Bリーグ1部(B1)は10月21日から22日にかけて各地でレギュラーシーズンの第3節が行われ、仙台89ERSはアウェイの船橋アリーナで千葉ジェッツと対戦。21日に行われた第1戦は83-72で今シーズン初勝利、22日に行われた第2戦は90-99で敗戦となり、1勝1敗で今節を終えた。
今シーズン初勝利となった第1戦は序盤千葉Jにリードを許したものの、2Q終盤に逆転をするとその後は一時点差を詰められながらもリードを保ち、敵地で勝利を飾った。
この試合では、ネイサン・ブースが20得点、ラショーン・トーマスが17得点、阿部諒が12得点8アシスト、ヴォーディミル・ゲルンが11得点16リバウンドと4選手が2桁得点を記録した。
相手に流れが傾きかけても「最後までアタック」
第1戦の試合後、藤田弘輝HCは「千葉Jは非常にタフなスケジュールの中今日戦ってくれたと思ってますし、その中でもああいうパフォーマンスを出してくる富樫選手は流石だなと思った」と相手を讃えた上で、「今シーズンの1勝目をあげることができて本当によかった」と初勝利に安堵の表情を見せた。
今シーズン島根から移籍した阿部諒の活躍も攻守で光った。4Qにバスケットカウントワンスローと3Pを決めるなど、チームに勢いを与えた阿部。ベテランのいぶし銀な活躍について指揮官は「3Pだったり、ペイントまで最後までアタックし続けたのは大きかった。特に、相手に流れが傾くかなという時間帯にand1を決めてくれたのがすごく大きなプレーだった。流れが傾いた時に消極的になりがちだったが、今日は最後までアタックできたし、それは阿部ちゃんが示してくれたおかげだと思います」と語り、勝利の立役者を讃えた。
ディフェンス面では成果もシュート確率に課題
この試合では4連敗中の課題であったTOからの失点を相手の29点に対して、8点に抑えたこと、オフェンスリバウンドも21本獲得と相手の14本を大きく上回り、千葉Jに対してポゼッションを勝てたことが勝利の要因となった。
特にディフェンス面においては、千葉Jの西村文男も試合後に「試合を通じて相手のプレッシャーにうちが負けてしまったと思った」と語ったように、終始フルコートでプレッシャーをかけ続け、トーマスの4スティールを筆頭に、阿部の3スティールなどチーム全体で11スティールをあげ、チームに流れをもたらした。
その一方で、「シュートはいつも通り入らなかった」と藤田HCが語ったように、2FG%は現時点で49.2%(リーグ20位)、3FG%は30.1%(同19位)とシュートの決定率については改善の余地がある。シーズンを通じてこの確率をどこまであげていけるかで、積み重ねる勝利の数も変わってくるに違いない。まず敵地で1つ大きな勝利をつかんだ仙台89ERS。今後のさらなる成長を期待したい。
(田中 隼翔)