強豪・名古屋ダイヤモンドドルフィンズでB1デビューを果たした加藤嵩都 「すごく刺激をもらっている」層厚いチームで充実の日々
名古屋ダイヤモンドドルフィンズの加藤嵩都©Basketball News 2for1
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 日本代表戦による約2週間の休止期間を終え、28日からレギュラーシーズンが再開するBリーグ1部(B1)。名古屋ダイヤモンドドルフィンズはここまで37試合を終え、20勝17敗で中地区5位につけている。

 今シーズンは選手の入れ替わりもあり、序盤こそ波に乗り切れない時期もあった名古屋Dだったが、少しずつチームケミストリーも構築されてきている印象だ。チャンピオンシップ(CS)進出圏内となる地区2位のアルバルク東京とは6ゲーム差、ワイルドカード2位の千葉ジェッツとは4ゲーム差とするなど、CS進出に向けて着実に調子を上げてきている。

 そんなチームに今シーズンから加入したのがポイントガードの加藤嵩都だ。B2の福島ファイヤーボンズから移籍し、初のB1舞台ながら堂々たるプレーを見せている加藤。今季はここまで30試合に出場し、平均3.7得点1.2アシストを記録。1月12日のA東京戦では初のスタメン出場を果たすなど、「東北が生んだシンデレラボーイ」との呼び声も高い。

 名門チームで日々成長する姿を見せている加藤に、チーム内での自身の役割や今シーズンの手応え、チャンピオンシップ進出を目指す終盤戦への意気込みなどについて語ってもらった。

課題は得点を取っていくこと

−B1で初めてプレーしてみての手応えは

 「なくはない」っていう感じが率直な手応えなんですけど。プレータイムもそんなにメインではもらえていない中で、二番手、三番手のバックアップガードとして出ている中で、スピードであったり、スリーポイントという武器の部分ではちゃんと通用するなという自信にもなりました。チームディフェンスの遂行だと通用した部分と通用しない部分もどちらも感じられる前半戦でした。

−「通用しないと部分」に関しては課題として取り組んでいる?

 僕のバスケットの課題感っていうのは、全部ドルフィンズ内のバスケットに収まっているというか、これをすべて解決できればもう外では通用するっていうことばかりなので。(齋藤)拓実さんという手本もいながら、具体的にいうとスピード感であったり、ガードとしての役割っていう部分も拓実さんを背中を追いながら前半戦は進んでいきました。

−B2との違いを挙げるとしたらどういった点か

 選手1人1人のレベル感はやっぱり違うなと思います。特にドルフィンズの選手たちはみんな日本代表に入ってもおかしくないような選手ばかりなので。毎日の練習ですごく刺激をもらっています。

ー特に影響を受けている選手は

拓実さんと(今村)佳太さんに関しては毎日フィルムで追って勉強したりしているので、すごく影響を受けています。

−HCから求められている役割は

 セカンダリーで出た時のスコアリング。「もっと積極的に点を取ってほしい」ということを伝えてもらっているので、自分の中でも課題感としては、ポイントガードとしてしっかりチームを生かしていきながら、チームのスコアを積極的に狙っていくところだと思います。

−自身の強みは

 スピードを生かしたプレーだと思っています。オフェンスでもディフェンスでもそうです。オフェンスでいうと、ボールもらったら積極的にオールコートでプッシュしたり、ディフェンスでいうと、オールコートから一線からプレッシャーをかけていくというのは自分の武器として自信の持てるところです。

−同級生で同じポジションの坂本聖芽はどんな存在?

 拓実さんの入れ替わりとして、どちらが出るかというライバル関係もありますけど、同じ立場にいる中で一番分かり合えている仲だと思っている。フラットな関係で、実力主義なところがありつつ、切磋琢磨して一緒に戦っていけている存在です。

−坂本に負けていないと思う部分は

スピードと3点(シュート)は自信があるので、そこは負けていないかな。でも、聖芽もスリーポイントの成功率が40%を超えていると思うので、どちらもそこは自信を持っているところかなと思います。

−坂本のすごいと思うところは

 ディフェンスですよね。名古屋のディフェンスは難しいんですよ。僕も前半戦はかなり苦労して、今も苦労している最中なんですけど。頭を使って体で反応するんじゃなくて、体で反応する前に頭で反応しないといけないんです。聖芽はB1でずっと4シーズンやってきてるわけですから、それをやりつつ、激しいところは体を使っていけるのは聖芽の活躍している要因かなと勝手に解釈しているんですけど。それが僕はまだできていないので、その両輪に慣れていなくて、体は出るけどしっかり賢く正しく判断していないという課題感がある。

 正しい判断がすぐできる、体を使ってリアクションできるというのは聖芽の武器かなと思います。僕は見えていても今までの癖とかで正しい方向にリアクションできなかったり、遅れたりするんですけど、聖芽は正しい判断して、正しい決断をできて、なおかつ体で反応できているので。それはすごいかなと僕は思います。

練習で汗を流す加藤(右)©Basketball News 2for1

CSに向けて「どれだけチームに貢献できるか」

―チャンピオンシップに向けて成長させたいポイントは

 ずっとやってきたことをまず形として、僕が追い求める理想像があります。ガードとして。そこをしっかりと形作れていけたら今シーズンはいいかなと思います。それが自ずとチームのために繋がってくると思うので。そのために僕ができること(が成長させたいポイント)です。

−現在のチームの状況は

 メンバーの怪我があったり、入れ替わりが激しかったシーズンなので、チームとしての遂行力がなかなかうまくいかなかった前半戦だったのかなとは思います。その中でもチームとしてのコンセプトをコンプリートして、しっかりとチームが理解してやった時はどのチームにも負けないっていうのも証明されているので、そこを信じてあと23試合を戦ってくだけかなと思います。

−終盤戦に向けての戦い方は

 バイウィークで試合がない期間に練習で取り組んでいることなんですけど、自分たちのバスケットを一からしっかり復習してコンプリートするというのはミーティングでみんなで共有しましたし、そこに集中して戦っていきたいです。

−終盤戦での個人としての目標は

 最初に掲げた目標と変わらず、このチームの顔になる選手になっていくこと。CSに向けてどれだけチームに貢献できるかというのも1つ自分へのチャレンジだと思っているので、しっかりやっていきたいです。

©Basketball News 2for1

(榊原かよこ)

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