こういうことじゃない」という話を選手にして、その後、第3Qから選手たちもリアクションしてくれたので、こういう形で終われたのは良かったかなと思います。

ー開幕戦直後は一時連敗があったが、現在好調キープしている要因は?
シースン前、夏の段階で新しい選手が入ってきたり、新しいスタッフ、コーチ陣でというところで少し調整していくのに時間がかかったところがある。特にその中でいうと、トレイ(ジョーンズ)が外国籍のガードとしているので、トレイがいるときの小さいラインナップと、いないときの大きいラインナップと、そしてその周りの選手とという、ラインナップの組み合わせを良い感じに見つけるのにちょっと時間がかかった。開幕したあとちょっと遅めのスタートだったかなと思うんですけど、いい形にはなっています。けれども、これからもっと調整していかなければいけないところもあるので、そういったところもしっかりやりながら、今後のシーズンにつなげていきたいと思っています。
ー第3Q、フリースローで得点を重ねていった理由は
自分が言った部分もありますし、選手たちが自分たちの中で、もっとアグレッシブにしなきゃいけないとというところがあったかなというのが答えです。ハーフタイムのところで、もっとアグレッシブにプレーをしないといけないというのが、前半すごく自分たちがソフトなプレーをし過ぎてしまって、ああいった形になっていた。アグレッシブにして、もらえるファウルはもらって、フリースローが一番簡単にスコアできる得点源でもあるので、それを取っていきたいねっていう話はしていた。自分も話しましたし、選手たちも前半のあの感じは良くないと思っていたので、お互いのそれが合った感じかなと思っています。
ーバイウィークでどういうチームづくりを目指すか
技術面ではなくてメンタル面の話になってしまうんですけど、例えば今日の試合でいったら、前半が本当に良くなくて、後半は自分たちの遂行力のあるやりたいことをやれた。そういう形で(前後半が)ふたつに分かれてしまったり、40分間の中でそうなるのではなく、40分間続けて遂行力を持ってプレーできるっていうようなチームづくりをしないとプレーオフで戦えないかなと思っている。そこは選手たちのメンタル面であると思っているので、本当にやりたいことをしっかりやり続けられる力を、バイウィークでつけて戻ってきたいなと思います。
ートレイ・ジョーンズのチームにおける重要性
今日の試合に関しては前半良くなかった中で、後半トレイがリーダーとなって、トレイを中心にボールが回ったり、トレイを中心にしてバスケットボールができたというところが、後半良くなった部分の要因かなと思っています。トレイがリーダーとして、周りの選手も動きやすいようにトレイが動いてくれるというのが後半の良かった部分かなと思っているので、今日の彼のプレーは本当良かったなと思っています。
シーズン通してというところでいうと、トレイからすると新しいヘッドコーチですし、自分からしたら今まで一緒にやったことのない選手ではあるので、お互い知っていくのに少し時間がかかった。また、本来トレイがどういうふうにしたいかと、チームがしたいところで違うところがあったりして、そこにアダプトしていくのに少し時間がかかったかなと思う。しかし、今はコーチがやってほしいようにトレイはプレーしてくれていますし、それが数字(スタッツ)にも出ますし、プレーにも見てとれるように出てきている。日々成長してきてくれているのは、自分たちにとっての強みだと思っているので、この成長を止めずにシーズン終わりまでいてほしいなと思います。
トレイだけではなくて選手全体もそうなんですが、コーチに寄り添うこともするし、選手にコーチが寄り添うこともある。その全体のバランスがすごく大事だと思っていて、そのバランスをチーム全体で作り上げられていると思っているので、それをしっかりやり続けたいなと思っています。
トレイ・ジョーンズの北海道戦後のコメント
ー北海道戦・第2戦後の総括
タフな試合だったと思いますし、今日の試合から学ぶことがたくさんあるような内容だったと思います。特に、前半の1、2Qの部分から学ばなければいけないことがたくさんありますし、しっかり学んで、次につなげて成長というところまで持っていけるようにしないといけないと思っています。ただ、勝ちという形で終われたのは良かったと思います。

ー前半・後半の強度の違いについて
前半、初めの5分のところは、高い位置でバスケットボールをさせたいという自分たちの気持ちはあったんですけど、彼ら(北海道)を低い位置でプレーできる状態にしてしまった。ボールを動かせる、シューターがシュート打って入るっていう状況で、そうさせたくなかったが、そうなってしまったというのが正直なところです。そうしないように、何とかしないとというのがそのまま前半ずっと続いてしまったかなという感じです。ハーフタイムのミーティングの時にヘッドコーチも自分たちに、「おそらく今、この前半が、今までのシーズンでワーストの、1番出来の悪い前半だった」というような話をしていた。それを選手たちもその通りだと思っていましたし、それを何とか自分たちで改善していかないといけないというような流れの話もあったので、そういった形で後半戻ってこれたのは良かったと思います。
ー第4Q、自身でアタックする場面も多かったが、コーチからそういった指示があったのか?
バスケットボールしている時間は常にアグレッシブでないといけないと思っているので、(ハーフタイムの)コーチの言葉があったからというわけではないんですけど、コートに出してもらえる以上、みんなどんどんアグレッシブに攻めていかなければならないので、そういった形で自分の出来ることをやるというのが、第4Qにあの形で出たのかなと思います。
ーコートに立つ上での姿勢
3、4年前までは「自分が自分が」という感じではあったので、何かレフェリーに対して思ってしまったら、自分が「言いたい!」という感じではあったんですけれども、直近のこの2シーズンというのが、ある意味自分の中ではテストみたいな感じだったかなと思っています。何かあった時に、レフェリーに言いたい、その気持ちはあるんです。でもその気持ちを、レフェリーに向けないで、「自分たちが勝つ」という方向に向けなければいけない。言いたいけれども、言いたい分を「勝たなければいけない」という(気持ちを自分に向ける)バランスを、直近の2シーズンで自分が試されていた期間だなと思います。こうなるのにすごく時間もかかりましたし、昔からこうだったというわけでもないんですけれども、言いたい分をこっちで「勝ちたいパッション」に持っていくことが自分で出来るようになったのが、ひとつの秘訣かなと思います。
ーバイウィークの過ごし方
まずはメンタル面でも体の面でも、本当にみんな休みが必要です。そこでしっかり休んだうえで、戻ってきた時に、今自分たちがいる状況というのは自分たちで勝ち取ったものでもあるので、そこをしっかり続けていくこと。そして残りのシーズンもしっかりとプレーし続けるところで、自分たちが最後に調整できるのはこの時期でもあるので。しっかり休んだあと、もう一回自分たちのやることに集中して、戻ってこれたらいいなと思っています。
(金野恵理)